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Mousse chocolat framboise 〜 おじさんのお話 〜  作者: カフェと吟遊詩人
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オジさんの説明

久々に書きました。


いつ更新出来るかわかりませんが、お付き合いお願いします。

人生に間違いなんか無い



やり続けても


挫折しても


全てが経験になり


いづれ正解になる


でも、それにその時に気付けたら誰も諦めたりしないよね。




最近、仕事すれども全く前へ進んでいない。

上司は怒りこそしないが、関わり合いたく無いらしく話しかけても来ない。


先方の中小企業の社長が頑固親父で、しかも少し鬱が入ってるんじゃ無いかと思う位に言う事が変わってくる。

なんか自分の父親に被るものが有り、自分の親子関係を思い公私共に暗くなってしまう。



もう今日は幾ら仕事をしていても意味が無い気がして来た。


「定時であがるかな」


と、考えてはいるが一流企業様の定時上がりのしわ寄せで下請け企業は昨今の流行りに乗れずブラック一色で周りの同僚はまだこれからが本番とデスクに向かっている。


こんな時間から外回りとか有りえる筈もなく、どうやって帰るか考える。


5メートル前で先輩が上司に怒られている。

自分も呼び出されれば言い訳が出来るのだが、、、。


そっと席を立ちフロアにある自動販売機でなく、1階にあるコンビニに向かう。


入り口付近の男性人気の高い2年目の沙都美に声を掛けられる。


「コーヒーですか?」


自分はあまりコンビニや自動販売機のコーヒーは飲まない。出来ればカフェに行きたい。

沙都美は周りの目を常に気にするタイプで、特に男性には笑顔で話し勘違いされて告白されていたりする。


1年と少しで2人に言い寄られてるんだからモテる女なのだろう。


しかし、先日別の新人の女の子がご飯に誘われて沙都美が誘われなかった時にフラフラと駅と反対方向に暗い顔で歩いて行った時に沙都美の闇を感じた。


「明るく周りに笑顔でいるのも努力なんだな」


と、沙都美のメンヘラを疑った瞬間だった。



コンビニで炭酸水とパンを買って外に出て風に当たって虚しい間食を食べていると、イケメンでちゃんと性格の悪い9つ下の貴則が外周りから帰って来た。


「暇そうですね」


上司受けと女子受けだけが良い貴則は蔑む様な嘲笑を口元に浮かべビルの中へ入って行った。


その背後を前述した沙都美が誘われなかった食事に誘われた新人の亜沙美が軽く会釈しながら続いた。


亜沙美は背は低く少し肉付きは良いが可愛い感じの顔をしている。


沙都美の身長は比較的高く身体はかなり細い。

顔はどちらかと言うと綺麗系で話しかけ辛い顔立ちだ。

しかし、この子が笑顔で話しかけて来るから男性陣は勘違いしてしまう。



パンを食べ終えて炭酸水は残っているが、もうこの場所でやる事が無いので仕方なく職場のフロアに戻ろうかと考えていた。

デスクに戻ってもやる事(出来る事)は無いのだが、、、。


沙都美がいつの間にか隣に立っていた。

女性には甘い職場でサービス残業1時間位で帰れる空気な我が社である。


何故か沙都美の手には自分の上着が有り黙って隣でビルの壁にもたれている。


自分は


「?」


な感じだが、沙都美が何か言い出すのを待っていた。


しばらく気不味い空気が流れていたが、沙都美が耐えきれずに言葉を切り出した


「私が上着を持っている事を疑問に思わないんですか?」


疑問には思うが、意味が解らなすぎて固まって居たのだが。

しかも、勝手にメンヘラ疑惑を沙都美に持っているので怖がっている部分もある。


返答に困っていると亜沙美がビルから出て来た


今度は自分の鞄が手にあった。


「?」


ますます意味の解ら無い。


「飲みに連れて行ってください」


「帰りたくて困っている先輩の鞄と上着をコッソリ持って来た私達にご褒美を」


2人の全く悪びれない笑顔におもわず吹き出しそうになりながら


「どこに行きたいの?」


と、自然な笑顔を今日初めて出来た自分であった。

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