4/5
思ってた人と違う
コツコツとローファーの独特の音がする。
後ろを向くとそこには、立花夏樹が居た。
「よう」
馴れ馴れしいかとも思うが気にしない。それが俺だ。
「えっと、……」
しまった。やってしまった。
そうだ、こっちが知っててもあっちは知らないんだ。
「俺、同じクラスの館川駿、な」
「あ、うん」
まずい。完全に空気が悪くなった。
なんとかしないと、って思うときに限って何も思いつかない。
頑張れ俺の脳。
「お前もこっち方面なんだ?」
よくある会話しか思いつかない。
「まぁ、こっちじゃなかったら普通来ませんよね」
「そうだな」
あれ、もう終わった。
てか、立花夏樹って意外と冷たい奴?
なんか、いつもと違う?