物集めのむなしさ その3 あまりにも下等なもんは買いなさるな
いきなりだが
『買い物依存症』という、精神疾患?があるそうだ。
たとえばこんな症状がそれだ、
部屋中をブランドバッグで、いっぱいになるほど買い集めて
しかも箱に入れたままで、開けもしない。
部屋いっぱいに、うず高くバッグの箱が積んであるだけ、、、、、、、。
しかもなお、まだ買いたくて買いたくて、ブランドバッグを買いあさる。
さて、
骨董趣味の、骨董買うのが大好きのお父さんたちも、
ハタと思い当たる筋はありませんか?
まさに骨董好きお父さんの生態?そのものではないですか?これって?
暇があれば、、いいえ、暇がなくても、
いそいそと骨董屋めぐり、骨董市めぐり、、、
そして、自分目利きで、
あれやこれやと、買いあさる。
やがて部屋中がこうしたガラクタ?でいっぱいになる始末。
しかもそのお代となるや、
数十万円単位ですよ。
時々は100万円以上の大迷品?も
自分目利き?で
いとも安易?に買ったりしますよね?
持ちろん、奥さんには内緒です。
この汚いフチの欠けた古壺を120万円で買いましたなんて、
口が裂けたっていえませんね?
そっと持ち帰りしまいこんで
隠します。見ることだってありませんね。
仕舞いぱなしですよね?
で?
さっきの「買い物依存症」と、これって全くイコールでしょ?
どこが違いますか?
買い物依存症は、精神の病ですよ。
買わずにはいられない、買う時のあのドキドキ感がたまらない、
店員の慇懃な応対がうれしくて仕方ない。
で、また買いあさる。
その繰り返しですよね。
つまり品物なんかもうどうでもいいのですね。
買うという行為自体の陶酔感、それが依存性があるということです。
アルコール依存症。薬物依存症。セックス依存症(タイガーウッズがそうだと言われましたね?)
友達依存症(友達の言いなり奴隷のようになる)
霊能者依存症、
人間は弱いですからいつも何かに依存したい。頼りたいという気持ちはあるのです。
それが何かのきっかけである特定のモノにはまる原因です。
度を越してのめり込む、というのも人間のまた心理なのですね。
骨董品もそうした対象の一つなのだと私は思うのです。
昔から骨董病とか骨董基地外とか言われたのがそれです。
『骨董の沼』とも言いますよ。嵌まったらもう抜け出せない、、、。
今でいえば『骨董依存症?』でしょうか?
ですが薬物依存症よりはまだ良い?のでしょうか?
法的には許されますし。
まあ、大げさに言えば『美の追求?」 ですからね。
とはいえ買い集めたものを見ればみんな偽物、新物、がらくたでは
この人いったい今までいくらこのがらくたに投資?したんだろうかと
悲しくもなりますよね?
開運鑑定団にも
こうした骨董好きなおじさんがよく出てきますが
住田隆がそのおじさんの自宅の骨董部屋の骨董の山を見て、
「おとうさん、今までいくらくらい骨董に使いましたか?」
と聞くと
お父さん嬉しそうに、
住田の耳元に小声で『1000万円以上ですかね』と答える。
さてそうして集めた中の本人曰く一番いいものを本日はご持参ですよ。
で、鑑定の結果は?
真っ赤な偽物、1000円とは、
すかさず中島が『お父さんもう、おやめになったらどうですか?」
骨董好きおじさんが半生掛けて集めた
1000万円かけて集めた
その中の一番いいものがコノザマですよ。
そのほかの品々は押して知るべしでしょうね。
すべてダメでしょうよ。
これで本人が目が効いて
骨董屋の上を行くようで、
いいものばかりならまあ許せますが、
1000万円かけてすべてガラクタでは
泣くに泣けないでしょう?
まあ世の骨董好きおじさんの99パーセントが
このおじさんのケースですよ。
だって海千山千のプロの骨董屋が相手ですよ。
そこらの何もわからん、骨董眼暗な
ただの骨董好きおじじさんなんか
騙すのなんか簡単ですよ。
あの、柳宗悦も
「骨董屋の上を行くようでなければいいものなんか集まるはずがない」と
おっしゃってますよ。
こうしたただの骨董好きおじさんたちは
骨董の勉強もしないし、美的センスもゼロだし、
ただ買うのがうれしいだけですから
ガラクタ収集の域を抜け出せないで終わるしかないのですね。
でも
どうでしょうか?
以下極論になりますが
本人が楽しかったのだから、それでいいじゃないか?と。
所詮カネなしの庶民では骨董道楽で名品なんか
買えるはずもありませんよ。
にせもので本人がこれは良いものだ。それがこんな安く買えたと
ぬか喜びして一生終えたなら
それでもよかったんじゃあないでしょうか?
人生なんて所詮夢幻ですよ
騙されて。
1000万円も使って
ガラクタひたすら集めて
でも。
別に破産もしないで
本人が喜んだならそれで人生OKでしょ?
死んじまえばあとはそのガラクタが
粗大ごみで燃やされようと
廃品回収業者がただで持っていこうと、
本人の知ったことじゃないですからね。
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