3話
召喚をされた初日、野宿をする事になった俺はただいま…
「ギギィィ」
「また、ゴブリン!何体いるんだよ!」
森の中で絶賛・戦・闘・中です!
あれから、門が閉められていて、呆然としていると、【索敵】に複数の魔物の反応があってこっちに来ていることが分かり、このまま此処に居ても戦い辛い為、隠れるために森に入ったのはいいがそこには至る所に魔物が居る所だった。
「あぁー、くそ。これを呼べなかったら今頃死んでいたな」
そう呟きながら右手に握っている、傭兵の時によく使っていたサイレンサーが付いた“ハンドガン”を見た。
「召喚出来て良かった」
そう、このハンドガンは俺のスキルにあった【召喚魔法】で召喚したものだ。
普通は、魔物を魔石から召喚するのが一般的と言うか、俺の呼んでいたラノベとかはそうだったが、俺の場合は何故か武器しか召喚出来なかった。
多分、イメージの問題何だろうな。
しかし、これは消費魔力が凄い。一回召喚しただけなのに、4分の1くらい魔力が無くなった。
まぁ、召喚した後も魔力を削られなくてよかったが。
「もうあれから1時間くらい戦って居るがまだ居るな」
スキルの【索敵】にまだ10体くらい反応がある。
と言うか、何故さっきまで魔物の反応何てなかったのにいきなり出てきたのだろうか?
もし、俺が夜戦にも慣れてなかった武器を召喚出来ていたとしてももう、死んでいただろう。
と、考えていていたら最後の一匹になっていた。
「これで、終わりだ!」
パシュ!
ハンドガンで頭を撃つと、ゴブリンの頭が無くなった。
明らかにオーバーキルである。
因みに何でサイレンサー付きかというと、大きいな音をたてるともっと魔物が集まって来るからだ。
「やっと、終わった。今何時なんだ?」
殲滅が終わったから少し余裕が出来た為、時間が気になった。
空を見てみると少し暗い。予想では9時くらいだと思う。
「あ、そう言えばステータス上っているよな?確認しよ」
それがこれだ。
ネーム ショウ・イナガキ
種族 人間
職業 傭兵
Lv13
体力 2138
筋力 2080
敏捷 2124
耐性 2200
魔力 2120
魔耐 1968
スキル
【CQB】【召喚魔法】【偽造】【状態異常無効】【隠密】【索敵】【言語翻訳】【応急処置】【アイテムボックス】【鑑定】【夜目】
称号
【傭兵】【あらゆる拷問に耐えたもの】【冷酷者】【異世界人】【鬼神】
ブッ!
何でこんなにステータス上がっているんだよ!?
確かに、倒した魔物は全部、Lv5を越えていてステータスも平均120は越えていたけど、この値はおかしくない?魔物は50体くらい倒したけどさ。
全部、150以上上がってるぞ?
何が原因なんだ?
1からスキルと称号を見ていく…
【鬼神】
鬼のような強さをほこり、あらゆる敵を殲滅した者に送られる称号。
戦場でのその姿、強さ、まさに鬼の如し。
効果
レベルアップ時、ステータス補正極大。
対人戦時、ステータス1.5倍される。
会得経験値少し増える。
???????
原因はこれか!
ステータス補正極大って凄いな。それに、対人戦の時にもステータスが1.5倍されるし。
しかも、会得経験値も増えるらしいし…
これだけでも凄いのにまだ何かあるのかよ…これだけで十分ですよ?
称号のことはもう無視することにして、次にスキルに【夜目】が増えているな。
暗い中で戦いまくったおかげだと思う。
これでわざわざ明かりで明るくしなくてすむから嬉しい
「これからどうするかな?」
まだ、日が変わってないから門も開いて無いだろうし…
此処に居ても、血の匂いで魔物も集まってくるだろうし。本当にどうしようか?
「っ!」
スキルの索敵に複数の反応があった。
それに、この反応は…魔物の物ではなく人間だ。
「こんな森の奥深くに居る人と言えば…」
もしかしたら、俺の推測が外れているかも知れない。…確かめに行くか。
「やはり、そうだったか…」
俺が木に隠れて、見ているものは…盗賊団だ。
俺の推測が当たったようだ。
「だが、ちょうどいい」
俺は少し笑いながらそう思った。
何故なら、盗賊団なら盗んだ金と装備品があるだろうし、それに全員殺せば更にレベルが上がるだろうしな。
俺は傭兵をしていることもあってか、人を殺すことに忌避感という物がない。
別に殺すことに快楽を持っても無い。ただ、生きるのに必要だったからだ。
もういいか、こんな事うだうだ考えていても仕方ない。此処は日本では無いのだから。
「入り口に居るのは…2人か」
俺はスキルの隠密を使い、入り口に居た盗賊をあらかじめ召喚しておいたサバイバルナイフで首を切り、殺す。
どうやら召喚魔法は、一つの物しか召喚出来ないらしい。だから、ハンドガンよりナイフのほうがいいと思い、召喚し直した。
これが終わったらナイフ位は買わないといけないな。じゃないと、無駄に魔力を消費するだけだし。
まぁ、この盗賊達が武器を盗んでいて、ナイフがあればなおのこと良いけどな。
「残り、6人か」
残りの6人は一カ所に固まっていた。
多分、酒を飲んでいるのではないだろう。
それに、今気付いたが少し離れた所に一つだけ反応がある。捕らえられている人が居るのだろうか?
「助けるか」
俺は、この捕らえられている人を助ける事にした。
少し、歩く光が漏れ出ている扉があり、その向こうから話し声と笑い声が聞こえてきた。
ゆっくりと扉を開けて中を見る。
盗賊達は一つの机を囲うように座っていて、何かを飲んでいた。…十中八九酒だろう。
その中で一番強そうな奴に【鑑定】を使ってみたが何かで阻害され、ステータスが見えなかった。
「隠蔽スキルを持っているのか」
ステータスを見えなかったのは残念だが、関係ない。さっさと終わらせて捕らえられている人を救出しよう。
銃で行くか。
サバイバルナイフを消して、召喚魔法でサイレンサー付きのハンドガンを召喚する。
扉を勢いよく開けて、発砲。
パァン!
この世界では絶対有り得ない音をたてて盗賊の6人の内の1人を頭を消し飛ばして殺した。
盗賊たちはいきなりの襲撃者と聞き慣れない音で、固まっていた。
その隙を見逃すほど翔は甘くない。
すぐに、もう1人に撃って殺す。
そこでやっと、正気に戻った残り4人の盗賊たち。
「誰だテメェは!?」
それに、俺は…
「何、ただの旅人さ」
「ふざけんな!」
旅人と言うか、冒険者なのでそう言ったら怒られた。何故だ?
剣で切りかかってきたリーダーみたいな奴の剣撃をかわして、ゼロ距離で撃つ。
「そんな剣速じゃあ俺に当たらねぇよ。死んで出直してきな。」
この言葉を最後に盗賊のリーダーは頭を吹き飛ばされて死んだ。
リーダーが死んだことで勝てないと悟ったのか我先にと逃げ始めた残りの部下を全員射殺していった。
「終わったな、結構呆気なかったな。と、そうだレベル上がっているかな?」
ネーム ショウ・イナガキ
種族 人間
職業 傭兵
Lv20
体力 3188
筋力 3130
敏捷 3174
耐性 3270
魔力 3170
魔耐 3018
ステータスを確認したら、レベルは7上がっていて、ステータスも少し上がっていた。
…全部が1000以上上がっているのが少しと言えるのならな。
「結構、上がっているな。全員のレベルが俺より高かったのだろうか?」
本当は全員のステータス見れなかったから確認のしようが無いけどな。
さて、ステータスの確認も終わったしこいつ等が盗んでいた物で使えそうなものを貰おうか。
だがその前に…
「確か、こっちだったな」
捕らえられている人を助けるとしよう。
盗賊達が死んでいる部屋から出て反応があった場所に行ってみる。
ーーーーーー
「此処か」
意外と近くてすぐにその場所に着いた。
扉を開けて中に入ると、嫌な匂いが漂ってきた。
「この匂いは…」
ある予測を立てながら奥に入っていく。
そして、そこで見たものは…
色んな液体で汚れている、裸の女性達だった。
「やっぱりな…」
もうやられた後で、女性たちの顔には生気が感じれず、ぶつぶつと何かを呟いていた。
どうやら、心が壊れてしまっているようだ…
その中に、俺と同い年くらいの少女も居た。
「この人達で全員か?」
索敵を使うと、もう少し奥に一つだけ反応があった。
「この中に…」
居るのか。そう思いながら扉を開ける。
そして、部屋の中に居たのは13歳くらいの犬耳と尻尾を生やした亜人の少女だった。
※6/10耐性のステータスを少し高く修正しました。