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ジンロー寄宿舎村のお供養

【五日目:夜明け前 “消えたのはキャロだぜ。さっき確認してきた。”】


 夢を見て、眼が覚めた。窓から僅かに風の音が聞こえる。被っていた布団を剥がしても真っ暗だった。

“オレは生きている”。もう一度眠れる気はしない。

 だって、投票された人間はいつ消える?

 幽霊は二人残っているだろう。一人はキャロライナ。もう一人はたぶんソフィアで、オレに二票は入っているはずだ。

 ジェレミーはホレさんに投票すると言っていた(オレからすれば理解できない)が、メルヤがどうするかはわからない。ホレさんもだ。

 ……もう一度眠れる気はしない。


 手探りでマッチを取ってランプに火を点ける。寒い。落ちていた服を重ねて着る。

 扉を開けて廊下へ出る。

「よっ……しゃ~~~ッ寒ィ」

 寒いので、キャロに夜這いしよ。おっぱい揉も。んでまア、ボコボコに蹴られて軽蔑の眼で見られとこ。

 廊下を歩いていると、思う。子どもの頃は、暗闇が怖かった筈なんだよな。


 アイツの部屋の扉。

 コンコンコーン。完全なる儀式的ノック。返事はない。まあ起こす気もないし。

「はいどーーーーも。おはようございます。シメオンです」

 扉を開ける。

「……うん」

 ランプから発せられてるのは曖昧な光だ。でも、やっぱ、ベッドにアイツは居ないみたいだ。

 窓からもわずかに光が漏れているような気がした。今は雪は降ってないのかな。

 山と山の間が微妙~に白んでいて、雪に覆われた木々が黒い影を作っていた。

 夜はもう明けていた。


 そのままベッドに腰をかける。乾いた布団のにおいを嗅いでみたが、長いこと使われてたかどうかも怪しい。

 オレが見たのは去年の夢ではなかった。もっとずっと昔。

“あなたって馬鹿なのね”喧嘩してボロボロになったガキのオレに、アイツは冷たく、それだけ言った。

 記憶なのか妄想なのかは分からない。

「ふー……んむ?」ベッドに座ったまま、体の後ろに手をつけて眼を瞑った。瞬間、右手に冷たい感触がした。霜だった。


 ……部屋を出る。

 やっぱし、ヒントがどこかにあった気がまだしている。だからアイツに嫌われるんだろうか。

 消えたのはキャロ。それでも、もう一度眠れる気はしない。

「寒ィなア~~~ったくよぉ」

自分の部屋へ戻る。



***



【交換日記・五年前】

“ソフィア・モーガン。小さい頃から居るらしくて、いちいち『お姉さんぶる』。まるで俺たちの保護者のつもりになってるみたいで、鼻につく。シニアの奴らともよく話しているみたいだ。自分だけが大人のつもりかっての。”


“メルヤ・クシーチカ。意味もなく陰気な女。キャロライナとは真逆だが、見てるだけでムカつく。座ろうとしたとこで椅子を蹴り飛ばしてやったら、派手に転んでしばらくうごかねー。大丈夫?って皆寄ってきてよ。病院とかいう話も出てたけど大げさすぎ。そのせいで先生にアホほど怒られて殴られた。”


『意味もなく攻撃的なのは、君のほうだろう。』


“え、お前までなんで怒ってんの?日記書こうっつったのお前のほうだろ。”



***



【ピッキングしてた部屋】

空き部屋で、ベッドの他は何もない。

【五日目:夜明け前】


お蔵入り理由:もう疲れてたのと、キャロが幽霊であることにやっぱマジでそうなの?違ったら恥ずかしいよ?これ以上上塗りしてくの?という葛藤のため。


霊界からレスポンスがあるという事を知ったいま、やっぱやっときゃよかったナーと思ってる。


【交換日記】


お蔵入り理由:ノータイミング。


二日目あたりでホールに持ってきた日記。キャロ戦でのみ使用した。

現シニアスクール分。パティは一個下なんで書いてない。

交換日記の相手はとーぜんジェレミー。


【ピッキングしてた部屋】

九割方シメオンのキャラ主張と、自分から人に絡めなかったので“誘い受け”のつもりで取ったアクション。あのときはサンキューパティ。永遠に鍵開け判定してるとこだった。

うっすらとかんたんエピローグにも使えるかな、と思っていた。

去年も起こった幽霊騒ぎの元凶がココの子で今年の二人はその時吊られたヤツ、みたいな。

でもコレじゃ誤魔化せねえなwwwwくっそwwwwwエピむっずwwwww

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