六本目
僕はあの後、なんとか一命を取り留めた。フリゴさんたちによる、解毒剤による応急処置を受け、町の病院に運ばれた。解毒剤の投与が遅かったので長期入院が必要だったものの、無事助かった。
先輩は約束通り、山奥から出ることのできないキノコの娘たちをアイドルへと進出させる、キノコの娘プロジェクトを開始し、「苦労さえすれば会いにいけるアイドル」をコンセプトとした”KNK48”を結成した。
僕の役目は終わったのだ。後のことは、先輩とフリゴさんたち、キノコの娘たちが頑張るべきで、僕のでる幕はない。
彼女たちの人気はまだまだ小規模ながらも上々で、着実にファンを増やしているらしい。ただ、山の奥へ行かなければならないという、不便さが成長を阻害しているのも事実であった。
しかし先輩が『キノコの森』に駐在し、付きっきりで。イベントを行なっているため、リピーターは確実に増えている。
この調子でCDを出せれば、オリコンチャートに入るのは間違いないと、社内でも噂されている。そりゃそうだ、なんたって先輩がプロデュースしているんだもの。
退院し、仕事に復帰した僕は会社の雑用業務をしながら、新しい仕事を任せられ、それをこなしていた。
事務所が正式にキノコの娘たちによるアイドルグループ、『KNK48』を発表し、キノコの森が一般向けにオープンしても、僕はキノコの森には戻らなかった。
理由としては、殺されかけたのでトラウマになったとか、仕事が忙しくなって、あまり時間が取れなくなったなど色々ある。まあ、一番は特に足を運ぶ理由がなかった、というのが本音だ。
しかし、そんな僕にも、『キノコの森』へ行かねばならない理由ができた。
依頼していた、KNK48のデビュー曲の楽曲のテスト版が出来たというので、現在キノコの森に駐在している、先輩の元へ届けて、了承をもらってきて欲しいという仕事を命じられたのだ。
山奥という不便さから、『キノコの森』へと通じる道は整備され、有線ケーブルも引かれたので通信も開通したが、郵便などは自力で受け渡しをしなければならない。そのため、このような小間使いは、同期の新人が担当していたのだが、今回はその担当が病欠したため、僕にその仕事が回ってきたのだ。
僕はちょっと不安と期待を入り混じらせながら、例の山へとその足で向かった。山の道無き道は突貫工事で整備され、革靴でもまっすぐキノコの世界へと向かえるようになっていた。途中で何人もの彼女たちに会いにきたファンとすれ違い、運営が好調なのに安堵した。彼女たちはもう人を殺す必要はないのだ。
道はフリゴさんの家とは逆方向に向かっていた。そこは、フリゴさんたちキノコの娘の住宅地から離れたところで、森を開拓し、新たに立てられたイベント村だ。森のなかに立てられたとは思えない、大きなキノコ型の専用会場が見えてくる。
建物内では連日イベントが行われており、キノコの娘たちがお客さんを賑わせようと、色々な芸をやったり、踊りを踊ったり、歌を歌ったりする。自分たちの持ち歌がないので、カラオケ大会ではあるが。
ここまで来ると、お客さんが増え始め、僕はカメラを抱える人たちにぶつからないように進んだ。平日だというのに、大盛況だ。
僕はまっすぐ先輩の活動拠点となっている、簡易に建てられた、駐在小屋へと進んだ。
そこには先輩が、いつもの愛想も何もない表情で出迎えてくれた。
「お疲れ様です、先輩。出来上がった楽曲をお持ちしました」
「ああ」
先輩は短くそう答えた。先輩と付き合いがない人なら、不機嫌なんじゃないかと警戒するだろうが、先輩は年中こんなもんだ。僕はあまり気にしないで、調子を尋ねた。
「まあ、好調ね。まだまだ客が少ないから赤字だけど、集客率は右肩上がりになっている。デビュー曲が出れば、もっとお客は増えるはず」
僕は先輩の話し方を見て、何か問題を抱えていると何となく直感を覚えた。
「出たんですか?」
「何が?」
「……その、死人とか」
恐る恐る、尋ねる。僕にとって、これが一番の懸念でもあった。
「いや、今のところ一人も出ていないけど」
僕はホッと安心した。キノコの娘たちの中には、好戦的なものもいる。
そういった娘たちに、ファンの何人かが“つまみ食い“的なことをされて(性的な意味ではない)、いるんじゃないかと内心ビクビクしていたのだが、そんなことはないらしい。キノコの娘たちは、皆一生懸命アイドル活動をしており、ちゃんと人間との共存を進めていたのだ。
「じゃあ、何か問題でも?」
先輩は静かに唸ると、小さな小屋の中に、誰も居ないことを確認し、小声で話し始めた。
「キノコの娘同士の摩擦が起き始めている」
「摩擦ですって」
僕はドキリとして、こちらも慎重に小声で返した。
「そう、ここには毎日平均で八百人ほどお客が来る。殆んどがリピーターね。そして、ほぼ全員が握手をして帰る。だけど、足りないのよ。キノコの娘全員に人間の生気が行き渡らずに、“あぶれて“いる娘が出始めているのよ」
「どういうことです? フリゴさんは何百人と握手すれば、生気は足りると言っていましたよ。八百人なら十分でしょう」
「それは、来たお客さんが、多数のキノコの娘と握手をしてくれたらの場合よ。入場料さえ払えば、キノコの娘との握手は無料。それならお客さんは皆、元を取るために、全員とまでは行かないけど、なるべく多くの娘と握手をする。私はそう考えたのよ」
「違うんですか?」
「初見の人やミーハーは実際そうしている。だけど、さっき殆どがリピーターだと説明したでしょう。彼らは、何が目的に来ていると思う?」
「何ってそりゃあ……」
僕は、ハッと気が付き、思わず大声で叫んでしまった。
「推しメンだ!」
推しメンとは、イチ押しメンバーのことである。
KNK48のメンバー全員ではなく、そのうちの一人だけに注目し、その娘のファンになる。つまり、グループ全員でなく、推しメン一人だけを応援する。彼らは自分の財産を投げ売ってまで推しメンのグッズを買い占めるなど、企業にとっては嬉しい存在なのだが、普通のファンにとっては引かれる存在である。
「そう。固定化されたファンは、推しメン一人に熱中し、他の娘には目もくれない。なぜなら、他の娘を応援したり、握手をするのは、浮気をしたような錯覚を引き起こす。普通のアイドルは彼らのことなど、金を落とす豚としか見ていないけど、彼らは例外なくピュアだから、この恋がいつか成熟すると信じてやまない。だから、他の娘と握手をするなんてありえないのよ」
しかし、彼らがファンであることには違いない。それに別に悪いことをしているわけでもない。全員とまんべんなく握手をしろなどと、こちらが強制できるはずもないのだ。そもそも、握手をした際に、生気が僅かだが奪われるというのは機密扱いとなっている。そんなことを知られれば、客足が遠のくのは目に見えている。
「問題は彼らの容姿よ。醜く、汚く、そして臭い。一般のお客さんが、ここまで苦労して来ても、あまりの悪臭に慌てて引き返すという事案も発生している。そうなると、一般客がどんどん離れ、来るのはオタク・ファンだけになってしまう。これは問題ね」
なんてこった。僕は全てが順調だと思っていたが、そうではなかったのだ。
「すると、キノコの娘の握手をする回数はずっと低い……」
「そう。とすると、キノコの娘たちは、自分を“推しメン“としてくれるファンを手に入れるため、争奪を始め、少々過激な行動を取りはじめているものもいる。注意が必要ね。警備員を増やしてはいるけど、大きなトラブルが起きた時、キノコの娘を果たして止められるのか……」
その時、入り口の扉が勢い良く開き、フリゴさんが中に入ってきた。
「朽木が来ているって聞いて……あ! 朽木じゃない! あんた、なんで退院したくせに来なかったのよ! 心配していたのよ!」
「ああ……いや、仕事が忙しくて……」
僕はしどろもどろで先輩のほうを振り向く。この話は例え、フリゴさんであっても、話さないほうがいい。先輩の顔には、そう書いてあった。
「プロデューサー、朽木借りていい? すぐ返すから」
「いいよ、この前みたいに殺さないでよ」
殺生な。僕はフリゴさんに引きずられながら、恨みを込めた目で先輩を見ながら、外に連れだされた。
小屋から離れ、人気の少ない森のなかへと歩きながら、フリゴさんは僕の数歩手前を行く。
「で、どうよ、調子は」
「えーっと、まあまあです……」
気まずい沈黙が流れ、僕は何か話題を探したが、何も見つからない。何しろ、散々酷い目に合わされたのだ。色々と体が自然と警戒するのだ。
「ありがとう。あと、ごめん」
「へ?」
脈絡なくそんなことを言われたものだから、僕は情けない声を出してしまった。
「いや、ちゃんとお礼と、謝罪を言っていなかったからね。ちゃんと伝えとこうと思って。朽木のおかげだよ、あんたのおかげで、私達は人と新たな絆で結ばれることが出来た。実を言うとね、私、他のキノコの娘とあんまり深い交流は無かったんだ。話すのも殆どグランディとヴィロサぐらいで、音楽を聞いて、一人で過ごすことのほうが好きだった。以前の私は、狭い世界しか知らなかったんだよ。でも今は、皆と毎日が過ごすのが楽しくて仕方がない。今日はどんな人が来るかな、明日はどんなことがあるだろうって」
「良かったですね」
僕は心からそう思って、微笑んで言った。元はといえば、あの場から逃げるために付いた適当な嘘なのを彼女は知らないが、まあ、結果オーライということにしておこう。
「それと、殺しかけちゃってごめんね」
「謝罪は随分短いですね……」
「まあ、命は助かったんだからいいでしょ。わざとじゃないんだから、いつまでもひきずるなよ」
そう言って、フリゴさんは笑った。しかし今度は急に、思いつめた顔になった。
「ねえ、朽木。それでもアイドルって、いいことばっかりじゃないわね。私この前、『いんたーねっと』っていうのをやらせてもらったんだけど、そこでKNK48人気投票とか書いてあるウェブページがあったのよ、私の知っている皆が順位付されていたわ。あれが何の意味があるのかわからないけど、ああいうので他人を貶したり、持ち上げたりする人が一杯いるのね。他のキノコの娘たちも見ちゃったみたいで、上位の娘はいいけど、下位の娘はすごく落ち込んでいたわ」
それは公式ではなく、ファンが勝手に立ち上げた投票サイトである。KNKファンなら誰もが知る、有名なサイトだから僕も見たことがある。確か、フリゴさんは三位だったはず。
他人に格付けされ、優劣をつける数字を与えられる。そういったものに慣れていないキノコの娘たちが動揺するのも無理もない。
本来ならこういうときは、優しい言葉をかけるべきなのだろうが、僕はそれとは逆のことを言った。
「うーん、残念ですが、それはしょうがないですよ。アイドルはどうしてもアイドルの扱いしか受けられません。いくら綺麗事を言っても所詮は商売ですから。表舞台にたった時点で、他の人間とはまるで違う立ち位置になるわけです、皆から好奇の目や、悪質な目で見られることは覚悟するしかないんです」
結局は順位も一つの意見だ。アイドル側は、受け入れるか、受け流すかのどちらかしかできない。どうにかしたいというなら、順位を決める側ではなく、決められる側が強くなるしかないのだ。
僕はすぐに付け加えた。
「まあ、それでも僕は愚痴を聞くぐらいは出来ますよ。番号渡しときますんで、何かあったら電話してください」
そう言って、携帯番号を紙に書いて渡した。
フリゴさんは電球をつけたみたいに顔を明るくして、しばらくその番号をニヤニヤと気味悪く見つめていた。
「あの……いたずら電話とかやめてくださいね……」
「しないわよ、失礼ね! そろそろ戻りましょう」
僕たちは先輩のいる小屋へと引き返すことにした。
「で、朽木は今日、何の用で来たの?」
フリゴさんが前を歩きながら、上機嫌に質問をしてくる。
「ああ、そうだ。言っていませんでしたね。KNK48のデビュー曲の楽曲が出来たので、持ってきたんです」
「え、出来たの! どんな歌!?」
フリゴさんがさらに上機嫌になり、声が上ずっている。
「ああ、いや。歌詞は出来ていません。まず曲を決めて、それから歌詞を考えるので、今回持ってきたのはテスト曲だけですよ。この曲でいいですかって、先輩の了承を得に来たんです」
「なーんだ、じゃあ歌が出来るのはもっと先じゃない……そうだ、じゃあ私が歌詞を作ってもいいかしら?」
「え? フリゴさんがですか?」
「うん、私趣味で曲を自作するって、最初に会った時言ったじゃない」
「まあ、自分で曲を作って、自分で歌うってアーティストもいますからね。勝手に作っても別にいいんじゃないですか? それが採用されるかは別として」
「よーしっ、帰って早速作ろう」
活き活きとしているなぁ。まるで別人みたいだ。
フリゴさんには一度殺されかけたが、今は恐怖など、微塵も感じられなかった。
夢を目指して、ひたむきに頑張る女の子とはいいものだ。
僕たちは先輩のいる小屋に辿り着き、入り口扉を開けようとした瞬間のことだ、先輩が猛烈な勢いで飛び出してきて、僕と正面から衝突した。
「痛ーっ! あ、朽木、ちょうどいい。あんたも来て、手伝いなさい!」
「なんですかいきなり!」
「喧嘩よ! キノコの娘同士の喧嘩!」
なんだって? 僕はフリゴさんと一瞬目を合わせ、すぐに先輩の後を追って走りだした。
僕は、お客さんの目の前でキノコの娘同士が喧嘩をするという、最悪の展開を想像した。結成してまだ日も立っていないのに、そんなトラブルが発生したら、イメージダウンどころの話ではない。しかし、幸いにも、そこは関係者だけしか入れない、イベント中央会場の舞台裏だった。
喧嘩をしていたのは、シロタマゴテングタケキノコの娘、アマニタ・ヴェルナさんと、シャグマアミガサタケのキノコの娘、シャグマ・エスクレンタさんだ。気性の荒い、二人のキノコの娘が互いの胸ぐらを掴み、争っており、その周りで何人かのキノコの娘がオロオロしながら見守ってる。
「何があったんですか、とにかく止めてください、落ち着いて!」
僕と先輩が二人の間に入り、仲裁しようとする。
「んっっっだっ――めぇ!」
(なんだてめえ!)
「――んっっっ――っすぞ!」
(てめえもぶっ殺すぞ!)
かなり頭に来ているらしく、ヤンキーのようにエネルギーを溜めるような言葉遣いをしている。
僕は先輩とともに、二人をなんとか引き離し、落ち着かせようとする。
「まず、こうなった経緯を話してください。どのような理由があるにせよ、手を出したほうが悪いことになりますから」
「――っけおっっ――っすぞ!」
(うるせえ、ケツから手ぇ突っ込んで、奥歯ガタガタいわすぞ!)
「んっっっ――ぞ!」
(貴方がこれ以上深入りするというのでしたら、私としても第三者として扱わず、敵として認識し、しかるべき処置をとらせていただきます。それでもよろしいでしょうか?)
駄目だ。ふたりとも頭に血が回っていて、僕の言うことなど取り扱ってくれない。
結局、二人を別々の部屋に移し、現場にいた他のキノコの娘に事情を聞くことで、事の発端が明るみに出た。
アマニタ・ヴェルナさんは、人気が高い。例の投票サイトでは六位と、かなりの上位だ。対して、シャグマ・エスクレンタさんは四七位……お世辞にも高いとはいえない。
それでもシャグマさんにも固定ファンはちゃんと存在する。シャグマさんは、そのファンたちを、とても大事にしていた。
ところが、そのうちのファンの一人が急にヴェルナさんのファンに鞍替えしてしまったのだ。おまけに結構なイケメンである。鞍替えの理由は本人に聞かない限り、闇の中だが、シャグマさんは、ヴェルナさんが汚い手を使って奪いとったと主張し、抗議した。
一方でヴェルナさんは、「それはあんたに魅力がないからだ」と煽り、喧嘩に発展してしまったのだそうだ。
この一連の出来事に一番深く傷ついたのは、フリゴさんだった。顔を青くし、自分の家にふらふらと帰ってしまった。
「ふーむ……人数が多過ぎるのが駄目なのかしら」
先輩はため息まじりにそう言った。
「六十人を一つのグループにすれば、こういったトラブルも頻出する。特に例の人気投票サイト、あれが良くない。シャグマを煽ったヴェルナにしても、彼女は元々そんなことをする娘じゃなかったようね。だけど、人気投票上位と知るやいなや、下位の娘達に対して、高圧的な態度を取るようになってしまったのよ」
「知りませんでした」
「そもそも私一人で六十人全員をまとめあげるのは無理があるのよ。マネージャーも三人いるのだけど、キノコの娘たちは彼らの言う事を聞かずに皆、私に媚びようとしてくる。それが、出世への近道だと知っているから」
「チームで分ければどうです?」
「それはもう考えた。四つのチームに分け、一人あたりの担当を十五人ほどにすれば、管理がしやすくなると思って。それで『チームK』『チームN』『チームK』『チーム4』の四チームに分けようとしたのよ」
「三チームじゃないですか」
「私はそのうちの『チームK』を引き受けようとした。当然皆『チームK』に入りたがる。そのため公平性を保つため、くじ引きで決めることになったのだけど、誰かが人気投票上位の者が、『チームK』に入るべきだと言い出したのよ」
「それだと、一五位以下の子は納得しないでしょうね」
「そう、結局話はまとまらず、保留になってチーム分けはしていない」
それは、プロデューサーである先輩が、まとめるべきキノコの娘たちに屈したとも見える。あの先輩の手に余っているとは、この問題は容易ではない。
僕の表情が暗くなっているのに気がついたのか、先輩は無理をしたように明るく言った。
「皆がイライラしているのは、握手をして生気をしっかりと補給できないからよ。その問題は、デビュー曲が発売されれば解決する。お客さんは何倍も増え、皆にはその分固定ファンが増える。そうなれば、喧嘩などしている場合じゃないでしょう」
僕はその意見に賛成できなかった。それでは格差は消えない。
先輩は請け負ったアイドルの人気が出るまでは、今みたいに泊まり込みをしてまで、全力を上げて応援し、叩き上げ、トップへと運び上げる。
しかし人気が軌道に乗ると、他のプロデューサーに仕事を丸投げしてしまうので、最後まで面倒を見るということがない。だからこそ、キノコの娘たちを育てることが出来たのだが、そのようなやり方を続けているから、問題を解決する気がないのだ。今の問題も、せいぜい、小さな亀裂程度にしか思っていないのだろう。
でも、まだまだ新人である僕にはそのことを口出しする権限などない。
不安は抱えたままだったが、いい加減事務所へと戻ることにした。フリゴさんに、お別れの挨拶が出来なかったのが心残りだった。
そして後日、小さな亀裂は、クレバスへと変化することになる。