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邂逅

前半はちょっときついお話になります。

残酷な描写、N○○(ってわけでもないですが)など苦手な方はご注意を。


「イシュ…」

 喜色を浮かべるメリリャ。

 イシュルは彼女に素早く身を寄せ肩を抱くと、さきほど彼女が出て来た商会と隣の家の間に彼女を引っぱり込んだ。

「生きてたのか!」

 感激に、思わず声が大きくなる。

「うん」

 メリリャは顔を上気させ、少し恥ずかしそうに答えた。

「良かった、本当によかった」

 しかし、涙ぐむイシュルに対し、彼女が嬉しそうな表情を見せたのはほんのわずかな間に過ぎなかった。

 彼女の微笑みは形だけのものになり、眸から柔らかな光が消えていく。

「イシュル…、戻って来てたんだね」

「え? ああ」

「イシュルも知ってるでしょ。エリスタールにいるベルシュ村出身のひとたちが、男爵に捕まってる、て噂」

「あ、ああ」

 イシュルは涙をぬぐうと、メリリャの顔を見つめた。

 村を出てから一年、メリリャの顔は頬が少し痩せすっきりとして、随分と大人びた女の顔になっていた。あの頃はまだ少し残っていた、子どもっぽいほがらかな可愛さがすっかり消え、かわりに冷たささえ感じさせる、冴えた美しさに取ってかわられている。

 家のひさしの間から差し込む月の光が、彼女の顔を明と暗に、鋭い直線で切り分けていた。彼女の大人びた冷たい感じはそのせいかもしれなかった。

「イシュルが戻ってきたら男爵に捕まっちゃうと思って。心配だったから、こうして時々見にきていたの」

「あ、ああ」

 彼女のしゃべり方も随分と大人っぽくなっていた。田舎の村娘の素朴な感じが消えている。

 エリスタールにいるから?

 いや、ちょっと待て。

「イシュルは商会の人と、フロンテーラに買付に行ってたんでしょ? でも、村があんなことになったから、かならずこの街に戻ってくると思った。イシュルなら」

 メリリャは一方的にどんどん話を進めてくる。

 この違和感。

 彼女のこの感じはなんだ?

 彼女はなぜここにいる? うまく逃げてこれたのか? 

 まさか村が襲われる前にどこかに働きに出ていたとか? いや、そんな話は聞いてない……。

「ちょっと待って」

 イシュルはしゃべり続けようとするメリリャを制止して言った。

「ごめんよ。今、メリリャはどこにいるんだ? まさか……」

 彼女は顔を反らし、目の前の商会の壁を見つめた。そして笑みを浮かべたまま言った。

「男爵さまのところよ」

 やはりそうなのか。

 イシュルの全身を冷たいものが満たしていく。

 万が一でも、ブリガールの襲撃からうまく逃れ、村の縁故者か誰かのところに保護されていたら、もしそうだったら、良かったのに。

 変わってしまったメリリャのこの様子。この感じの正体。

「……」

 イシュルは打ちのめされ、震え出しそうになる心とからだを必死に押さえつけた。

 そして、覚悟して彼女を見つめた。

 泣きそうでいて、でも、恐ろしい、鋭い目つきになってしまったかもしれない。

「つらいだろうと思うけど、村であったことを話してくれないか」

 彼女は笑顔を消した。そして横を向いたまま答えた。

「イシュルはもう知ってるんでしょ? 村がどうなったか」

「ああ」

 俺がすでにベルシュ村で起きたことを知っている、その事は彼女もわかっている。それはいい。さっきの俺の態度で充分に伝わったろう。

 だが何か違和感がある。

 買付って言ったか? フロンテーラ?

 確かに彼女は俺がフロンテーラ商会で働いていることは知ってるだろう。この場所だって誰かに聞けばすぐわかるだろう。

 誰か?誰に?

 買付、なんて誰から聞いたんだ?

 まさか商人ギルドで聞いてきたとか?

 メリリャのこの感じはいったい……。

 イシュルの抱いた不審は、沸き上がってくる絶望と怒りとともに大きく渦を巻いていく。

「だいたいのことは調べて知ってる。でもごめん。これはどうしても聞かなきゃならないことなんだ。メリリャがどうしても話したくないことは省いてくれていい。だから」

 メリリャはイシュルに顔を向けると一瞬だけ目を合わせてきた。そしてまた視線をはずし、イシュルの言う意味を正しく理解したのか薄く、自嘲気味な笑みを浮かべると、しっかりと話しはじめた。

「最初は何が起きたのかぜんぜんわからなかった。わたしはあの日、家で母さんと裁縫をしていたの」

 何を見ているのだろうか、彼女の眸に暗い影が差していく。

「お昼になる前くらいに、急に村の、広場の方が騒がしくなって、畑に出てた父さんが帰って来た。そしてわたしたちに家から出ないように、奥の方へ隠れているように言って、槍を持って家を飛び出して行ったわ。その後すぐに兵隊さんがたくさん来て……わたしも母さんたちもみなびっくりしちゃって。ほんとうは兵隊さんが家に入ってくるまでにずいぶんと時間が経ってたかもしれない……それで、わたしたちが男爵の兵隊さんたちに捕われて、ベルシュの家の前まで連れてこられた時には、村の大人たち、男の人はほとんど殺されていたわ。たぶんわたしの父さんも、イシュルのお父さんも」

 メリリャは目を合わせてこない。壁を見つめたまま、笑みを浮かべたまま話を続ける。

「ベルシュ家の敷地の端っこにみんなの死体が積み上げられていたの。母さんもわたしも、連れてこられた村の生き残った人たちもみな、泣き叫んでいたわ。でも、それもすぐ静かになった」

 メリリャはそこでまた、イシュルに一瞬だけ目を合わせてきた。

「大声で泣き叫び、暴れて抵抗した人は私たちの目の前で容赦なく殺されたから。それから、えらそうな騎士の人が、森の魔女が持っていた風の魔法具を知る者はいないかって、聞いてきたの。わたしはそんな話、今まで聞いたこともなかった」

「それから、ひとりずつ引き出され、男爵に尋問されたわけか」

 イシュルがメリリャの言葉を引き継いだ。

 メリリャはまだ微笑みを浮かべていた。だが笑みを浮かべたまま、話す声はぶるぶると震えだした。

「そうよ。ひとりとか、家族ごと二、三人ずつとか、呼び出されてベルシュの屋敷の裏の方へ連れていかれるの。裏の方からはときどき悲鳴が聞こえてきたわ。わたしたちは男爵の兵隊に囲まれて、ぶるぶる震えてた。とても恐かった。そしてわたしたちの順番が近づいてきた時、立派な鎧を着た騎士のひとが来て、やらしい顔をしてわたしひとりを無理矢理引っ張り出したの。その時」

 メリリャはたえきれずに両手で顔を覆った。

 イシュルはメリリャを抱きしめた。しばらくの間、イシュルの腕の中で彼女は震えつづけた。

 しばらくすると少しだけ、彼女の震えがおさまってきた。

 彼女はそのまま、イシュルに抱かれたまま再び話しだした。

「その時が母さんとエメリとおばあちゃんと、最後のお別れになった。わたしはその騎士の男のひとに連れていかれて、屋敷の奥の、物置みたいな部屋に閉じ込められたの。その日はずっと、外から時々悲鳴が聞こえてきて、わたしは部屋の中でひとり震え続けていた。夜遅くになると静かになって、そうしたら男爵が入って来て…」

 メリリャはそっとイシュルの腕の中から離れると、涙を流しながらまた引きつった笑みを浮かべた。

 笑みを浮かべたまま話を続けた。

「わたしは男爵が何をしようとしてきたかなんとなくわかって、滅茶苦茶抵抗した。そうしたら、男爵に思いっきり殴られて、気を失ったの。そのあと」

「もういい。もういいから」

 イシュルは彼女の両肩を掴んで話をやめさせようとした。

 だが彼女は引きつった笑みを浮かべたまま話をつづけた。

「…なんか痛くて、目が覚めたら終わってたわ。男爵は顔はきれいでも小娘はつまらん、とか言って」

 だが、それ以上は無理だった。メリリャは立っていられずイシュルにもたれかかってきた。

 再びイシュルに抱きかかえられながら、彼女は声もなく泣き続けた。

 それもしばらくすると、

「ありがとう。もう大丈夫」

 メリリャはイシュルからからだを離し、礼を言うと、またひとりで立って話を続けた。

 イシュルは彼女を抱きしめようと持ち上げた両手を力なく降ろした。彼女からは何かかたくなな、彼を、誰をも拒絶するような心の内がわずかに透けて見えていた。そのように感じられた。

「男爵が部屋を出ていった後もわたしは閉じ込められていた。次の日のお昼くらいかな。鎧を着てない、若い男のひとが部屋に入ってきて、その男のひとはやさしくしてくれて、わたしを部屋から連れ出してくれたの。そのまま男爵とも合わずに屋敷の外に出て、村の人はいなくなってたけど、わたしを馬に乗せて、エリスタールに連れてきてくれたの」

 そこでメリリャはイシュルの目を見て微笑んだ。心なしか、引きつりの取れた自然な笑みで。

「エリスタールに着くと、お城の中にある大きな家まで連れていかれて、屋根裏の召使い部屋に入れられたの。しばらくここに住んでくれっていわれて。その人はお城でもえらい人みたいで、同じ階の召使いのひとたちにもやさしくしてやってくれ、って声をかけてくれて。その時に、わたしの家族もダメだったみたいだって、教えてくれたの。最初は食事の時とか、その人が来る時以外は部屋に外から鍵をかけられていたんだけど」

 そこで彼女はイシュルから目を反らし、唾を飲み込み、

「そのうち、部屋に鍵をかけられることもなくなって、少しは自由にしてもいい、って言われたの」

「そうだったのか…」

  悲しみと怒りと、恐れと、いろいろなものが渦巻くようだったイシュルの胸が、さきほどとは違う冷さで覆われていく。沸騰していた意識が急激に冷えて、冷静になっていった。

「……それで?」

「お城の召使いで、ベルシュ村に親戚がいた、っていう女のひとがいて、そのひとがいろいろと面倒みてくれて、何度かお城の外にも出してもらえたわ。イシュルの働いているこのお店の場所もそのひとに調べてもらったの」

「そうか…」

 イシュルは微かに笑みを浮かべ、頷いて見せた。

 可哀想なメリリャ。

 彼女を村から連れ出したのはおそらく家令のヴェルスだろう。

「イザークとか、村のやつらはどうなった?」

 彼女も、イシュルの態度が妙に冷静になり、違和感を感じているかもしれない。

 村のやつら、でイシュルが誰をさしているか、メリリャなら問題なく通じる。みな、同じ村でいっしょに育ってきたのだから。

「わからない。…みんな多分駄目だったと思う。ごめんね。イシュルのお母さんもルセルも」

「母さんとルセルなら大丈夫」

 はじめて素で涙を流しはじめたかもしれないメリリャに、今度はイシュルが薄く笑った。

 彼は左手の薬指にはまった石のない指輪を彼女に見せた。

「これ、母さんがしてたものなんだ。ふたりの亡骸は見つけることができた。村の墓地に埋めてきたよ」

 メリリャの目が大きく見開かれる。

「……」

 イシュルは懐からハンカチがわりに使っている布切れを出して、涙でいっぱいの彼女の目を拭いてあげた。一応、昼に洗濯してある。

 彼女は昔のように微笑んだ。 

 そして少し上目遣いで、昔のような感じで聞いてきた。

「石が無くなってる……。兵隊さんに、宝石だけとられちゃったのかな?」

 悲しさは消えていないが口調は少し柔らかくなった。

 素で話すメリリャはこの通り、十五歳の素朴な村娘なのだ。これが本来の彼女なのだ。

「取るなら指輪ごととるさ」

 イシュルは左腕を降ろすとメリリャを正面からしっかり見つめた。

「それより、城にいるのは危険だ。俺といっしょに今すぐこの街を出よう。男爵の手の届かないところに行くんだ。あてはある。俺にまかせてくれれば大丈夫。心配しなくていいから、な?」

 メリリャは一瞬だけ目を泳がせた。一瞬だけ。

 彼女はその小さな動揺を押さえ込むと、また微笑みをつくり、イシュルを見つめ返してきた。

 もうさっきの素朴な感じは、昔の感じは消えてしまった。

「でも、イシュルは村の敵討ちをするために戻ってきたんでしょ? イシュルのお父さんやお母さんの敵討ちをするために戻ってきたんでしょ? わたしにはわかるの。わたしもそのためにあそこに居るんだもの」

 メリリャの目がすわっている。

「ブリガールは絶対許さない。かならず復讐してやるわ」

 確かに彼女の言うことには真実も、彼女の本当の気持ちも含まれているだろう。

「それは俺ひとりでやる。メリリャには安全なところに居てほしいんだ」

「でも、イシュルひとりで何ができるの? わたしが手伝えば、お城の中に入るのも簡単よ。ブルガールの寝室だってすぐにわかる」

 メリリャは強い視線を向けてきた。

 確かに、彼女の男爵に対する恨み、復讐心は本物だろう。

 だが、それだけが彼女の望みだろうか。

 彼女はこちらの誘いに乗ってこなかった。

 あの時の、自分が村を出た時の彼女のままだったら、彼女は俺の言うことを聞いてくれて、いっしょについてきてくれたかもしれない。

 彼女がついてきてくれるのなら、男爵への復讐を後回しにして、フロンテーラへ行ってセヴィルやイマルの許に預けたのに。フロンテーラまで往復する手間、男爵への復讐が後になってしまうこと、そんなことなんか何でもないのに。

 彼女は変わってしまった。それはそうだ。あんな事があったのだ。誰だって以前のままではいられない。でも、それだけじゃない。

 俺に前世の記憶がなかったら、田舎の村に生まれたただの十五の少年だったら、どれだけ衝撃を受け、苦しみ落ち込んでいたろうか。

 ……だが違うんだよ。

「そうだな。その通りかもしれない。でもやつらを殺す段取りはもう考えてあるんだ」

 イシュルはメリリャの、彼女の背後にいる者に向かって言った。

 彼女はもうこちら側にはいないのだ。彼女は向こう側にいる。


 彼女とヴェルスはつながっている。

 彼女はおそらくヴェルスの走狗となっている。

 城内で軟禁を解かれ、出入りが自由になった。それなのに城に居続ける理由。

 男爵への復讐のため? 確かに城内にいる方がやりやすいだろう。そこで俺のような協力者が現れるのを待っていた? まさかメリリャはヴェルスには隠して男爵への復讐を進めようとしている? 

 それはないだろう。彼女ひとりの力で男爵の寝室を調べ、俺を城の奥まで引き入れることなどできるわけがない。そのことは彼女自身が一番よくわかっている筈だ。

 急に不自然になった彼女の話、つじつま合わせ。下手な嘘。

 本当に以前から彼女はフロンテーラ商会に見に来ていたのだろうか? 俺が“買付”から戻ってくると思って? 

 俺がエリスタールに戻ってくるのを確認するために、彼女がフロンテーラ商会に見に行くようになったのはいつ頃からだろうか。

 ヴェルスの関与……。もし、ここ数日のことだとしたら。

 だとしたら、俺がエリスタールに戻ってきたのをどうやって知ったのか。

 あの夜にエリスタールに潜入したことを察知し、しかも俺の素性を知っている者。そんなやつがいるわけがない。

 だが、なにも手がかりがないわけではない。

 男爵家の者、ヴェルスとツアフ、いやステナと言うべきか、彼らがつながっているのはわかっている。

 ツアフからベルシュ村で起きたことや男爵家の情報を買った、正体不明の少年が現れたのが二日前。

 その情報をヴェルスがツアフからこの二日間で入手したとする。

 その少年をフロンテーラ商会に勤める、見習いのイシュルという少年と同じ人物だと、もし仮に特定できれば、メリリャをこのタイミングで商会に見に来させることは可能だ。

 だが、どうやったらツアフから情報を買っていた正体不明の少年と、フロンテーラ商会に勤める少年、イシュルとがつながるのか。つまり俺の素性や行動がわかるというのか。

 そこがわからない。

 ツアフとステナがお互いの記憶を共有していない限り、ツアフが実はまったくの正常で、自分に対する態度のすべてが演技であった場合、それ以外に俺のことを特定することはできない筈だ。モーラの身の上話が嘘だったとは思えない。

 そこにメリリャが加われば、可能になるというのか?

 それはありえない話ではないか。

 それにだ、なぜメリリャは、いや、ヴェルスは俺に誘いをかけてくるのか。


「イシュル?」

「ああ、ごめん」

「もう段取りを考えってるって……、どういうこと? 何をしようとしているの?」

 メリリャが質問してくる。

 人差し指の爪先を唇に当て、首をかしげながら。

「わたしも手伝いたいから教えて。ね?」

 メリリャ……。

「それを今さら話してもしょうがないな。明日の夜には決行しようと思ってるんだ」

「え……」

 メリリャは思いっきりとまどった表情をした。

「そんな、急すぎる。わたしも調べなくちゃいけないし…あっ、まさか収穫の宴に…」

 ヴェルスはどこまで知っている。やつはメリリャにどこまで話しているんだ?

「そうだ。男爵家で催される収穫の宴で仕掛ける」

 このことを隠す必要はない。むしろやつらにこの情報を流した方が、ツアフやメリリャ、その他の筋からか、俺に関する事がどこまで知られているのか、どう対応してくるかでおおよそ知ることができるだろう。

 イシュルはメリリャににっこり微笑んだ。

「なかなか面白そうだろ?」

「え、うん」

 彼女は吃りながらも答えた。一息遅れて頷いた。

「メリリャがほかの日じゃないと協力できないというのなら、俺ひとりでやる」

 彼女が困惑しているのがはっきりとわかる。でも何か真剣に考えているようだ。

「…わかったわ。私も手伝う。何をしたらいい?」

 彼女は少し間をおいて言ってきた。何かの見込みが立ったのか、何かを決断できたらしい。

「そうだな。お城の中へ男爵家の者や騎士団のやつらに疑われないように入れてもらえるか? 当日はもっときれいな高そうな服を着て来るから、宴に招待された客としてごまかせると思う」

「わかった。それだけでいいの?」

 本来なら、女中部屋に軟禁されるような立場の、しかもただの田舎の村娘に、そんなことができる筈もないのに。

 ここで今、彼女を強引に問いつめ、ヴェルスがどんなやつか教えてやり、彼女を彼から、男爵家から無理やり引き離すべきだろうか。

 だが、自分にわざわざ誘いをかけてくるやつの目的がわからない。メリリャはおそらくすべてを知らされてはいない。

 俺がレーネの風の魔法具の所有者であることは彼らにも知られていないだろう。もしヴェルスか、男爵か、彼らが知っていたらこんな手は使ってこないだろう。

 彼らが知っていたのなら、少なくとも今この瞬間、俺もメリリャも無事ではなかったろう。今ごろこの辺りは男爵家の騎士団、兵隊たちで埋まっていたのではないか。ただ、俺には夜中でも、建物の中にいようとどこにいようと、かなり広い範囲で人の気配を探知できる能力がある。今も周囲に怪しい人の気配はない。ひとりとして感じない。

「ああ、それで充分だよ」 

 イシュルは微かな逡巡も見せまいと、メリリャに以前と変わらない微笑みをつくって頷いた。

「それじゃあ、夕方、お城の鐘が鳴るころに、練兵場の奥に来て。そこに通用門があるの」

 お城の鐘とは、城にそびえる五つの塔のうち、北西にある五番目の塔の最上部に備え付けられた鐘のことだ。火事など緊急時の他、日の出と日没に鳴らされる。城の練兵場は城壁で囲まれた城郭の外、城の西側にある。

「兵舎の奥の城壁のところだな」

「うん」

 彼女は頷くと、それじゃあ、とそそくさと表の通りの方へ出て行った。

 奇跡の再会、といっては大げさに過ぎるか。

 なのに随分とあっさりしてるじゃないか。

 でも、仕方がないよな。これから男爵家の誰かに、俺の言ったことを急いで知らせないといけないのだろう。明日のことだから、もう時間もないしな。

「明日はがんばろうね」

「ああ」

 彼女はイシュルにかるく手を振ると、足速に通りを北に去って行く。

 月に照らされた彼女の影が北へ長く伸びている。

 イシュルは隣の家の屋根に音も無く飛び上がると身を屈め、彼女の行く先を観察した。

 しばらくすると、彼の魔法による探知にも、新たに動くものがひっかかった。

 ここから二百長歩(約百三十メートル)ほど先に、人がひとり、建物の影から出てきた。道は月に照らされ、肉眼でもかろうじて見える。その人物にメリリャが駆け寄っていく。ふたりはそのまま道の先を右に曲がり、消えていった。

 そいつがヴェルスかどうかはわからない。だが男爵家の者であることは確かだろう。

 ふたりを城まで尾行してそのまま城内に忍び込み、メリリャとヴェルスの、あるいは男爵らも加わるのか、その会話を盗み聞きする手もあるが、彼らが城内のどこに向かうのか、場所によっては見失うか、忍び込めない可能性も高い。

 メリリャ……。

 ヴェルスを殺るのは簡単だ。男爵をどうするか、その演出も考えてある。

 問題は、おそらくヴェルスに騙され、操られているメリリャだ。なんとかして彼女を救いださねばならない。

メリリャに、彼女自身がだまされていることをしっかりと理解させた上で、彼らから引き離さないといけない。

 ここは虎穴に入らずんば、だ。向こうの張った罠に飛び込んでみよう。

 こんなずさんな罠を張ったやつ、そいつにはいろいろと聞かなければならないだろう。




 イシュルは去って行く彼らを見届けると、隣の商会の屋根に飛び移り、建物の裏の方にある、普段は使われていない空き部屋のある方へ行くと、屋根の上から頭を下にしてぶら下がり、その部屋の鎧戸の隙間にナイフを刺して内側のかんぬきを引き上げた。

 この部屋の窓の鎧戸は少しガタついていて、左右の戸の間にわずかな隙間がある。

 イシュルは鎧戸を開けると、部屋の中に入り、同じ二階の自分の部屋に向かった。暗闇の中、まったく戸惑うことなく自分の部屋に入り、部屋の中にある小さな蝋燭に火をつけると服を着替え、旅装を整えていく。天井裏に隠してあった金貨も回収する。残りは三枚。新たにイシュルが着替えた服は、かつて城に行き男爵にお目見えする時に着て行った一張羅だ。もともとはイマルのお古だが。

 背中に背負っていた父の形見の剣ははずし、旅装をおさめた背負い袋といっしょに、商会に置いていく。荷物は建物の外、一階の裏手、古い木樽が二つ並んで置かれたその裏に隠しておく。

 明日、お城で事がすんだら、一旦商会に寄って荷物を回収してからエリスタールを出る。

 イシュルはむしゃくしゃした、激しく揺れる気持ちをぐっと堪えて黙々と準備を進め、商会を足早に去った。

 このような事態になった以上、商会に長い間留まるのは危険だ。 

 イシュルは自身の後方にも充分に気を配り、貧民窟に向かった。


 イシュルは橋の下まで戻ってくると、寝ている子どもたちの傍らに両足を抱えて座った。眠るように頭を下げ俯き沈思する。

 あの時の、月の光に分断された影の下から浮き上がる、彼女の白い顔が瞼に浮かぶ。

 メリリャを見舞った不幸と今の境遇。

 とてもこのまま眠りにつくことはできなかった。

 やはり一年前、村を出る時、無理矢理にでも彼女を連れて出るべきだったか。あるいは商会の仕事にも慣れた数ヶ月ほど経ったところで、彼女を迎えに行ってやれば良かったのだろうか。

 だが、そんな事はできなかった。

 それは風の魔法具を得て、魔法を詳しく調べ、冒険し、世界を見て回るという、自分の夢を捨てることだ。

 なんの能力も持たない、ただの村娘でしかない彼女を連れてはいけない。無理に連れていっても彼女を危険にさらすだけだ。村から連れ出そうと、どこに居ようと彼女とはいっしょにいられない。彼女はひとりで、孤独な境遇に置かれることになるかもしれない。それが彼女のためになることとはとても思えない。彼女の気持ちに応えることにはならない。

 そう思って、彼女を村に残し、彼女に想いを寄せていたイザークに託したのに。

 イザークのやつ、何をしていたんだ! などと今さら文句をいってもしょうがない。そんなものはただの八つ当たりだ。イザークもおそらく死んでしまったろう。

 今さら過去を悔やんでもしょうがない。嘆き悲しんでも何も変わらない。

 今はなぜヴェルスらが俺を罠に嵌めようとしているのか、その理由を突き止め、彼女を彼らから引き離し、救い出さねばならない。

 イシュルは顔を上げ、月の明かりを揺らす川面を見つめた。川の流れは橋の影の下に入ると真っ暗になり、その複雑な表情をすっかり消してしまう。

 とても気になる、考えなければならないことがある。

 それはまず、なぜヴェルス、男爵側が、自分自身のことやこちらの動きを知り得たか、ということだ。

 ツアフから男爵側に、ベルシュ村のことやブリガールの動きを調べている者がいる、という情報が漏れているのは間違いないとして、なぜ、それで俺のことまで特定できたのだろうか?

 そこにメリリャが加われば可能になるのだろうか?

 まったくの憶測になるが、よく考えてみれば実は、可能性がまったくないわけではない。

 それはたとえばヴェルスがツアフに、ベルシュ村襲撃の件で男爵家の情報を買った者がどんな風体か、問いただしていた場合だ。

 例えばツアフがヴェルスの問いに、その者が十五歳ほどのやや小柄で童顔の少年、だが、やたらと世慣れした大人顔負けの言動で接してくる、と答えたとする。ヴェルスがそれを何かの折にメリリャに話す。その時に、ベルシュ村襲撃のことを調べているのだから、その少年はベルシュ村出身の者かもしれない、とでもつけ加えれば、メリリャは即座にそれはイシュルかもしれない、と答えるだろう。

 ここ一、二年で、ベルシュ村からエリスタールに仕事に出て来た少年はイシュル以外いない筈だ。

 彼女は俺がフロンテーラ商会に勤めていることは知っているし、商会の場所を調べるのは簡単だ。俺が情報屋のツアフの店に行ってから二日間、ありえない話ではないのだ。

 それでヴェルスがメリリャに、そいつが商会に潜んでいるかもしれないから、そいつが確実にいそうな時間帯、深夜にでも商会に行って見てきてくれ、と頼めば、彼女があの時間帯に商会にいた説明はつく。

 だが彼女は、俺が商会に潜んでいるのを、俺の所在を確認しに来ただけではなかった。

 彼女はこちらに誘いをかけてきた。わたしも男爵に復讐したい、男爵に復讐するなら手伝う、と。

 あまりに不自然で、ところどころ下手な演技の混ざった彼女の誘い。そこから見えてくる、露骨すぎる罠。

 それはあまりにずさんなものだ。はっきり言って、向こうは俺のことを、ツアフからどこまで聞かされているのか?

 情報屋のツアフが把握している俺に関する情報、ジノバ邸襲撃の関係者、背後に大物がいる疑い、辺境伯の書簡の写しが本物かどうか見極めることのできる知識や教養の持ち主……、ツアフはそれらの情報すべてを男爵やヴェルスに漏らしてはいないのだろう。中には不確かな情報も含まれている。ひょっとすると、気をつけろ、くらいのことは伝えているかもしれないが、やつの持つ情報や推測をすべて伝えていたら、男爵側からは絶対にこちらに接触してくることはないだろう。誰だって危険な相手、だと考える。

 男爵側はそれらの情報は知らされず、メリリャの証言から彼女と同じ村の仲の良かった、ちょっと頭の出来がいいだけの少年、つまりメリリャと同じただの田舎者の子ども、と判断してしまったのではないだろうか。だからあんなずさんな誘い方をしてきたのだ。ツアフの情報も、つまりは歳のわりに口達者なだけ、メリリャと同じようにいくらでも手玉にとれる存在だと。

 そこまではいいだろう。だが、なぜそんな田舎者の少年の俺を、わざわざ誘ってきたのか。

 何かの事情が、ねらいがあるんだろうが、それがわからない。

 結局、考察を重ねても結論は同じだ。これ以上はわからない。このことは明日、やつらに確認しなければならないだろう。殺してしまう前に。

 しかしそれにしても、ツアフ、いやステナめ。ずいぶんとくだらないことをやってくれるじゃないか。

 確かな情報、不確かな情報、知らされない情報……。 

 あいつのせいで、周りの者がいいように振り回されている。こちらとしても状況が複雑になり、面倒な事態になった。

 まぁ、あいつのおかげでメリリャに会うことができた、と言えないこともないが。

 イシュルは橋の下の真っ黒な川面を見つめ、ひっそりと酷薄な笑みを浮かべた。




 ゆさゆさ、ゆさゆさと、からだが揺れている。

 イシュルは薄目を開けると、目の前にミーナの顔があった。

「おじ……、おにいちゃん、起きて」

 おじ?

 イシュルはがばっと、勢い良く跳ね起きた。

 下にはマントが敷かれている。はっきり覚えていないがあれから、服を汚さないよう自分できちんとマントを敷いて寝たらしい。

「おじさんじゃありません。おにいさんです」

 イシュルはばっちり目が覚めた。たじろぐミーナの後ろでカミルが笑っている。

 イシュルは橋の下から見える景色に目をやった。建物に当たる陽の感じ、影の感じから夜が明けてからだいぶ時間が経っているようだ。

 まずい。

「ごめんごめん。すぐに神殿に行こう」

 イシュルは子どもたちを連れ、さっそく神殿に向かった。


「これでよろしいかな」

 目の前には老齢の神殿長が座っている。老神官はイシュルに一枚の小さな紙きれを渡してきた。

 イシュルが神殿に一万シール、金貨一枚を寄付した受領書は、高額な寄付の場合に限られるが、受領者側と寄付した側で同じものが二通つくられる。

 イシュルはその受領書二通ともに、神殿長にふたりに語学や聖堂教に関する教育を実施する旨、裏書を要求した。これで一応、カミルとミーナには、神官になるための教育が施される保証がついたことになる。

 ちなみに慣例として、高額寄付者は神殿の正面入口付近のしかるべき場所に、名前と金額などを記した木板や銅板などが掲示されるが、これはイシュルの方で断った。

「ありがとうございます」

 イシュルは受領書を受け取り、微笑んで礼を言った。

 いやいやとんでもない、と老神官も満面の笑みで何度も頷いた。

 イシュルが三つある神殿の真ん中の部屋、神殿の出入り口のある広間に出てくると、カミルとミーナ、昨日の中年の女神官がいた。

 イシュルはまずその女神官に近寄ると、十枚ほどの銀貨をそっと手渡し、言った。

「ふたりをよろしくお願いします」

「はい。それはもう」

 女神官も満面の笑みだ。

 孤児院では有象無象、いろんな子どもたちがいるだろう。世話をする者もそうだ。その中でふたりが少しでも良い待遇を得られるよう、彼女に手を打っておくことは重要だ。

 イシュルはふたりの前で屈むとふたりの頭に手を置き、言った。

「ふたりとも頑張ってな。しっかり勉強するんだぞ」

「うん」 

「おにいちゃんの名前はサコーって言うの?」

 素直に頷くミーナに対し、カミルはイシュルが受領書など書類に署名した偽名を覗き見していたのか、イシュルの名を聞いてきた。

 良くも悪くも、イシュルの名はこれから王国に広まっていくだろう。ふたりのことを考え、イシュルは偽名を使った。

 神殿に対し偽名を使うのは当然よろしいことではないが、貴族や大商人が神殿に寄付する場合、偽名を使うことはある。それに彼はこの大陸の多くの民衆のように、とくに信心深いわけではないし、聖堂教会や神を恐れたりはしない。

 イシュルはふたりの耳許に顔を寄せ、そっとささやいた。

「本当の名前はイシュル、って言うんだ。秘密だぜ」

 神官に一礼し、涙を浮かべるカミルとミーナとお別れすると、イシュルは神殿を出た。

 左に目をやると、中を覗き見していた孤児院の子どもたちの駆けていく背中が見えた。そのうちのひとりに見覚えがある。

 イシュルは風の魔法のアシストをつけてあっという間に彼らに追いつき、見覚えのある子ども、かつてイシュルの財布をすった子どもの襟首を押さえた。

 その子がからだを固くして振り向く。

 ばつの悪そうな顔をして見上げてくるその子に、イシュルはにやりと笑って言った。

「あの時は見逃してやったんだ。あのふたりの子どもたちのこと、よろしくな」 


 神殿の前を伸びる、貧民街では一番広い道を歩いて行く。

 しばらくして振り向くと、神殿の前でカミルとミーナが手を振っていた。ふたりと別れる時は泣きそうな顔をしていたが、今は笑顔になっている。

 イシュルも笑顔で彼らに手を振り返す。

 イシュルは踵を返すと再び神殿の前の道を歩いて行った。その顔からは笑顔が消えていく。

 この後、夜にはたくさんの人を殺すことになるだろう。

 大金も使って、あのふたりの子どもを助けるのに力を尽くした理由、それは単に可哀想だったから、前世の我が子に重ね合わせて情が湧いたから、ただそれだけではない。

 そこには自身の心の均衡を保つための、これから背負う罪の意識を少しでも軽くしようとするある種の歪んだ代償行為、のようなものが含まれていなかったか。

 ふたりの子どもを助けたのは自分自身のため。偽善ではない、と完全に否定できるだろうか。

 だが、それでいいのだ、とも思う。

 レーネの末路、ステナの末路、そしておそらくツアフも……。

 ほんの少しでいいのだ。それが偽物であってもいい。前世の、この世界の、正義、道徳、良識、人間らしさ、やさしさ、なんでもいい。そんな誰もが持っている当たり前のものに指先、爪の先でも触れ続けていられれば、己の求めるものに執着するあまり自滅していった者たちと、同じ結末を向かえずにすむだろう、そう思えるのだ。

 魔法を知る。力を求める。世界を知る……。

 これから自分はおそらく、彼らと同じ道を進むことになるのだから。

 彼らとは違う、自分の未来を掴まなければならない。


 


 それからイシュルはひとり、エリスタールの西のはずれにある広場に向かった。

 広場にある井戸の周りには昨日と同じように、貧民窟の人々がからだを洗い、服を洗い、おしゃべりをし、時に下卑た笑い声を上げていた。

 広場には遊んでいる子どもたちの姿もあった。子どもたちからも時々、甲高い声が聞こえてきた。

 イシュルは広場の片隅、木の幹に背中を預けて座り、特に何を考えるでもなく、夕方までぼーっと過ごした。

 そして陽が傾いてくるとおもむろに立ち上がり、街を東に、城の方へ向かって歩きはじめた。


 街並を抜け、城の西側にある練兵場の前に立つと、正面にそびえる城から日没を告げる鐘の音が響いてきた。

 鐘の音は街の全域に鳴り響くような音量ではない。だがその音は思ったよりも重厚で、街中で幾度か聞いた筈なのにイシュルにははじめて聞く音のように感じられた。

 辺りはすっかり陽が落ち、薄暗くなっていた。練兵場は北側の半分が丈の低い草に覆われ、馬場としても使われている。さらに北には葦に覆われた湿地、というよりは沼になっている。

 小高い丘の上にあるエリスタール城の北側には沼地が広がっていた。昔、城塞を築くのにふさわしい地形だったことがよくわかる。目の前の練兵場も昔は湿地だった筈で、後に埋め立ててつくられたものだ。

 イシュルは城の方へ目をやった。城のそびえる丘の手前には、兵舎や厩などの建物が並んでいる。その建物の間に、ひとりの少女が立っているのが見えた。彼女は召使いの服装、メイド服を着ているようだが、イシュルにはその少女がメリリャだとすぐにわかった。

 同じように彼女も、練兵場の端に立った少年がイシュルだと認めた筈だ。薄暗く、この距離からでは彼女の顔は小さな白い輪郭としかわからないが、こちらを見ているのがはっきりとわかる。

 兵舎にも厩にも人の気配はない。城兵は収穫の宴の警備についているか、非番の者は歓楽街にでも繰り出しているのだろう。

 彼女はひとり、イシュルの来るのを待っている。

 以前のように、彼女がイシュルに向かって手を掲げ、手を振ってくるようなことはない。

 鐘の鳴る中、イシュルは練兵場を真っすぐ、メリリャに向かって歩いて行った。





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― 新着の感想 ―
[一言] ノクターンはどこ…ここ…?
[一言] ああ!気持ちがわかるかもしれない、もしくは分からないかもしれない。 現実の不条理、理想との乖離 異世界に紛れ込んだ日本人の油断、魂の根底に善意のうちに事故死した日本人の意思が残っているか…
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