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カトゥオール シアンティフク 11  作者: 双鶴


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2話

午後の研究棟。

窓から差し込む光が、実験台のガラスに反射していた。

干渉縞が、淡く揺れている。


湊斗は、干渉計の調整を終え、ノートに数式を書き込んでいた。

隣の席では、結菜が静かにスケッチを描いていた。

光の軌跡。波の重なり。

科学と美術の境界が、曖昧になる瞬間。


「干渉って、言葉にもあるよね」

結菜が、スケッチから目を離さずに言った。


「意味が重なること?」

湊斗が、ペンを止める。


「ううん。沈黙の中に、互いの思考が重なること」

結菜の声は、干渉縞よりも柔らかかった。


湊斗は、何も言わずに頷いた。

その沈黙が、確かに重なっていた。


---


碑文谷のアパート。

陽翔が、冷蔵庫の中のプリンを見つめていた。


「これ、結菜が持ってきたやつだよな」

大翔が、論文の参考文献を整理しながら言う。


「湊斗にだけ渡してたけど、冷蔵庫に入ってるってことは…俺らにも食べていいってことか?」

陽翔が真剣な顔で言う。


「いや、たぶん“気づいた人だけ食べていい”っていう、結菜流のメッセージだ」

大翔が笑う。


「それ、科学じゃなくて心理戦だろ」

陽翔が肩をすくめる。


---


奥沢のアパート。

結菜は、ノートの余白に言葉を綴っていた。


「沈黙の干渉。言葉のない会話。湊斗の頷きは、たぶん理解だった」


窓の外で、街灯が灯り始めた。

光が、静かに重なっていた。


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