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カトゥオール シアンティフク 11  作者: 双鶴


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10/14

10話

むさ大のメディア工学研究室。

スクリーンに、結菜のスケッチが映し出されていた。

光の粒子が、風に揺れる木々の間を通り抜けていた。


「これが、結菜の“見えている世界”」

湊斗が、プロジェクターの前に立って言った。


「命の大切さを、どう伝える?」

陽翔が、ホワイトボードに問いを書いた。


「病と向き合う勇気。寄り添う覚悟。

そして、これからの医療への決意」

大翔が、静かに答えた。


結菜は、椅子に座りながら、4人のやりとりを見つめていた。

「私の病は、たぶん“観測された痛み”になった。

でも、それを“共有された希望”に変えたい」


湊斗は、頷いた。

「科学は、命を測るだけじゃない。

命を守るために、創ることもできる」


陽翔が、プロジェクト名を書き直した。

《Project: 命の輪郭》


4人は、黙ってスクリーンを見つめた。

そこには、結菜の視点で描かれた世界が広がっていた。

風の音、光の粒、沈黙の重さ。

すべてが、命の証だった。


---


奥沢のアパート。

結菜は、ノートの余白に言葉を綴っていた。


「命の輪郭。創造の始まり。

私の病は、たぶん誰かの希望になる。

湊斗の沈黙は、たぶん未来だった」


窓の外で、風が優しく吹いていた。

その風が、スクリーンの中の世界と、現実をつないでいた。


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