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怪々呪殺  作者: ヨウ
第二章 新たな厄災と出会い
9/48

9話

「零!優!お姉ちゃんが帰ってきたよ!」


「お帰りマンモス」


「おかえりマンモス〜」


「お帰りマンモスって何!?」


愛香は屋敷に帰ってきて2人を抱きつく。


「可愛い〜!」


「あいからず、変わんねえな…いい加減、離れてくれ」


「嫌!」


「ドンマイ」


「ドンマイじゃねえよ」


優は笑い、零は呆れた顔をする。2人の表情がいつもと同じなことに愛香は満足して頷き、更に抱きつく。


「大好き〜」


「ぼくはふつう」


「ええ!?」


優の発言に驚愕する愛香。涙目になりながら踏ん張っていた。


あまりにも心の傷に残るような発言をしてしまった優は全く心配の"し"すらない。


「普通か。良かったな」


「良くないよ!?」


大好きと返答して欲しかった愛香にとって悲しむような言葉なのだ。家族に好きか嫌いかと問われたら普通と言われたら傷つくだろう。


「むう〜2人酷い!」


「きょりかんのちかいひとにいわれたくない」


「同じく」


「ぐっはっ…!」


吐血して倒れる愛香。


2人は呆れながらも倒れている愛香にツンツンとどこから持ってきたのか分からない枝で愛香の体にツンツンと突いていた。


そんな様子を見ているのは



(……既に瀕死しているんだが…)


そう、乗っ取って当主の体を操作している謎の当主だった。


ようやく帰ってきたのかと来てみれば狙う対象である愛香が既に瀕死だった。血を吐いているためとんでもなく、不味い状況なんだろうと予想できるが彼は知らない


これがいつものことであると


事情を知らない謎の当主ーいや、偽当主からしたら「やべえだろこれ」と言いたい気分になっている。


(どうする?放置しても……いや、確実たるトドメを刺さねばならん)


このまま撤退しようと考えた偽当主であったがトドメを刺そうと動く。まずは邪魔な2人に『停止眼』により、動きを封じる。


目を光らせた偽当主。彼の目からは発光していた。


『!』


「うごけ…」


「ふん!」


零は抵抗(アジスト)し、当主の能力を無効化した。


「!?何!」


「やはりお前か!」


零は偽当主を睨む。


近くにいた偽当主はやろうとしていたが止まる。近づけばまた解除されるからだ。


「今度は姉さんまでも……許さない。今度は絶対に許さないからな!」


「……チッ、流石、と言ったところか。悪いが邪魔するなら気絶させてもらうとしよう」


巨体を活かして攻撃しようとする偽当主に零は優と愛香の肩を触ってどこかに消える


「!何!?」


突然消えてしまったことに驚愕する偽当主。転移系の技を使用したことはすぐに気づいたが流石に4歳児が転移を使えるとは夢にも思わなかった。


「まさかここまで成長ーゲフッ」


後ろから何かが当たり、吹っ飛ぶ。


「なっ何が……」


頭から血が出ていることに頭の傷を手で抑えていると彼が見た人物は


東雲零だった。


光輝く銀髪に満月のような金眼。彼の顔は青筋を立てて怒りを露わにする鬼神のような表情をしていた。


「お前を絶対に許さない」


2年前に起きた最悪の事件。助かったから良かったもののまだ目を覚ましてはいない由紀の顔を思い出して"覚醒"する。


_____


「『月下』」


少年の声が、まるで別の誰かのように落ち着いて響いた。

空間が、揺れた。


銀光が弾け、東雲零の小さな体が淡い月光に包まれる。

肉体が伸び、骨格が変わり、圧倒的な存在感が空気を支配する。


光が晴れた時、そこに立っていたのは――

鋭くも静かな双眸を湛えた、一人の青年だった。


「……凶星……?」


思わず呟いた偽当主の目が見開かれる。

否――その姿は凶星に似ているが、明らかに異なる“何か”を纏っていた。


髪は黒。瞳は金。服はどこかの裏組織の幹部が来ているような漆黒のコート。


「お前は……」


「俺は、東雲零――」


青白い月の光を背に、青年の姿をした零が指を向けた。

その瞳には、幼き日の零にはなかった明確な“怒り”と“意思”が宿っていた。


「これ以上、俺の家族に……触れるな」


その気配は別人と呼べるほどに違った。


当主ほどの背はない。190以上はあるだろう高身長、凶星より小さいため、多少違うところはあるが威圧感は別人。


「……凶星ではないな…その姿はなんだ?」


「……」


「無視か。ならば貴様を倒すのーーー」


ニヤリと笑った偽当主が何か言おうとした時、斬撃が彼を襲う


「!ぐっはっ…!何!?(なんだこの傷は!)」


体に大きく裂かれた傷を見て驚愕する偽当主。


零は近づいく。


「この世の論理。万里結晶は終わりを迎える。」


「……」


「この世界は永劫回帰でできる。」


偽当主の前まで歩き、小さい岩に座る。


「その意味が分かるか?支配人」


ニヤリと笑い、偽当主を見下ろした。


どうも、ヨウです。

ここまで読んでくださりありがとうございます!


今回はついに、零が「月下」を発動しました。

変身シーンはかなり前から頭の中にイメージがあり、ようやく形にできた…という感じです。

あのセリフ「万里結晶は終わりを迎える」も、なぜか自然と浮かんできて、自分でも不思議なくらい気に入っています(笑)


この回は、「日常からの急転直下」という緩急を意識して書いてみました。

あえてギャグで始めて、後半に一気にシリアスへ。

愛香の吐血は仕様です(!)←お約束と思って読んでもらえると幸いです。


次回は、偽当主との決着編となります。

月下の力がどう暴れるか、お楽しみに!


現在、8月5日までの分を予約投稿済みです!

少しずつ物語が動いていくので、これからもよろしくお願いします!


少しでも面白いと思っていただけたら、評価(☆☆☆☆☆)やブックマークをしてもらえると励みになります。


感想も大歓迎です! いただいた声が、今後の創作の大きな力になります。


次回も楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!


次回もお楽しみに!

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