54話 過去へは戻らない
久しぶりの更新!
「……」
零は庭で座っていた。雲のせいで太陽の光が弱くなっている中で空を見上げている。
「零……」
唯は近づくも涙が溢れて何も言えなかった。見えていた未来が現実になってしまった。自分がもっとやらないといけなかったことに後悔していた。家族のいない唯を娘と扱ってくれた当主の顔を思い出して号泣した
「ごめんなさい…!私が……!私が…!」
「……」
目を瞑る零。深呼吸して息を吐く。
「俺のせいだ。俺がもっと別の方法を取ればよかった。あの状況で正常な判断ができなかった…未熟な俺が起こしたことだ…」
4年前に起きたあの事件の時点で支配者を倒せば良かった。それができなかった時点で自分がどれほど未熟なのか分かった。だから、強くなるために師匠の元で修行して努力を積み重ねてきたがその意味はなかった。
守れなかった時点で手に入れた力なんて意味なかった。月下の姿になれば結果が変わっていたかもしれないというもしもの未来に期待している後悔がある時点で正しい道ではないことと理解していた。
「何も考えたくない…」
考えれば考えるほど辛くなる。結果を変えたい意思があっても結果は変わらない。変わることができない事実に無駄に幻想を考えては何も変えることはできない。
「…怒るか?」
「ううん、怒らない」
唯は零を抱きしめる。その温もりは零がずっと居たいほどに温かった。
「零はすごいよ…私と全然違う。私が零ならできなかった…」
零の頭を撫ぜる。零は涙目になる。
「だからさ。私をずっと守ってくれると言ってくれたなら私も貴方を支えたいの…一人ぼっちじゃないでしょう?」
「…うん…」
唯は微笑んで零を抱きしめる。力強くではなく、優しく、自分の胸に零が来るようにする。
「私達はずっと一緒なら支え合いましょう」
_____
その頃、御影凶星は走って東雲家屋敷に来た
「はぁ…はぁ…!」
凶星は走って着いたら由紀がいた。
「…兄さん…」
「由紀!大丈夫か!」
凶星は安堵する。
「怪我人は?」
「居ないけど…でも…」
由紀は下を見て告げる
「父さん亡くなったよ」
「…は?」
凶星は目を開いて驚いていた。目を閉じて生活している強制の目には紫色の目だった
「何…」
動揺して瞳を大きくする。瞳孔が大きくなって由紀を見ていた。16歳も差のある由紀からの言葉は現実なのかわからないほど
「いや…は?」
理解できなかった。理解することに脳が拒否した。あめりにも衝撃な内容
「……なんだと…?いや、そんな…」
「嘘なんて私していないからね」
「……」
凶星は拳に力を込めた。
(何もできなかった…!)
また、できなかった。約束事すら守れない。家族の約束ですら
「兄さん。何もできなかったとか考えているの?」
「!?………」
「約束を守ることが全てじゃないよ」
由紀は歩き出した
「……零が心配だから私は行く」
「……ああ…」
______
少し前、病院では
「え?若返った??」
「はい、何か能力でしょうか?」
「さあぁ?……そんな力のある巻物が?」
看護師2人は話していた
「よく分からないですね」
「どう言う仕組みなんでしょう?でも、危険だからあんまり関わりたくないわ」
「ええ、危険なので…ですがあの人、若返ったらイケメンなんですね」
「年の老化…現実は残酷ね」
「まあ、そうですね…」
2人は仕事をしていく
「でも、なんで退院?検査はしたとしてもその日のうちに退院できないはずよ?」
「権力とか?」
「いやいや、流石にそれはないでしょ…いや、あるかもしれないけど私たちが分かる話ではないわ。院長なら知ってるかしら?」
すると看護師の体が切られた
「は?」
「ゲフッ…!!」
看護師は倒れた
「きゃぁぁぁ!!!!」
病院で悲鳴が聞こえた
______
その頃、男は街を歩いていた
「うむ…終わったか」
東雲家での能力の権能の反応が消えた。始末されてしまったと言うことだ。実の父親をあの男は殺したことになる。予想通り、自分には何もなかった。
そのはず、自身の権能の一部で東雲家当主の支配権をあの看護師に渡したからだ。それによって空間無視斬撃の対象外にすることができた。
二度も引っかからない。対策は用意していた。
「愚かなことを何度もすると思うなよ」
誰かに向けて言ってニヤリと頰を上げる。
「肉体の全盛期のおかげで体が軽い。友禅院家の倉にあると情報を手に入れて良かったわ。まあ、手札一つ消えてしまったが問題ない。全盛期の肉体へと戻ったならばこれからもっとできることが増える」
法人の肉体では無理だが今ならばできることが多いだろう。肉体の全盛期に戻るために騒動を起こして正解だった。
友禅院家の人間と東雲零が友人だとは知っていた。だからこそ、彼が介入されないように手札を動かした。案の定、父親を殺したことで動けない。
精神的なダメージは大きいだろう。8歳と言う幼い子供にやらせたのだ。計画範囲内。ただ、問題は自分の存在に気づいている者たちがここに向かっていること。病院に行くと言うことは自分の場所を知ってるわけだ
「危険だな」
安座間は少し歩く速度を上げた
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