53話 呪殺
「そうだ…忘れていたことがあった」
病室に出て看護師を見る
「忘れ物ですか?」
「ああ」
看護師の頰を触る
「へ?」
真っ赤になる看護師に安座間は笑う。病室に戻って歯磨きセットを出して服に入れる
「俺は行くとしよう。"忘れ物"はもうないからな。」
そう言って病室から出て歩き出した
「"二度"も引っかかることはない」
_______
その頃、東雲家では
「ほらよ!」
偽当主を吹っ飛ばした零。偽当主は吐血していた
「ぐっ…」
「零!」
「駄目だ」
優は獅子の死神で唯を止める。
「なんで!(このままじゃ…!)」
唯は必死に動く止められる
「これで終わりにしよう…!東雲零ぃぃぃ!!!」
「誰もこれ以上…!お前の好きにはさせない!」
「!不味い…!」
零は実の父親に向かって空間すら切り裂く斬撃を飛ばした。
「これで…Adieu…」
当主はーー
_____
数日前
「次、支配されたら俺を殺せ」
「…なぜ?」
零は当主の部屋にいた。理解できない言葉に顔を顰める
「俺に殺しの依頼でもするのか?馬鹿?」
「…凶星は甘いからできない。それにあいつはいつも"遅れる"。だが、お前は間に合っている。ならば、お前に託すのが正しいと思う。本当ならそうさせないようにしたいところだが…それができないのが現実だ」
当主は笑うと零は不機嫌顔になる
「嫌だね。親殺しなんてしたくない」
「頼めるのはお前だけだ。エリーたちじゃ止めて被害を大きくするだけ。次がある前に自殺するのが策だが…」
刀を持って首を切ろうとしたら謎の鎖が出てきて刀を破壊した
「!」
「これがある限りどうにもならない。お前の能力解除ならばできるかもしれないが…」
「…」
鎖を触ると破壊できた。鎖を次々と破壊破壊していくも再生する
「呪い…呪術…」
「ああ、破壊できても再生できる。これは呪術によるもので"能力"ではない。だから、死ぬことは他者に加えるーいや、即死攻撃をさせるしかない。凶星にそうさせようもあいつは俺を嫌っているからな。できないだろう」
空を見上げる当主。
「生きるのに疲れてしまった。この手で殺した数だけ悪夢は見てしまう。生きていることが罪ならばもう終わりにしたい。これ以上被害を出さないことを」
「…意味わからない。俺はそんなことをするために生まれたのか?」
「違う。お前は東雲家の運命を変えるために生まれたーと言いたいところだが当主になるためかもな」
「どっちも似たようなものだろ(自分の息子にそんなことをさせる馬鹿がどこにいるんだ?)」
零は顔を顰めるも2年前に唯に言ったことがあり、ブーメランが刺さる。
『だが、俺を殺せる覚悟があるならの話だぞ』
かつて唯に言った言葉は零の心に刺してしまった
「どんなに重い運命だろうとお前なら必ず乗り越えられる。だから」
笑って零の頭を撫ぜる。優しい顔と優しい手が零の記憶に残る。
______
『俺を殺してくれ』
目の前に倒れている当主。切り口から血が溢れて出ていた。
「そんな…!」
唯は泣いて地面に涙の池を作る。優は無表情に見ていた。
「……」
倒れている当主の前に無言で立っている零
「…零…?」
「……」
光のない目がエリーを見る。
「…終わった」
零は目を瞑る。涙は出なかった。
「外に出る」
零はその場から去った。エリーは追いかけようとしたがそれはできなかった。
「……(私がもっとやらないといけなかった…!ごめん…)ごめんなさい…!」
涙を出して当主の横に来て目を閉じている当主の頭を撫ぜる。その目には涙で見えなかった
「お疲れ様…あなた…」
号泣して嗚咽する。優はそれを見て目を瞑って部屋から出た。
「姉さん。行くよ」
「……でも…!」
「兄さんを放置するのかい?」
「!」
唯は動揺すると優は唯の腕を握って部屋から出て廊下を歩く
「その道を行ったら兄さんがいる。行かないとどうなるのか知らないよ」
「…うん!」
唯は走っていくと優はため息する。目の前で父親を殺された光景が記憶として残ってしまう。吐き気するほどに衝撃が強かったが優は泣かなかった。あの父親が支配されて殺されるようなことがあっても兄が躊躇いもなく殺した意味には何かあると考えているからだ。おそらく、何か託したんだろうと考えて少し歩いて庭が見える場所まで来た
「馬鹿だね…」
優は空を見る。雲がたくさんある空だった。なんとも特別とは思えない空に苛立ちを覚えるも優は心の中で抑える。
「私が止めたことは正しくないかもしれないね…」
自分が唯を止めて父親を見殺したことが悪いと考えてしまう優。だが、どうしても止めないといけないと無意識に動いた。唯が父親を庇うようなことをしてしまうと予想はできる。
最悪な未来が来てしまうなら、止めないといけないと考えた自分が悪なのかは判断できないーいや、したくなかった、後悔してしまったら前に進めない。
「いや、そんなことを考えたらキリがない」
優は歩いていく。後悔という文字が頭の中でできていようが優は無視した。
「私は私だ…」
と言って自分の心を落ち着かせて少し歩くスピードを上げる。彼の目には一粒の涙が頬に伝わった。
どうも、ヨウです。
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