5話
「くくっ……これで死んだか!」
笑う当主?
「実に清々しい気分だな。これで東雲由紀は終わる。危険分子の排除はまた1人と死んだ。さて、次の犠牲者は誰になるのか…」
「……」
「どうした?実のあ「黙れ」ん?」
零の気配が変わる。
「発動」
零は"何か"を発動し、由紀の傷を完全に癒す。刺された肩の傷は何事もなかったように完全に治った。
「何……!?」
「なっー!?」
当主?と彰は驚愕した。
恐ろしい回復スピード、他者への回復があまりにも早すぎた。
「あり得ぬ…まさか…まさか…!そのまさかか……!!あり得ぬ!能力だと!?馬鹿な……あまりにも能力を得るのが早すぎる。これが2歳児の…」
固まるもすぐに切り替える
「だっだが、回復系能力とは実に残念だ…貴様も殺すとしよう」
「させない!」
彰はすぐに動いて男に攻撃をしようとした時、零は動く。
「『月下』」
乗っ取られた当主の足を触ると乗っ取られた当主は倒れた。
「……え?」
彰は唖然する。突然、乗っ取られた当主が倒れたからだ。
何があった?と零に聞きたいくらいだった。
「……」
彰を見る。彼の目は満月のように輝く目をしていた。まるで何かの力のように……
その目は、ただの子供のものとは思えない、どこか神秘的な輝きを帯びていた
「れっ零……なのか?」
「……」
無言を貫く。誰なのか、当主のように誰かに乗っ取られているのか彰は不安を覚えた。
「零?」
「……疲れ…た…」
倒れた。
目を閉じ、全身の力を振り絞り、零はやっとのことで力尽きた。彼の小さな体が震え、無意識のうちに微かな涙が頬を伝う。
「零!」
すぐに零を抱き上げる。疲れているのか寝息が聞こえた。どうやら、力を尽きて倒れたようだ。
彰の胸に抱かれながら、零の呼吸はゆっくりと落ち着いていった。
「……大丈夫だ、零……きっと、由紀も……」
「ふう〜……皆は無事か」
彰は零と由紀を抱えてその場から去った。
その後、由紀は長い昏睡状態に入る。医術・回復能力でもすぐには目を覚まさず、東雲家の誰もが彼女の意識を取り戻す日を待ち続けることになる……
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とある場所では
「ばっ馬鹿な!あり得ぬ!」
とある老人が喚く。
「我が能力が解除されただと!?能力を解除するなんぞ…」
あり得なかった。能力を強制的に解除されたことに
自身が何十年もかけていた呪いの一つが解除されてしまった。
「まさかこうなるとは……あり得ぬ…!あり得ぬ!!我が能力は完璧なはず、たかが2歳の餓鬼に解除されるだと…!」
もう一度かけることはできる。既に乗っ取っている器の精神は崩壊寸断へと落ちている。たが、その分、支配できる時間は減っているが……
「あの女子が復活されてしまったがあの傷から復活してもすぐに起きぬ。次、やるべき……」
何か考え、思考する。
少し時間が経つと男は今やるべきことを結論として出した。
「深追いはしないでおこう。今は乗っ取っている別の人間どもの管理だ」
老人は落ち着いて自身の能力を発動し、また洗脳を繰り返す。
外道な行為をする悪鬼はこの先、どう結末に堕ちていくのかはまだ知らない。
いつか堕ちる日まで……
どうも、ヨウです。
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