41話 過ぎた時
10万文字突破!!!!
朝日が昇っていく中、寝ている女の子がいた。零に似た髪色を持つ女の子。年は10歳ほどと見れる中、彼女は目が醒める
「……ん…んん…」
目を開ける。瞼が重く感じるが開けることができた。
「…ここは……」
起き上がろうとしたが力が入らなかった。力を入れようとしても上手く立ち上がらなかった。まるで別人の体に乗っ取ったような感覚。自分の体とは思えない全く違う感覚だった。
手を見ると自分が見ている手とは違った。大きい手、自分の手じゃないと彼女は驚き、声を上げる。
「私の…手?違う!こんなに大きくない…!」
自分の体じゃないと力任せに体を動かすも動けない。能力を使用して雪の力で起き上がる。無理矢理動いたせいなのか体が悲鳴を上げている。
「どうして…!」
「ああ〜うるせえ〜何ギャァギャァ……は?」
彼女の騒ぎ声に来た銀髪の男の子。部屋の扉を開けて
彼女の姿を見て固まった。まるで信じられないモノを見たように…
「……まさか……零ちゃん?」
彼女は思わず言葉を漏らした。彼女は彼の姿を見て驚愕した。彼女が知っている零は成長していて自分が記憶している零と違っていた。
それでも、彼女が知っている零と面影があった。
別人と言えないほどに彼の姿は彼女が知っている可愛い弟だった。
「どうしたんだい?零」
「おい!優!由紀姉ちゃんが起きたぞ!」
「は?何を……」
見たことがない男の子だった。零と違って母親に似たような子。彼も彼女を見て驚愕していた。知らない人だが彼女は無意識に誰なのか分かった。彼が自分の血縁者であることを
「……初めて見た…起きている姿…」
「…えっと…誰?零ちゃんの子?」
「なわけねえよ。俺、6歳だわ。こいつは優。俺の弟」
彼女は今の言葉に固まる。零が6歳と答えた。
それは自分が知っている記憶より後の未来であることを
それは彼女が知っている零が2歳から6歳になったことになる。
4年も時が過ぎていた…4年も時が過ぎていたのだ。
「ったく…まさか由紀姉ちゃんが起きるなんてな!赤飯赤飯!!!」
「さっき朝飯食べたばかりでしょ」
「そんなこと言っている場合か!」
「たかが起きた程度じゃないか」
「お前、ざっけんなよ!」
「ああ?」
2人の言い合いしている姿に由紀は笑った。零が元気よく成長していた。由紀は2人の言い合いに微笑んで見ていた
(零が…こんなにも大きくなった…4年…4年か…)
自分の思考がたくさんの情報を得てパニックになっている。なんとなく、理解しているように見えるが理解することができていない。
自分が4年も寝ていたと言う事実に彼女は分からなくなった。ただ、彼女は思考を放棄した。それが彼女の選択。分からない事を深く考えないと言う選択をしたのだ。
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その後、母が来て今が4年後の世界であり、由紀は零に助けられたおかげで生きている事を話した。由紀は歓喜した、零が自分のことを守ってくれたとあの時の話を聞いてあまりにも嬉しかった。
ただ、零に許嫁ができたことに顔を顰める。義娘もいることに困惑な表情をするも複雑な表情になる。
零が幸せならいいが許嫁までできるなんて許せなかった。ただ、それでも零が許嫁のことを気に入っていることに文句を言っても意味がないだろうと分かった。
自分が文句を言っても零は彼女を守るだろうと自分を父親から守ってくれた同様に同じ事をするだろう。
素直に祝福をしようも涙が出そうになる。
「零ちゃん…良かったね…」
零は彼女の表情を見て笑う
「ああ、ありがとう由紀姉ちゃん」
彼の笑顔に彼女は笑った。彼の笑顔は自分が知っているあの頃の彼の笑顔にそっくりだった。
「うん…由紀姉さん!」
愛香が由紀に抱きつく。彼女は苦笑するも頭を撫ぜる。愛香は泣いていた。
彼女が泣いた姿に零と優は驚いて顔を向いてお互いの顔を見る。彼女が泣く姿はあんまり見たことがなかったからだ。
「愛香姉ちゃん泣くんだね」
「泣くは泣くだろ…まあ、らしくないと言えばらしくねえけど…」
2人は困惑な表情をしていると2人の後ろに金髪の男が現れた。16歳くらいの高校生。
「由紀…目覚めたんだね!」
「誰?」
由紀は彼が誰なのか分からなかった。耳にピアスをしていてどこかのチャラ男みたいな感じの人の記憶はない。零や愛香、母さんのような面影のある人ならまだしも彼に対する記憶は全くなかった。
「ええ!!記憶喪失!!!?」
彼は驚愕した顔をした。由紀は誰なのか分からなかった。彰兄さんという兄の記憶があるが彼は似ている。ただ、それでも本人なのか分からなかった。
「いや、兄さん。単に4年前と姿変わってるから分からねえだけだぞ」
「ああ〜なるほどね!」
零から言われて彼は納得した顔をした。
「僕だよ。彰さ!」
「えええ!!?」
「へ?そんなに驚くこと?」
由紀は驚愕した。彰に似ている人が本物の彰である事を
ピアスしていない頃の記憶しかなかった彼女にとって大きな衝撃だった。彼女が知っている彰とは違っていた。別人と言えるほどに外見の変化が起きたわけではないが同一人物か疑うほどに雰囲気が変わっていた。
「…彰兄さんなの?………随分変わったね…」
「そうだね〜4年も経てば僕も変わるさ!」
「この前告白されていたよね〜」
「うわ〜断ったんだろどうせ…ケッ!」
「チッこの女誑しめ!」
「酷くない?そんな罵倒とか睨まれることした?」
零と優は彰を睨んでいた。3人の姿に由紀はまた笑う。
「私もモテたいな〜」
「大丈夫よ。由紀はモテるわ」
「彰兄さん以上にモテないとね!」
母さんと愛香はそう言うと零は言う
「いや、この人3桁くらい告白されてんぞ」
『は?』
由紀たち3人は彰を睨む。彰は知らんぷりして首を傾げると母さんはため息した。
「嘘でしょ…3桁?彰…随分モテるわね……誰に似たのかしら?」
母さんは呆れた顔をした。そこまでモテている話は聞いたことがなかった。凶星と無意識に比べたが凶星は告白されたことがないと言う記憶しかない。
「凶星でも告白されたことがないのに…いや、今の奥さんから告白されて付き合った話は聞いたことがあるけど…」
「うわ…女の敵だね…告白されるのが快感になっている人嫌い!」
「いや、待て待て!!快感とかそんなの味わっていないからね!?」
全力否定する彰を睨む4人。
「最低」
由紀はゴミを見るような目で見る。
「クソ」
愛香は彰を睨む。
「羨ましいな〜羨ましいな〜」
零は死んだような目で見る
「やはり、貴様はクズだぁ!」
刀を持つ優
「酷くない!?あと、零に関しては許嫁いるよね!?まるで自分はモテないと言っているけど許嫁いるよね!」
「3桁も告白された男と一緒にするな!!」
キレて彰の服の袖を掴む。零がキレたことにどうようか慌てる彰。この状況に由紀たちは微笑ましく見守っていた。
兄弟喧嘩は本来止めないといけないが今回ばかりは彰が悪いため、そっと見守っておくだけでいいだろうと判断を出した。
「零が喧嘩なんてするだね…」
由紀は2人の言い合いを見る。自分が知っている零は喧嘩をしない心の優しい人だったが今はヤンキー気質のある子に育っていた。
なんとも複雑な気持ちになるけれどもそれでも楽しく暮らしている零を見て嬉しかった。愛香も成長した。
彰に関してはなって欲しくない道に行ってしまったが本質は昔と変わらない。
「いいな〜」
羨ましくなった。この4年間の出来事を知りたくなった。私の知らない4年間を、彼らはこんなに笑って過ごしてきたのだと思うと…
彼女は笑って2人の言い合いを見守るのだった。
どうも、ヨウです。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
あと、数話で第3章が終わる予定です。それと次回はあの人が登場!
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