3話
零が誕生して早一ヶ月
母サイド
「バブ〜」
ふふっ、やっぱりあの人に似てるわね。髪色は同じだけど――この輝きは、私の父に近いかしら。
父さんと同じなのは少し…
「あう?」
可愛いわ〜
「可愛い〜!」
「姉ちゃんうるさい」
赤ん坊の零に2人の女の子がいた。
零のそばには、2人の姉がいる。
由紀と愛香――4歳と2歳の娘たち。零とはそれぞれ4つ、2つ年が離れている。
2人とも可愛いから将来、成長した時、性格が由良奈に似てしまうかもと心配なるけど多分大丈夫よね。
「だって、零ちゃんが可愛いもん」
「間違っていないけどうるさいよ!零ちゃん起きてしまうよ」
「いや、愛香、零は普通に起きているわよ」
零を抱き上げる。
「うう〜!」
バタバタと暴れている、そんなに抱っこが怖いのかしら?生まれてから数日は問題なかったのに抱っこしたら怖がるのよね〜おんぶしても怖がるから高か上げるのが苦手かしら?
でも、高い場所から外を見ても問題なのよね。もしかしたら、誰かに持ち上げられることが嫌なのかしら?
ちょっと危ないわね
「よしよし、ママですよー」
「あい!」
返事はいいわね、返事だけは
「あい!あい!うう〜」
「いいな〜私も零に抱っこさせたい!」
「無理だよお姉ちゃん。力ないじゃん」
「ぐっ……」
まだ、4歳じゃ赤ん坊を抱っこさせるのは難しいわね
_____
凶星サイド
「久しぶりだな。彰」
1ヶ月ぶりに実家に帰ったら我が弟である彰が俺のところに来ていた。
俺の前にいる10歳下の弟、彰。
銀髪に金の瞳。顔立ちは母さん似だ。
……あのクソ親父に似ていなくて本当に良かった。
聞くところによると、ラッキースケベに遭遇しすぎてトラブルも多いらしい。
それでも明るく元気にしているあたり、さすが俺の弟ってところか。
「兄さん久しぶりだね。1ヶ月ぶりかな。義姉さんと一緒じゃないの?」
「ふっ、問題ない。夜美の体調は安定している、今日は用事があって来たんだ。最近はどうだ?彰」
「おじさんみたいだね」
「おっおじ!?」
俺はそんなに年取っていないぞ!20歳がおじさんだと!?あり得ん!
「おじさんではない。俺はまだ20歳だぞ。いくらなんでも早すぎる」
「言い方がおじさんなんだよ」
言い方だと…!
「最近は元気だよ。零が誕生してから由紀たちは零に構っているから少し寂しいけど過保護な母が向ける対象が零になったから楽になったね!いえ〜い!」
「そうか、元気にしているようで良かった良かった。だが、それじゃ、寂しくないか?」
あの母の過保護対象から外れたはいいことだが、寂しい部分もあるはず。後から生まれた兄弟に構う分、上の兄弟は母親からの愛情を注がれにくいからな。
「いいや、そのほうが楽だよ。トイレまで着いてくるんだよ?僕、10歳なのにそんなことをされるんだからさ」
そこまでされているのか…流石に同情するぞ我が弟よ。俺の時はそんなことがなかったが…由良奈がその役割をされた。
その分、俺は楽だったな。今思い出すと考え深い。あれから十数年も経っている。
「楽か。母の過保護は重いな。昔とは変わらない」
「ここはそこまで警戒する必要がないのにね」
「いや、そうとは限らない」
東雲家は歴史のある家系、それをよくと思わない馬鹿どもは多い。俺は問題ないが親父のことを嫌っている奴らはたくさんいる。
特にあの野郎。過去に命を狙われた回数は東雲家、歴代の中で上位と言われるほどに命を狙われた回数は多い。
あの性格じゃ、説得力がある、ささっと死んでほしいが……
「あのクソ野郎が狙われているからな。零が次期当主として育てるならば狙われる可能性が大いにある」
「……あの野郎がね……紫苑姉さんを、能力が弱いからって殺した……外道だよ、あれは」
「……」
彰の姉に当たる一つ上の四女、紫苑。俺の大事な妹の1人だったあの子は…6年前に亡くなっている。
あの野郎が殺したせいだ。才能を6歳に決めつける馬鹿な考えを子供に植え付ける外道の中の外道。
"能力"の力が弱いだけで殺すあの野郎は俺が必ず殺さなければならない。いつか化けの皮が剥がれるまで…
「なんで、母さんはあの人のことをずっとそばにいるんだろう」
母さんは何を考えているのかは俺でも分からん。出会ったのが10の時。30年前は普通に子供らしい人だったとは聞いた時は信じられなかった。
27年前に両親兄弟を殺されたあの事件によって親父は強制的に次期当主になったことによる原因で今の性格になったのか。
才能がないから殺すようになったのは母さんの話では俺が生まれたどころか光希が生まれた時もなかった。
「人格が歪む前のことを言っているんだろうーいや、違うか……」
今のあの野郎は親父ではない
「ささっと正体が分かれば殺せるが分からなければどうにもならん。次の"対象"を零になれば東雲家存続はできん」
いつかその正体が気づくだろう。その時は俺が殺す
「…兄さん」
「大丈夫だ。お前の兄は強い。奴を殺すのは俺だ。お前らに殺しの業を背負わせるわけにはいかない」
それが東雲家長男である俺の役目。いつかその日まで待っていろクソ野郎。
あの日交わした約束が、数年後、地獄を連れてくることになるとも知らずに。
どうも、ヨウです。
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