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怪々呪殺  作者: ヨウ
第三章ー弍 許嫁編
28/58

28話

「2人とも…仲悪いけどどうしたん?」


声をかけてみる。


2人がここまで睨み合うことなんてしていないはずだ。波長が合わないからか?


「仲が悪いか…昨日、あのクソ野郎から零が婚約者が決まったと言われた時は驚いた。だから、今日、見に来たら…まさかこんなガキとはな」


父さん、兄者になんて説明したんだ?


ここまでやべえオーラを纏っている兄者は見たことないんだけど…唯は別に悪くないぞ


「あら、喧嘩でも売っているのかしら?ふふふ…私は義兄様が思っているような人じゃないので心配は不要ですよ」


唯も怖い。背後にいる鬼神が3体に増えているから更に怖いんだけど…どうなっているのそれ?


背後霊?いや、そんなわけがないか…守護霊なのか…?


「ほう?俺を相手に勝つ気か?残念だが俺は本気に人と相手をするのが嫌いなんだよ。」


「本気をやらずに戦闘するとなれば問題はないがどうする?」


戦うなよ。なんで6歳を相手に戦闘をしようとしているんだこの人。いくらなんでもそれはないだろ…どんだけ怒っているの?


本気を出さないからってやっていいこととやってはいけないことはあるでしょうが…本気を出さないのは分かったがやるなよ絶対


「なら、私は本気を出すわよ?加減がそこまでできないから手加減はできないと思ってね」


挑発を乗るな!なんで戦闘をしようとしているんだよ唯!


「待て待て待て待てぃ!なんでこれから戦闘をしようとしている雰囲気になるの!?」


「ふっ…気に食わないからな」


「あんたが決めることじゃねえだろ」


どんな理由だよ。そんな理由で拒否するとかあんたにそこまでの権限はないだろ。


「それに唯も!喧嘩はしない!お前が怪我したら俺でも怒るからな!分かったか!」


「……うん」


「その間はなんだよ」


やる気あったのかよ。やだ、怖いよこの人


「兄者、詳しい話は俺がある程度説明する。ただ、説明は苦手だからな俺」


「ああ、クソ野郎には詳しい話を聞いていないからな。頼むぞ我が弟よ」


それじゃ、話すか


「昨日のーーー」


俺は昨日の出来事をできる限り、兄者に伝えた。流石に人に説明するのが苦手だから唯にも手助けをしてもらった。


助かったが唯が説明を加える度に兄者が睨んでいたから大変だった。


「……なるほどな。原因は貴様の父親ってことか…」


「うん、そういうわけで唯が悪いってわけじゃないんだ」


理解してくれたかな?


「だが…白銀院と言えば…今日の火災で一族全員が亡くなったと聞いたな」


『……は?』


今なんて言った?


亡くなった?火災?


唯は唇を噛みしめ、小さく息を吐いた。


「……嘘でしょ…」


その目は、過去を見つめているようだった。


唯は顔色悪くなって震えている。流石に家族を失うのは…


「どう言うことだ?兄者。亡くなったって…」


「ああ、今日の夜0時頃に火災が起きたらしくてな。屋敷が全焼し、白銀院家の人間と商人全員が死亡したらしい。」


「火災の原因は当主のタバコの火によるものだと聞いているが警察が今も調べているから何か見つかるだろうな」


当主のタバコの火で全焼?


「……そんな…」


唯はショックをかなり受けているがなんとか立ち直っていた。


「でも、私のことを家族の一員として認めている雰囲気はなかった…それに今は零がいるから大丈夫」


「…そうか…」


それは嬉しいな


「ふん、仲が良いのはいいことだが無視はできないぞ。火災が起きたとしても逃げて生き残った人は"0人"だからな」


「…0人…」


誰も逃げられなかっただと?流石に深夜には起きていないとは言え、火災が起きていたら逃げられる人は1人でもいるはずだ。


そう言えば兄者が言った話では使用人も亡くなったと言っていた。


「…誰かがやったってこと?」


その一言が、場の空気を一変させた。


「さあな。それは分からないがタバコの火で全員が死ぬとしても使用人の誰かが逃げてもおかしくない。だが、全員死亡している。」


「他に聞いた話では普段、屋敷で住み込みしていない使用人まで死亡しているって話だ。しかも、全員」


「……使用人は全員で60人程度で住み込みしているのは40人程度。残りの20人も亡くなったの?」


60人程度と人数をある程度把握している唯からの質問に兄者は頷く。


「ああ、そうだ。普段ならあり得ないことが起きているってことだ。まるで、"何者"かが介入しているように…」


『……』


誰かが介入したってことか。タバコの火が原因で火災が起きたのではなく、誰かが証拠隠滅するために放火したのならば…外の人間によるもの。


「…ここ数十年、何者かによって権力者の家で謎の原因によって死亡する事件が起きているがどれも真犯人は不明」


「ここ数年でも起きていることは…東雲家当主の洗脳、大門寺家の一族の人間の謎の事件などと起きているがどれも真犯人は不明」


大門寺も…


「真犯人の能力はおそらく、洗脳系能力。東雲家の因縁の相手。誰なのかは俺にも知らんが…」


「これ以上、被害を出さないために我々はやらなければならない。それが俺たちがやるべきことだ」


俺と唯は頷く。4年…いや、何十年もこの家の運命を狂わせた厄災をこれ以上、好き勝手にはさせない。


何年かけても見つけないといけない。


それが俺の今の目的となった。


_____


その頃、別の場所では


「ふん、これでなんとかなったか…」


ベットで寝る体制になっている老人はニヤリと笑う。


「これで白銀院の一族は始末…いや、1人残っていたな。だが、あの小娘を手を出せば流石の私でも死ぬかもしれない」


白銀院唯の顔を思い出す。彼女の"能力"を知っている老人は彼女を白銀院家から追い出すように6年をかけて計画していた。


当初の予定とは大きく狂っているが因縁の相手である白銀院家を滅ぼす結果となった。


「当主を支配してあの小娘を始末しようとしたがまさか…あんな結界が…やはり、追い出して正解だったな。

アレは私でもどうにもならん」


唯の能力は攻撃系能力。それを老人は知っていた。6年…彼女が誕生以前から計画は練っていたが彼女の誕生で大きく狂った。


彼女があまりにも異常だったのだ。


生まれながら能力を持っていた。


生まれながら能力を持つ赤ん坊はそこまで珍しくはない。


ただ、問題なのは彼女の能力の権能


彼女の能力は攻撃と防御を両立していた。与えたダメージがそのまま結界の強度になる。まるで、反撃を糧に鉄壁となる化物だ。


その攻撃力を老人は持っていないためどうにもならない。


白銀院家を滅ぼす目的がある老人にはあまりにも邪魔な存在


なので、"呪いの子"として育てるように上手く操作した。


案の定、その作戦は成功したが彼女の暗殺は不可能


攻撃の権能は支配者である老人には直接攻撃はできないが喰らえば体を貫通されて死んでしまうやばい力。


結界を使える前に始末したかったが生まれながら結界を使えるという無意識に結界を発動させることができる唯を始末することは不可能。


白銀院唯の問題があって2年後


その問題を解決できるかもしれない人物が現れた。


それが東雲零


彼の存在だった。


彼の能力強制解除の力はもしかしたら白銀院唯を始末できるかもしれない。


そう考えた老人は1年の準備を経て、東雲家に嫁ぐように計画を実行しようとしていた。


だが、東雲家当主が拒否したため、3年も時間をかける羽目になった。


本来ならば、洗脳をして強引にやろうとしたが零の解除と妨害の権能をまた使われば、作戦は失敗する。


そう考え、3年をかけて作戦を実行させるためにやらせた。


婚姻ができなければ白銀院唯を追放し、従者に始末させる予定もあったがやっても失敗するだろうと考え、その作戦を手を出さないようにしていた。


わざわざ、相手側の戦力を増やす行為をしたのは白銀院家との因縁が大きいこと。


過去に老人の一族は50年ほど前、白銀院家との戦闘で敗北して大きく権力を失い、全盛期とは比べ物にならないほどに衰退した出来事が起きた。


それが原因。彼女の誕生前に滅ぼさなかったはようやく洗脳ができたのが彼女の誕生後だった。


だからできなかった。


だが、こうして作戦は成功した。零が唯を始末しても良しだったがお見合いは成功したので一族追放はできた。


機会があればまた、東雲家当主を洗脳して、相打ちさせるように上手く操作するという計画は練っているが今は絶好調の体調ではないため、実行は数年後になるだろう。


「まだ、時間はある…」


因縁の一族をほとんど滅ぼした。あとは、上手く立ち回るだけ


いつか、運命の日が来るまで


老人は力を少しずつ増やしていくのだった。

どうも、ヨウです。

ここまで読んでくださりありがとうございます!


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感想も大歓迎です! いただいた声が、今後の創作の大きな力になります。


次回も楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!


それではまた次回で!

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