19話
「何故、零の家なんだ?」
大門寺は蓮に聞く。
「…お前が手を出さないため」
何を手を出すんだ?
「なんでだよ!?」
「…妙に声の高さが高いからな。その時点で察せる」
「いや…否定できんな」
萩は苦笑して皆の代表として反応した。
今日の大門寺はおかしい。いつもより声が大きいし、妙に女の子のことを気にしている様子を見せていた。
藤原は首を傾げ、怪明は陽香にどう言うこと?と聞くなどそれぞれが反応していた。
「どう言うことなんだ?」
「陽香は知っている?ワイ分からん」
「ふっ…まだお前には早い」
「??」
天獄はああ〜なるほどと理解した顔をして2人の会話を見ている。
「だが、零のところも…」
「まあ、否定できんな」
大門寺が何か言おうとしていることに零は頷くが蓮はそれでもと続ける。
「…お前のところは忙しいだろ?祖父母に育てられているとはいえ…いや、それを言ったら俺も似たようなものだが…」
大門寺を睨む。彼にとってどれくらい大変なのかは理解している。女の子を大門寺に預けてはいけないという本能の鐘が最大限に叩いて警戒しろと叫んでいた。
「…お前はこの子の面倒を見れるか?」
「…!」
大門寺はその言葉に躊躇う。面倒を見れると呑気に言っているだけでは彼女の面倒を見る資格はない。
「…愛なんて知らない子供に"好き"なんて強制を与えるようなものだ。零はそこら辺は理解している。妹の面倒もいいからな」
「……(俺、この前、妹に振り回されてトラウマになったんだけど…面倒いい判定になるのか?)」
自分がそこまで面倒のいい人とは思っていない零は困惑な表情を出さずに内心困っていた。
「…何も"理解していない"より、"理解している"という自負が彼女には必要だ。お前が彼女に欲しいのは"異性として好き"か"家族として好き"かどちらがいい?」
「……」
「…そう悩むほどにお前は"甘い"と言うことだ。"愛"を受けて育っているお前と"愛"を知らない彼女じゃ…"得る"物は違う」
2人を会話を聞いた陽香は思った。
(6歳児がこんな会話すんのかよ…マジで中身誰だお前…加茂蓮。お前はどんな"闇"を抱えているんだ?こんなセリフは子供は言えんぞ…)
内容は最早、まだ6歳の子供の内容ではない。普段の加茂とは想像つかない内容。彼が抱えている闇は何か、何が愛なのか理解している彼の闇は"彼女"に似ていた。
名も無き、彼女と同じ…
「とりあえず、落ち着け。蓮。大門寺に対してそこまで言わなくてもいいだろ。"愛"がどうあれ、責めるのは間違っている。坊ちゃん。あんたのところに預けるでいいか?」
「…父さんに聞いてみるしかないが不可能ではない。家族に話すことになるからな…とりあえず、俺の義娘として迎えるよ」
「?なんでだよ。なんで義娘?」
怪明が首を傾げると零は怪明を見る。
「父さんに預けるのは危険だ。俺の娘として迎えればある程度の自由はできるからな。大丈夫だ、守るべき人を守るくらいのことはできる。」
「……」
「お前の家の当主。とんでもねえ奴なのかよ。蓮。零のところに預けてもいいのか?」
「問題ないだろう。零なら大丈夫という安心感がある」
「俺に対する評価が思ったより高いのはなんで?」
こうして、少女の預かり場所は零の屋敷になった。
大門寺は少し不満な顔をしていたが零は信頼できる友人のため、大丈夫だろうなと安心した顔をするも蓮があそこまで言うとは思わなかった意外性を見つけた。
(何かあったのか?過去に…)
蓮のことを心配する目で見るのだった。
_____
こうして、零の義娘として迎えることになった少女。彼女の外見は零たちに似ているため、義娘として迎えても問題ない。
零は屋敷に戻って父親に話すと
「……義孫として迎えるだと…?なんとも…いや、1人くらい家族が増えても問題はないが…」
零からの話にあまりにも常識外れのため、許可をしたが困惑な表情をして零たちに許可したことにどうしようか考えるようになった。
その後、彼女は零から名付けされる
「名前がないのも不便だからな。俺が名付けよう…名前のセンスはないから期待するなよ?」
「うん…大丈夫」
「言質はとった。お前の名前は葵だ。これから先、お前には色んなものを見て、知って、笑って、泣いて、生きてほしい。」
「……あおい……? うん、うん……それ、好き……!」
こうして少女の名前は葵になった。
_____
夜中
夜になってたくさんの人たちが駅に集まって家へ帰るなどで電車を利用していた。
猫が歩いていた。猫だけではなく、一緒にエリーに似た女性もいた。
腰まである紫色の長髪の女性。
20代後半くらいの風貌があるが彼女はーー
彼女は猫に言う。
『私は仕事でここから移動するけど1人で大丈夫?』
周りの人には何を言っているのか分からない言葉を話していた。
彼女は海外から来たため、日本語ではなく、"フランス語"を話していた。
猫に心配すると猫は女性の顔を見る。
『大丈夫。私だけでも問題ないわよ。ゆっくり散歩するわ』
猫は言葉を話せる。周りは猫が何か話していることに驚いていた。
『…そう…ならいいけど。見つかるまでは私の家に帰ってきてね』
『ええ、分かっているわ』
猫はどこかに行った。
『…ここに姉さんがいる…』
後ろを向いてビルがたくさん並んでいる場所を見る。
『どこにいるんだろう…エリー姉さん』
女性は少し悲しそうな顔をしてどこかへ歩き始めた。
どうも、ヨウです。
仮の話ですが今回登場した葵がもし、大門寺の家に預けることになった場合、大門寺に対する家族の位置としては零に預けることになった今回の話とはそこまで変わらないです。ただ、名前が違うとかの差異はあります。
初期案は今回の話とは少し変わっています。
初期案では
サンバ服を着ている天獄が男の前に現れて男を困惑した後に陽香がトラックを落とすのが予定でした。流石にそれはなしかな?と思って変えましたがやった方が面白かったのかな?
ここまで読んでくださりありがとうございます!
少しでも面白いと思っていただけたら、評価(☆☆☆☆☆)やブックマークをしてもらえると励みになります。
感想も大歓迎です! いただいた声が、今後の創作の大きな力になります。
次回も楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!
それではまた次回で!




