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怪々呪殺  作者: ヨウ
第3章 運命変異
18/58

18話

「いい加減にしろ!餓鬼!」


「いや!」


五十を超える男は傘を持ちながら首輪をつけられている少女を蹴る。強く蹴ったことで少女の体から血が出ていた。


血が真っ白な雪に付着し、赤が目立つ。


少女の体にはあっちこっち打撲や火傷などの跡が残っていた。そんな状態で服一枚しか着られていないのだから少女の体がどんどん冷えて体温を失っていく。


「お前みたいなガキ、売られて当然だろ?親も喜んで金受け取ってたぞ?」


強く蹴っていると何か嫌な予感が男に感じた。


「あ?ーーは?」


「残念だったな!」


謎の男の声と共にトラックが落ちてきた。


「……は?」


目の前にトラックが落ちてきて呆然する。なぜ、トラックが落ちてきたのか理解できなかった。


「さて、お嬢さんを話してもらおうかクソ野郎」 


トラックの上に乗っているのは零が呼んだ怪明の親戚ーその名は友禅院陽香(ゆうぜんいん・ようか)


「…おっお前はなんだ!」


「俺か?そうだな…」


トラックから降りてトラックを片手で持ち上げる。


「こう言う人間だ。さて、トラックの下敷きになるかその少女から離すかどちらがいい?賢明な判断を下すことをお勧めするぜ?」


ニヤニヤと笑っているヤクザ男を相手に男は震えるも睨む。


「…こいつは俺の…"商品"だ!こいつの両親から金を渡したんだ!無料であげるわけにはいかねえんだよ!」


「……ってわけだってさ。どうする?坊ちゃん」


「あ?」


後ろを振り向くと男の子たち数人がいた。ただ、1人だけ変な服装の人がいて男は驚く。


「おっ…お前…なんだ…その服装…」


サンバ服を着ている男の子ー天獄を見て動揺する。夏ならまだしも冬で雪が降っている中で肌を見せるような服を着ている天獄に対して動揺してしまうが仕方ない。


彼の姿はとんでもなく、おかしいのだから


「ん?俺の事?」


「お前以外にいないだろ…っで、そこの女の子はどれくらいで買い取った?」


「あ?」


何を言っているんだこいつ?と男は零を見ると零は懐からお金を出す。


「これで足りるか?」


「!」


彼が出したお金は少女を売った両親に渡したお金の何十倍以上のお金だった。


男は受け取ろうか迷うが後ろにヤクザ男がいるため、仕方なく、"少女"を売った。


「…分かったよ。ほらよ」


少女を渡し、お金を貰った男はその場から去った。


「…大丈夫か?」


大門寺は少女に手を伸ばして少女の手を掴む。


「…うっうん…大丈夫」


少女の顔を見る大門寺。


彼は驚いた、彼女の顔の美しさを


美しいと思った。誰よりも家族よりも美しいという言葉が出てしまうほどに…


「……」


大門寺は少女の顔を見て固まった。


「……」


少女も同じく、大門寺の顔を見て固まった。


2人は一目惚れをした。


「…なんだあいつら…固まっているぞ」


「…恋…か…」


「ん?恋?蓮、どう言う事だ?俺様にも理解できる言葉を言ってくれ」


「…哀れ也」


「???」


困惑する藤原と察して2人を見て何かを理解した蓮。

蓮は2人が一目惚れをしたのだと理解していた。


(…大門寺…ガンバ)


「いや〜流石だな。どっかから持ってきたんだよあのトラック」


零は陽香に話しかけると陽香はニヤリと笑う。その微笑みは怖いと印象を与える。


「実家からだ」


「おい、待て。1分で実家に戻ってトラック持ってきたのかお前?」


嘘だろおいと驚愕する顔をする零。


そんな顔を見ては陽香は正解とまた笑った。


「とにかく、あのお嬢さんの怪我なんとかしろよ。お前の能力で治すことはできるだろ?」


「あっ…そうだな」


零は歩いて少女に回復の権能で傷を治す。打撲跡などの昔からあるようなものまでも綺麗に治した。


「…え?」


「とりあえず、こいつの服をどうにかするか。親友、女の子の服あるか?」


サンバ服で謎のダンスをしている天獄に聞く。


「問題なし!俺の服を使いな」



_____


妹子家の屋敷にて


天獄の服を借りた少女は大人1人、男の子たち複数名に囲まれていた。


「なぜ、りょーいや、まずは名前を言うとしよう。俺の名前は東雲零。そこのサンバ服を着ているのは我が親友であり、この屋敷の主である」


「妹子天獄で〜す!よろしく」


「…加茂蓮だ」


「俺様は藤原魔斗だ。よろしく」


「友禅院怪明。そこにいるのはワイの従兄弟の」


「友禅院陽香だ。よろしくな」


「萩裕司だ」


「…大門寺治だ」


「……私の名前はない…"お前"としか言われたことがない…」


『……』


気まずい空気になる。


名前がない少女になんて声をかければいいのか分からなかった。


「…どうする?」


「名前をつけるのも必要だが、誰の家に預けるんだ?俺様は無理だぞ、んなことをしたら親父に叱られる」


「俺も無理だな。天獄は?」


「いや、俺でもね〜怪明は?」


「こいつが子供の面倒見れるわけねえだろ。それにこの子の扱いに問題ないのは大門寺だろ。怪明は論外だが大門寺なら大丈夫じゃねえか?」


「!」


「まあ、信用できる萩は無理と言っているし、納得できるが…」


「…若い男女が2人だけで何も起きないわけもなく…」


「ないからな!ない!ない!」


蓮の言葉に反論する大門寺。


「?何か起きるのか?蓮」


「…哀れ也」


哀れだなと蓮は藤原を見てため息した。大門寺が慌てて否定していたため、やろうとしていたんだろうな〜と勝手に思っていた蓮は零を見て言う。


「…零。お前のところに預けたらどうだ?」


「…は?俺?なんで?」


「…大門寺のところに預けると…とんでもないことが起きるからな」


「……そう言うことか!?」


「…ああ、そういうことだ」


零は理解して蓮に驚く顔を見せる。零が理解してくれたことに満足顔をした蓮。そんな2人を見て首を傾げる藤原。


そんな様子を見ていた陽香は無言になっていた。


(なんで餓鬼が大人のアレを理解しているんだ…)


最近の子供の教育はどうなっているのかと疑問に思った陽香だった。


_____


「…零。お前のところに預けたらどうだ?」


「……は? 俺? なんで?」


「…大門寺のところに預けると、とんでもないことが起きるからな」


「……そう言うことか!?」


「…ああ、そういうことだ」


少女は、黙ってそのやり取りを聞いていた。


まだ怯えが残るその目に、ほんの少しだけ光が灯った気がした。


――東雲零と、名前を持たぬ少女の、新しい物語が始まろうとしていた

どうも、ヨウです。

ここまで読んでくださりありがとうございます!


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感想も大歓迎です! いただいた声が、今後の創作の大きな力になります。


次回も楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!


それではまた次回で!

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