12話
零はいつものように日向ごっこをしていた。
今日は晴れ。いつもより少し暑く感じる程度の暑さだった。
「ふう〜……」
空を見上げて座っている。
そんな彼に大きな出会いが起きる。
これから、長い付き合いになる者たちに…
_____
日向ごっこを始めて早、30分過ぎた頃
零は眠たそうな顔をして座っていた。
そんな彼に誰かが来た。
「ここにいたんか。東雲家の次期当主様は」
「……誰だお前」
零の横に歩いて来た男の子。
髪色は黒で茶色の目を持つ同世代くらいの男の子。
「そうだ、名乗っておらんかったな。ワイの名前は友禅院怪明!友禅院家の当主の甥に当たり、次期当主候補の男!よろしく〜」
「……」
変な奴だと零は思った。
誰か知らない、友禅院という一族の名前すら知らない彼からしたらそれが何か?としか思うことはない。
「…東雲零だ。」
「そうか、東雲零か!零って呼んでいいか?」
「勝手にしろ」
「なら、そうさせてもらうわ」
「……」
なんだこいつ?みたいな顔をする。距離感の近い同世代の子との会話が初めての彼にとって今のような出来事はいつもの調子で話すことはできない。
言えば、人見知りである。
「言っておくがワイ以外にもいる。ほら、そこに隠れないで出てこい!」
「……あいつか」
零は後ろを向くと隠れていた男の子が1人いた。
「……よく気づいたな…」
出てきたのは黒髪の男の子。銀色の目を持つ男の子だが、目が死んでいた。まるで、死んだ魚の目をしているような生気のない目。
「お前も誰だ?」
零が聞くと男の子は答える。
「……大門寺…治…」
「大門寺……ああ、最近、謎の事件が起きたあの家か!」
すると、上から声がした。
「よくそんな平気な顔していられるな」
見上げると、木の上に座っていた少年が一人。黒と青の髪を風に揺らし、足をぶらぶらさせている。
「藤原魔斗。――まあ、俺様の名前なんか、すぐに覚えるだろうさ。否応なしにな」
青と黒の髪が風に揺れる。口元には、挑発的な笑み。
「覚えとけよ。この俺様が来たってことは……お前らも、もうただのガキじゃ済まないってことだ」
3人は顔を顰めた。態度、声、笑い方、すべてが最悪だった。
ニヤリと笑い、3人を見下す。
この男の子からの印象は最悪、大門寺は不機嫌な顔をし、友禅院は顔を顰め、最悪な男だと思っていた。
零も例外もなく、藤原に対する評価は最悪。偽当主と同率の最悪な印象を持つ。
「なんだお前、ワイらに喧嘩でも売ってんのか?」
「あ?そんなことを何故やらないといけないんだよ。この俺様がそんなことをするメリットがあるのか?」
2人は睨み合うと零は2人を見てため息した。
(日向ごっこをしていたのにこんな面倒なことに巻き込まれるとはな)
2人の睨み合いを無視しようとしていたがまた、1人増えた。
今度は髪の長い男の子。
零と同じ、銀髪の男だった。目の色は緑だ。
「ここは子供が集まる場所か?」
「なんだお前?」
「ワイらに何か用か?」
2人は銀髪の男の子を睨む。
銀髪の男の子は2人に睨まれようと無視する。
「用事があって来たわけではない。トイレをしていたところで何やら騒がしい会話が聞こえたから来ただけだ」
トイレをしていたところ、4人の集まりを目撃して来た銀髪の男の子は名前を名乗る。
「俺の前は萩裕司。よろしく頼む」
「萩?そういや、そんな名前の家があったな」
「ワイは知らんわ〜」
「……知らない名前だ」
藤原、友禅院、大門寺は知らない顔をしていた。
「そんなに有名な家系ではないからな。まあ、それなりには歴史はある。目立つほどではない程度がな」
萩は笑う
(また、面倒な奴が1人増えた…今日の親睦会みたいなやつにこんなに人が来るのか?)
自分と同じ世代の人が来るとは思っていなかった零にとって今の出来事は新鮮。
自分と話が合う人なんてこの家の使用人や家族くらいだった。
言えば、話しかけられる人が限定されている。
東雲家の屋敷に出たことはあるがそんなにない。
基本的に車で外に出る程度しか経験したことがないのが彼の事情だ。他の兄弟と違って生まれながら次期当主として育てられている彼にとって普通のことはほとんどない。
「まあ、お前らここに集まるより早く戻らないのか?」
「零。言うがあそこに行ってもワイらはすることはないんだ。爺共の集まりなんて興味あると思うか?」
「……なるほど」
大人の集まりに子供が好きで行くことなんてない。そう言う経験をしてことがない零でも友禅院の発言には賛同してしまうほどに面倒であることは分かっている。
「俺様も友禅院と同じだ。あんな場所に行っても楽しくない。家でゴロゴロしたほうが楽しいだろ」
「…俺は祖父母の付き添いできたが周りは…2人が言っているようにほとんど30歳以上だ」
「幅広いが……若い人でも20後半だが、子供が来ても楽しめるようなことはない」
上から藤原、大門寺、萩とそれぞれ3人はあそこは楽しくないと零に教えた。なぜ、会場から少し離れた場所に集まるのか、それはつまらないから
「っわけで話そうぜ。暇だろ」
「そうだな。話すとしようか…と言っても何を話せばいいんだ?」
4人はゴロゴロしながら話すことになった。
どうも、ヨウです。
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