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99 第三章 おはよう。もう朝だよ。

 第三章


 小さな花


 ……ありがとう。私をちゃんと見つけてくれて。


 見知らぬ小さな女の子


 おはよう。もう朝だよ。


「お昼寝しているの?」

 そんな声がどこからか聞こえてきた。お昼寝? この真っ暗闇の中で、この子はいったいなにを言っているのだろう?

「ねえ、お昼寝しているの?」

 再びそんな声が聞こえた。それからぼくの体が小さく左右に揺れた。どうやらこの声の主がぼくの体をゆさゆさと左右に揺らしているようだった。

「ねえ、起きて。起きてよ」

 声は続いた。ぼくは正直、うるさいな、と感じていた。せっかく人が気持ち良く眠っているときに、この声はいったいなんなんだ?

「ねえ起きて。起きて私のお願いを聞いて」

 ゆさゆさとぼくの体は揺れ続けていた。……ぼくは仕方なく、久しぶりにうっすらと自分の両方のまぶたを上げようとした。久しく使っていなかったまぶたは鉛のように重く、またその動作はとてもぎこちないものになっていた。もしかしたら眠っている間に、いつの間にかまぶたが錆び付いてしまっていたのかもしれない。

 それでもぼくが頑張って重いまぶたを開けると、……そこには光が満ちていた。それは久しぶりに見る明るいきらきらと輝く太陽の光だった。ぼくはその光景にとても驚いた。(木の葉の隙間から、木漏れ日が美しく輝いていた)

 ぼくはあまりの眩しさに目を細めた。

「あ、起きた?」と声がした。

 それはぼくの直ぐ近くから聞こえた。見るとぼくの隣には小さな女の子がいた。その小さな女の子は笑顔でぼくの顔をじっと、なぜかとても嬉しそうな顔をして見つめていた。

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