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 体の感覚はとうの昔にその殆どが使い物にならなくなっていた。だから、痛いとか、寒いとかは、もうあまり感じなくなっていた。(少しは感じたけど)それになんだか不思議と満足感もあった。実際にぼくは自分でも、『こんなに遠くまで、よく頑張ったね』、と自分で自分を褒めてあげたいくらいには長い距離を歩いていたはずだった。それほどの努力をした経験は今までのぼくにはなかったことだった。だから、こんな状態で言うのもなんだけど、とても『心がすっきり』としていた。(その証拠に、ぼくはにっこりと笑っていた)ぼくの視界の中には真っ白な色がちらついていた。少しだけ首をひねって横を見ると、そこにはそれなりに厚さのある雪が(五センチくらいだろうか?)積もった真っ白な大地が広がっていた。全部が全部、真っ白だった。こんなに大量の雪を見るのは、本当に久しぶりのことだった。……ぼくの体も、もう直ぐこの雪の下に埋もれてしまうのだろうな。……まあ、それもいいかな? とぼくは思ったりした。

 それからぼくは、……眠ったあと、ぼくはどうなるのだろう? とそんなことを考えた。

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