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「この『流行病の伝染病を終わらせることができるかもしれない』と言ったら、君はどうするのかな?」と古い民族のお面で顔を隠したり、その後ろからばーっと舌を出して、顔を出したりして、遊びながらファニーファニーは言った。
「……、伝染病を終わらせることができる?」
まだ、体が弱っていて、(きっと、心もまだ弱っているのだと思う)ファニーファニーの言葉を聞いているだけだったぼくは、思わず、少し無理をして、枯れた声を出して、驚いた顔をして、ファにファニーを見ながら言った。
「うん。きっと、終わらせることができると思うよ」とファニーファニーは言う。
「どうすればいいの?」とぼくは言う。
「それはとても簡単なことなんだよ。『君がぼくを殺せばいんだ。そのいつもは腰につけているナイフで、ぼくを刺して、ぼくの命を奪えばいいんだよ』」となんでもないことのように、いつもとまったく変わらない顔と声でファニーファニーは、ぼくのナイフを指差しながら、そんな残酷なことをぼくに言った。
ぼくは一瞬、ファニーファニーの言っている言葉の意味がよくわからなくなった。……、君がぼくを殺せばいいんだよ? その腰につけているナイフでぼくを刺してね。とファニーファニーは言った。(言ったのだと思う)
ぼくはナイフを見る。いつもは腰につけている冒険の護身用のナイフは(旅は危険なことばかりだった。どうしても武器は必要になった。また武器としてではなくても、ナイフはとても便利で旅には必要だった)今は冒険の荷物と一緒になって、部屋の隅っこにある荷物置き場の一番上のところに、ぽつんと鞘におさまったままで、置かれていた。
「どうして、そんなことをしなければいけないの?」とぼくは言った。
「それはぼくの命が、ぼくの心臓が、流行病の伝染病の薬になるかもしれないからだよ」とファニーファニーはぼくの目をまっすぐに見て、そう言った。(泣いてしまいそうになるくらいに、とても悲しことを、明るい顔で言ったのだった)