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愛は創と恋人になって、結婚をするときに、名門の男子校の教師をやめた。(まあ、いろいろあったのだ)
くびになったわけではないが、いろいろと考えて自分から退職することにした。それからどこかの塾か予備校で勉強を教える仕事をしようかと思っていたのだけど、創と話し合って、愛は家庭にはいることにした。(いつでも、仕事をしたくなったら、またしていいよ、と創は言っていた)
創はまだ大学生だし、真面目な創は遊ばずにきちんと毎日勉強していた。(えらいとは思った)今も創はまじめに愛のちかくに座って、黙々と勉強をしていた。(テストがちかいらしい。そんな創の言葉を聞いて、懐かしい大学生活を愛は思い出していた)
「掃除の邪魔だからちょっとどいて」と掃除機をかけながら、愛は言った。
だけど創は動かなかった。どうやら勉強に集中していて、愛の言葉があまり聞こえていないみたいだった。(かちんときた)
すぐにけんかになったが、創は怒ることがほとんどないので、一方的に愛が怒ってばかりいた。(そのあとで創は家事を手伝ってくれた。愛は創の勉強の邪魔をしてしまったことを反省した)
勉強を一緒にすることもあった。(愛は資格や語学の勉強をした)出会ったころは教師と生徒だったので、こんなふうにテーブルのところで並んで勉強するのはなんだかすこし変な感じがした。(まあ楽しかったけどね)