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 ふと、気が付くと、そこにはあおがいた。

 場所は緑色の草原のような場所で、お日さまの光があたたかくて、吹いている風が気持ちよくて、雲の影がくっきりとしている、そんな不思議な世界の中の、そらの立っている場所の、その少し遠いところにあおは一人で(花の模様のパジャマ姿で)立っていた。

 そこから、あおはなんだか珍しいものでもみるような顔で、ずっと晴れ渡っている青色の空を見上げていた。

 そらがそんなあおをみつけるのとほとんど同じころに、あおもそらを見つけてくれた。

 そらを見て、あおはにっこりとほほえんだ。

 それからあおは両手を口のところにあてて、「こっちにきて!! そら!! わたしはまだうまく走れないの!!」と大きな声で、そらに言った。

 その(ずっと、聞きたかった)あおの声を聞いて、(それが合図となって)そらは全速力で、大地の上を走り出した。

 慌てすぎて、ぶかっこうな走りかたで、駆け出すようにして、(なんどか手を地面についたりしながら)そらは走った。

 途中で、一回派手に転んでしまったけど、(あおも驚いていた)そんなことは全然きにならなかった。そらは走って、走って、……、走って、あおのところにいって、そのまま両手をひろげているあおの小さな胸の中に思いっきり飛び込んだ。

 あおとそらはそのまま緑色の大地の上に寝っ転がるようにして倒れ込んだ。

(そんなそらは、まるでずっと探していたお母さんをようやく見つけた、泣いている迷子の小さな女の子みたいだった)

「……、あお! 大好き!! ずっと会いたかった!!」とわんわんと泣きながら、そらは言った。

「わたしもそらのことが大好きだよ。会いたかった」とそらを抱きしめながら、あおは言って、その目からあったかい涙を流した。


 ずっと、一緒だよ。


 空の王国 そらのおうこく 終わり

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