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私は悩んだのだけど、「わかった。スープスパゲッティー食べよう」とメニューを見ながら言った。すると君は「うん。そうしよう。一緒に食べよう。違うもの頼んでさ、ちょっとずつわけて食べようね」と笑って言った。
「どのスパゲッティーにする?」とスープスパゲッティーのページのメニューをテーブルの上に置いて広げて、写真を見ながら君は言った。
「これにする。アスパラとエビとベーコンの少し辛めのスパゲッティー(大盛り)のかためにする」と写真を指さしながら私は言った。(注文するのなら、このスパゲッティーしかないと思った。このスパゲッティーを食べるために、今日の私はあるのだと思った)
「あの美味しいやつね。じゃあね、私は、……、うーん。どうしような?」とメニューを見て迷いながら君は言った。
「きのこのスパゲッティーでもいいんだけど、そうだな。えっと、じゃあ私はこれにしようかな? このほうれん草とブロッコリーといかの甘いクリームスパゲッティー(大盛り)やわらかめにしようかな? あ、でもカルボナーラもあるのか。カルボナーラもいいな。うーん。そしたら、決めた。この、たまごたっぷりのかりかりべーこんの濃厚なスープのカルボナーラ(大盛り)やわらかめにする」と私を見て、そう言った。
「美味しそう」とにっこりと笑って私は言った。
それから私と君は私にアイスコーヒーを持ってきてくれた店員さんに頼んで、選んだメニューを注文した。
飲み物は私がさっき頼んで持ってきてもらったばかりのアイスコーヒーで君はホットカフェオレ(生クリームあり)だった。(君のテーブルの上には私がきたときからホットカフェオレが置いてあった。
注文が終わると、私はもうそれだけですごく気持ちが嬉しくなっていた。
「ねえ、普段の日曜日はなにしているの?」と君はホットカフェオレを飲みながら私に言った。
「えっと、そうだな……、いつもは図書館とかでお勉強ばっかりしているかな? テスト範囲とか、課題とかやってる」と言って、私はアイスコーヒーにミルクを入れて、かき混ぜてからストローで飲んだ。
「まあ、私も勉強ばっかりかな? まだ一年生とはいっても、成績は落とせないもんね。うちの学校はとくにそうだよね。勉強難しいし、校則も厳しいよね」とはぁーと大きなため息をついて、テーブルの上に力尽きたように倒れ込んで(これから美味しいご飯を食べるというのに)君は言った。
「料理とかはしたりするの?」とがばっと起きて、君は言う。
「料理? しないけど、どうして?」と私は言った。
「この喫茶店が大好きなんでしょ? 言わなくてもさ、見てればわかるよ。だから将来はこういうお店とかやりたいのかなって思ってさ」とふふふっといやらしい顔で笑って君は言った。
……、喫茶店。私が? と思って、なんだか私の心はすっごくどきどきした。(喫茶店で頑張ってお仕事をしている自分の姿を思い浮かべて楽しくなった)