150
次の日、私がいつものようにうきうきした気持ちで恋する火星の家出にいくと、そこにはもう君がいた。その日は日曜日で、(最近の日曜日は私はいつも恋する火星の家出にいた)私はいつもの高校の制服姿ではなくて、いつもの家できている普段の格好をしていた。秋っぽい枯葉模様の大きめのセーターと大きめのジーンズを履いていた。
君も(あまり前だけど)高校の制服ではなくて普通の服を着ていて、かわいらしい赤いセーターに白いロングスカートを履いていた。君はお店の中に入ってきた私を見つけると、手を振った。すると店員さんは私を君の座っている席に案内してくれた。(待ち合わせをしていたわけじゃないんだけど、断る勇気はなかった)
私は店員さんに案内されて君の座っている席に座った。そこは二人で座れる窓際の席で、私がいつも座っている私のお気に入りの席だった。
「アイスコーヒーください」と私は言った。
「かしこまりました。いつも通りミルクでいいですか?」と店員さんは言った。「はい。お願いします」と私は言った。
店員さんがいなくなると「さすがだね。春からの常連のお客さんなんだもんね」と嬉しそうに笑って私に言った。(私はなんだか恥ずかしくなって少しだけ顔を赤くした)
「ねえ、お腹減ってない? スパゲッティー食べようよ。昨日お話ししたスープスパゲッティー。すっごく美味しいよ」とメニューをみながら君は言った。(昨日の帰り道で、私はまだ恋する火星の家出のスープスパゲッティーを食べたことないって話を君にしていた。君はとってもびっくりしていた。どうして頼まないの? すごくもったいないよ、と言っていた)