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揺れる想い
「美咲ちゃん、本当に若いんだな…」
と、直人はふとつぶやいた。
彼の口調に、どこか切なさを感じた美咲は、不安を抱いた。
「やっぱり、私が高校生ってこと…気にしてますか?」
直人は少し考え込んだ後、真剣な表情で答えた。
「気にしてないと言えば嘘になる。僕は社会人で、
君はまだ学生だ。それに、年齢差もある。でも、
そんなことを忘れるくらい、君との話が楽しいんだ。
正直、自分でも驚いてるよ。」
その言葉に、美咲の胸はドキリとした。
彼も自分と同じように、ただの友達以上の気持ちを抱いてくれているのではないかという期待が膨らんだ。
「私も、直人さんと話していると、なんだかすごく安心するんです。普通、社会人の人とはこんな風に話せないけど、直人さんとは特別で…」
そう言いかけた瞬間、二人の視線が絡み合い、静寂が流れた。周りの喧騒が遠ざかり、二人だけの空間がそこに広がっていた。
美咲はその瞬間、心の中で確信した。
この人に対する想いは、もう単なる憧れや好意ではなく、恋そのものだと。
しかし、その静寂を破ったのは、直人のスマホに届いた一通のメッセージだった。