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始まりのメッセージ
数日後、美咲のスマホに見知らぬ番号からのメッセージが届いた。
「こんにちは、先日スマホを拾ってくださった篠田です。お礼をちゃんとできなかったので、改めて何かお返ししたくて…少しでもお話できれば嬉しいです。」
美咲はそのメッセージを見て、少し考えた。
社会人の彼とのやり取りは、少し年齢差が気になるところではあったが、何か引き寄せられるような感覚があった。
「こんにちは、椎名です。あの時は本当に何もいらないって言ったんですけど…でも、少しお話しするくらいなら大丈夫ですよ。」
そう返事を送り、2人の連絡が始まった。
最初はお礼という形でやり取りが始まったが、直人は意外と気さくで、冗談を交えて話すことができる性格だった。
歳の差を感じさせないその軽やかな会話に、美咲は次第に心を開いていった。