騎士団の話
国の防衛対策には色々とある。例えば城壁だったり、堀だったり。
しかし1番ポピュラーな、と言えば兵士の存在だろう。彼らは日々厳しい鍛錬をこなして国の為に頑張っているのである
その中でも国王である僕を守る専属の兵士がいる
近衛隊とか騎士団とか言われるものが、あるのである
「なあ宰相、うちに騎士団とかないの?」
「ありますぞ、我が国の防衛の要ですぞ」
ふーん、あるんだ。軍備は大事だものね
「俺まだ見たことないんだけど、どこにいんの?」
「今の時間帯だと訓練中ですな、ご覧になられますかな?」
「面白そうだなぁ、見る見る!」
暇で暇でしょうがないのがこの王様なのである
もはや時間が潰せるならなんでもいいと思っている
城の裏側、城壁内に訓練場はある。まあ見た目は広めの空き地みたいなものであるが、きちんと整備されており雑草の一本も生えてはいない
奥には屋内訓練所もあるようだ。
その屋外には木人に鎧を着せて打ち込みをしている大勢の人が居た
その横では走り込みとか、筋トレしてる人もいる
「おー!なかなか壮観だなぁ、みんな頑張ってるなー」
「そうでしょう、そうでしょうとも。王と違ってね」
「あん?やんのか?」
「ほら、ご覧ください。あの一番体の大きな者が隊長でございます」
宰相の指さす方向には数名の兵士たちが走っていた
「おお!凄い筋肉だな!鍛えてるなー」
そうやって王様と宰相が騒いでいると、隊長がやってきた
「おお!これは宰相殿と国王様ではないですか!」
「やあ。てか、俺の事知ってたんだ」
「そりゃあもちろんです!この国の王様にですから!それでどうしてこちらにおいでになったのですか?」
「いや、君らがどんな訓練してるのか気になってね」
「おお!それはそれは!ぜひご覧ください!」
騎士団長パーシにより、施設でどんな訓練をしているのか説明付きで案内してもらう事になった
宰相は別の用があるとかでどこかに行ってしまったので案内されるのは王様だけである
「まずここは新人隊員の訓練場ですな!新人とはいえ、そもそもは一般兵士から選ばれた者たちゆえ、それなりの力を持っております」
「おお、エリートってわけだ。で、これなにやってんの?お尻に丸太?」
「はい、尻に丸太を打ち付けて尻筋を鍛えているところですな!」
「は?何それ」
「尻を鍛えずして困難は乗り切れません…戦場で野営が続くことになりますと、一部の欲求不満が爆発した者が現れて…あろうことか男の尻でも良いとか言い出すのです…」
「うわっ!?想像しちゃったよ…」
騎士団長パーシは涙ながらに言った
「そのような悲劇を、起こさせない為…自力で回避できる力を、尻をカッチカチにできるだけの筋肉を付けさせるのが目的の訓練でございます!!」
「お、おう‥え、と、もしかしてお前…」
すべてを言いきらないうちに、パーシは言った
「さあ、次をご覧ください!新人を乗り越え、一人前になった隊員の訓練場へ行きましょう!」
足早にその場を立ち去る騎士団長
ちらり、と訓練されている兵士を見ると
「あひぃ!ふぅ!あはぁ!」
真っ赤になった顔を歪めながら必死に耐えている姿が目に入る
ていうかあいつらなんか目覚めたらダメな性癖に目覚めてない?この訓練逆にやばくない?
そんな事を考えていると
「王様!どうされました!いきましょう!」
おっと、呼ばれてしまったか。ついていかないとな
「さて、こちらが一人前になった隊員たちの訓練ですな!」
「へー…なにしてんのこれ…」
「分かりませぬかな?股間に丸太を打ち付けることで、急所を鍛えているのです!」
「お、おん?」
「急所は鍛えることが出来るのですよ」
見ると色々悲鳴が上がっているが、端の方には余裕の笑顔で談笑している奴らが居た
まさか本当に鍛えられるとは…
「あ!だんちょうさま~!今日もかっこいいですぅ~」
ん?
「ええい!その変な言葉使いはやめろといっただろう!」
「きゃーw」
え?なんでクネクネしてんの!?
「いや、申し訳ありません。この訓練が過酷な為か、乗り越えた隊員がなぜかあのような言葉使いになっているのでございます。嘆かわしい…しかし、戦力としては一級品なのでご安心を!」
「いやあれ、潰れてるよね?たぶん・・・きんた・・・」
「1個なら問題ないのですが、2個無くなるとああなってしまうとか。さあ、次で最後です!過酷な訓練を乗り越えた先の一流の隊員達の訓練をご覧ください!」
「ああ、もういいけど見るわ…」
団長についていくと、そこは室内道場だった
「剣技、または魔法と言った技能はもはや当たり前ですが、ここでは主に体術を鍛えているところですね」
男たちが寝転がり、相手の関節を決めようとぐるぐると回っている
「ええ?何してんのこれ」
「寝技の訓練中ですな。こら!お前ら!寝技ばかり練習するな!立ち技の練習もしろ!」
「何のエリートを養成してんだ…ここの騎士団は…」
「はっはっは!王様を守るための親衛隊設立に向け、皆気合が入っておりますな!」
「嫌すぎる…」
俺はこいつらに守られるのは何故か身の危険を感じてしまった
出来る事なら女性の騎士とかに守られたいのだが…今度宰相に命令しておこう…
それと宰相叱っておこう…逃げやがって
騎士団長パーシは言った
「いかがでしたか!国の防備も我らにお任せして頂ければ安心だと思われましたでしょう!!」
「あー…まぁな、相手に同情するわ…」
「はっはっはぁ!」
後から宰相に聞いた話だが、うちの騎士団は他の国から大層恐れられているらしい…
そりゃそうだわ!
ようやく投稿ー