増税してやるの話
王様になったら好き勝手できると聞いていたのでワクワクしてたのに何だか色々難しいなあと思ってる今日この頃である
「なあ宰相、うちの国って裕福だよね」
「はい、特産物も多くあり、鉱山も多数抱えております。それにSクラス冒険者も在籍してるギルドもありますれば、国庫も潤っております」
「ふーん。まあお金困って無いのはいい事だよね」
「はいでございます」
しかし、本当にこの国の王はやることが無い
家臣は優秀だし、役人も優秀……
あれ?俺いらない子じゃない?
でもなんかやらないとなーって思ってる
だって王様だし、暇だし
そこでピンと思い浮かんだナイスアイデアだ
「あ、そうだ。増税しよう。ガッツリ税金搾り取ろう」
「は?急になにを?」
「だってみんなお金こまってないんだよね?」
「それで増税すると?」
「そそ、増税してお金搾り取って困らせてやろうと思ってさ」
ちょっと悪徳領主やってみようかなと思った。私腹を肥やすやつ
「なるほど、ではその搾り取ったお金で何をなさるおつもりで?」
「え?いや何もしないよ?お金集めるだけかなー」
「いえ、通常税金を集めるには理由が必要になります。例えば隣国と戦争だから軍備増強の為ですとか」
「いや、戦争はやんないよ?負けたらやだしさ」
「負けないために色々するのですが…」
それで負けて王様できなくなったら元も子もないじゃん
「それにしても使い道かー。河川氾濫とかもないよね?」
「そこら辺は全て前王が終わらせておりますからな」
「え?じゃあする事なくない?でも税金搾り取りたいからさ、宰相も一緒に使い道考えてよ」
「ふむ……ですれば、医療費を無料にするとかどうですかな?怪我や病気をすれば、かなりの費用が必要になります。それを国が負担する費用に税金を当てるのです」
「おお…いいね!でもそれ皆すごい得だよね?国民喜んじゃうから却下で」
やりたいのはそう言う事じゃないんだよなー
「他に何かありますかなあ…あ、国王の銅像を建てるとかどうです?」
「お、いいねいいね!そーゆーの好きよ!」
「おお!では試しに作りまして、国内の目立つ所に置いてみますかな?」
「よし、それでいこう!とりあえず評判が良いようなら沢山建てるのに増税で!」
「はいでございます」
数日後、無事に銅像は完成して国内に設置されていった。
「あ、そう言えばさ、銅像どうなったの?」
「無事に完成して市内に設置しております」
「え?俺まだそれ見てないんだけど?」
「あれ?ご覧になられてなかったですかな?」
「うん。てか俺見てないのに勝手に設置したの?何で勝手な事すんの?何様なの?」
「宰相ですが?」
それは知ってるし言いたいのはそういう事じゃない
しかし設置されてるのならそれはそれでいいか
「まぁとりあえずそれ見てみたいからさ、見に行くよ」
2人は馬車に乗り込み、広場へと向かう
「お?見えてきましたぞ」
「どれどれ……ってアレ?」
「そうですぞ、良い出来でしょう」
そこには自分とよく似た銅像が立っていた。高さは2メートルくらいだろうか?実物より大きめに作ったのか
確かによく出来てるし、顔も本物よりいいな
だが…
「なあ、なんで俺全裸なの?ちんちん丸見えじゃない?」
「そうですな」
「しかも噴水の真ん中で、なんでおしっこでてんの?」
「その方が面白いと思いまして」
「いや、面白いけどさ…つかふざけんなよてめぇ!なんだよアレ!おれの大事な息子がボディの大きさの割にやたらとちぃせえじゃねえか!」
「実寸大ですが?」
「へー…実寸大ね」
「ええ、股間の部分だけは等倍にしてございます。ボディは大きく見せるために1.3倍にしてございます」
そりゃ股間だけ実寸大なら小さく見えるわな
まわりから国民の声が聞こえてくる
「へー、アレが今の国王様か。ププッ!男の大事なものがちいせえなあ!」
「あはは!小さいって言ってやるなよ!ププッ!皮も被ったままなのもリアルだよなあ!」
ブチン…キレたぞ俺は
「おい宰相、あいつら不敬だな?死刑で」
ぶっ殺す!王様なめんなよ!
「それは得策ではないかと」
「何故だ」
「そんな理由で死刑にしたとしましょう、すると他の国民はなんと言うと思われますか?」
「なんて言うんだよ」
「ゴホン、えー、こう言われること間違いないですな。国王ってぇー、アソコ小さいだけに器も小さいのねー!ププ…と、言われますな」
「じゃあそいつも死刑で」
「そんな事をしたらこの国の国民全員が死刑になってしまいますよ」
「マジか」
「マジです」
それは良くないな、てか国民全員が思ってるとかヤバいな。しかし国民は大事だからな
「くそ、じゃあとりあえず銅像は全部回収して直せ!今度は俺が監修するぞ!」
「分かりました。それでは…増税しないといけませんね」
「は?何でここで増税が出てくるんだよ」
「2万体ほど銅像を作って配置しておりますので、その回収費用及び、修繕費、再設置の費用ですな」
「おいまて、お前これ2万体も作ったのか?しかも設置済みなのか?」
「はいでございます」
宰相はニコリと笑顔で答えた
「おっい!ざけんな!何勝手に俺のちんちん全国公開してんだよ!」
「今では粗チン王とか言ってる者も多いようですね」
「だろうな!てかこれで撤去の為に増税とかしたら俺の評価ひどいことになるんじゃねえの!?」
「おお!それは確かに!流石でございますね」
「流石ですねじゃねえよお!あれか、俺バカにしてんの?つか宰相バカなのか!?バカなんだろ!?」
「なんだと包茎租チン王のくせに!あんたが増税したいとかいうからなんとかしてやってるんですぞ!」
「言ったな!!?包茎租チンっつったな?いいだろう、ぶん殴ってやる」
ギャーギャーと煩いなぁと、馬車の御者は思った
今日も平和である
(`・ω・´)宰相、おまえクビね!
(・д・)チッ
(`・ω・´)やんのか?
(・д・)粗チンめ
(`・ω・´)許さんぞおおおお!