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真剣勝負

「物理法則を…操る…!?」


男が驚いた顔をする。


まあ誰が聞いても強い力だし驚くのも当たり前だろう。


「ああ。でもお前だって相当強い異能なんだろ?」


男に言う。


「まあ我ながら強い異能を持ってると思うよ。僕の異能は"異能を斬る異能"だ。」


男が言う。


異能を斬る!?どうりで剣で斬っただけで俺の異能が無効化されていたわけか…


「まあ正確には持っている剣を持っている間異能を斬る剣にする能力なんだけど、その剣を持ってる間は体に飛んでくる異能も防げるんだ。」


なるほど。確かにそれは凄い強さだな。


「ということはやっぱり俺も剣で挑むしかないようだな。」


俺はそう言いながら懐から魔剣を抜く。


「うん。やっぱ一対一の真剣勝負だね。」


男が剣を構える。


「来い!!」


俺は剣を構えながら言う。


「それじゃあいかせてもらうよ!!」


男がこちらに向けて飛んでくる。


相手の能力は異能を斬る能力。俺の体にかかっている身体強化、時間加速、加速などの効果は俺の体を斬られた瞬間になくなると考えていいだろう。つまり少しでも相手の剣が当たれば終わりというわけだ。まあ少し当たるだけでアウトであろうとこちらが異能による身体強化を行えるだけこっちの方が有利か。


「<加速(アクセル)>!!」


勢いよく飛んできた男の剣を防ぐ。


ガキュゥン!という音が聞こえたかと思うと、その瞬間にはすでに男の剣は俺を攻撃しようとしていた。


「<重力加速(グラビトン)>!!」


自らに重力をかけてかがみ、男の斬撃を躱す。


「<感覚強化(アドバンスセンス)>!!」


思考と感覚を研ぎ澄ませ、相手に斬撃を入れる。


「とりゃっ!」


男は体勢を崩しながらも剣の腹で斬撃を流す。


「<吸引(アトラクト)>!」


すぐに体勢を崩した男に剣を吸い付かせる。


「はっ!」


しかし男は俺の剣を見事な剣さばきで弾き、後ろに跳ぶ。


「君なかなかやるね。異能を使っているとはいえかなりの剣の腕だよ。」


男が言う。


「あの体勢で剣を防いだお前こそ凄いと思うぞ。」


男に返す。


「ありがとっ!」


男がそう言った瞬間、男の姿が消える。


「<加速(アクセル)>」


俺は剣を自分の背中に持って行き、背中を守る。


直後、ガキュゥゥン!!という音が背から聞こえる。


「やるね!」


男の声がする。俺はその声がした場所を切り裂くが、男は俺の目の前に戻っていた。


「この速度の中でさらに加速できるのか?」


俺は男に問う。


「うん。一瞬しかできないけどね。」


男が答える。


まさかあの速さで動くのを異能なしにやってのけるとは凄まじい男だ。


「どうやら君には我がクノーゲル家に伝わる技を使わないと勝てないみたいだね。」


男が言う。


とうとう本気でくると言うわけか。


「なるほど。それじゃあ俺もふんだんに力を使わせてもらおう。」


相手が本気を出すというのだからこちらも相応の力を出さないとな。


「<軽量化(ウエイトセーブ)>」


まずは剣の重さを軽くする。


「<柔軟(フレキシブル)>」


体を柔らかくする。


「<身体強化(アドバンスパワー)>」


身体能力をさらに強化し、最大限まで力を高める。


「<感覚強化(アドバンスセンス)>」


五感の精度をさらに最大限まで高める。


「<自動加速(オートアクセル)>」


力を入れた方向に自動的に加速するようにする。


空気抵抗耐性などの汎用性が高いものは常につけているし、追加でつけるとしたらこれくらいか。


「準備ができたようだね。じゃあいくよっ!」


男が凄まじい速度で接近してくる。


「クノーゲル流剣術・五連斬!!」


剣が凄まじい速度で来る。


ガキュゥン!


剣を防ぐ。


直後、右からも斬撃が来る。


ガキュゥン!


防ぐ。


その直後、上、右上、左上から同時に3つの斬撃が来る。


ガキュキュン!


どうにか防ぐ。


「まだまだ!七連斬!!」


7つの斬撃が同時に迫る。


ガキュキュキュキュキュキュキュン!!


全て弾く。


「十八連斬!!」


十八の斬撃が同時に迫る。


ギュォン!!


全て弾く。


「百連斬!!!」


百もの斬撃が同時に迫る。


ギュン!!


どうにか全て弾く。


「すごいね!それなら!クノーゲル流剣術秘技・極閃!」


光の速度かと勘違いするような速さの斬撃が飛んで来る。


「<超速加速(グレートアクセル)>!!」


超速加速と自動加速を同時に使用し、横にくるりと避ける。


「反撃だ!」


そう言いながら一呼吸の間に数千回、斬撃を入れる。


「クノーゲル流剣術秘技・不可視盾!」


あたかもそこに透明の盾があるかのように、数千回の斬撃が全て防がれる。


「クノーゲル流剣術秘技・曲斬!」


先ほどより遅い剣が飛んで来たかと思うと、その剣は突如ぐにゃりと曲がり、背中に向かって突撃して来る。


「<光線湾曲(ライトカモフラージュ)>!!」


曲がったように見えるなら、その曲がりを直すまでだ。


光のねじ曲がりを直すと、前に立っていた男、そして曲がった剣が消え、男は俺の後ろから斬撃を放っていた。


「<回転(ローテーション)>!」


俺はすぐに振り返り、斬撃を防ぐ。


「まさか今のも防ぐとはね!クノーゲル流剣術秘技・斬弾!!」


剣を何十回も超高速で突いたかと思うと、剣先から空気の弾がマシンガンのように飛んで来た。


「空気なら弾けるぞ。<反射(リフレクト)>!」


全ての弾が弾かれる。


「クノーゲル流剣術・空掻き!」


剣の腹で右側を勢いよく斬ったかと思うと、空気を押した反発力で避ける。


「その空気、使わせてもらうぞ!<加速反射盾(アクセルリフレクトシールド)>!!」


大きめの立方体状にものを反射した時加速して反射する盾を張る。


「<反射盾(リフレクトシールド)>」


俺の体に沿わせて反射盾を張る。これによって空気の弾が立方体の空間を無造作に反射し、加速し続ける。しかし俺は反射を込めた盾を張っているためその空気の弾の攻撃を受けることはない。


「クノーゲル流剣術秘技・結界!」


男が突然目を瞑ったかと思うと、男の周囲、半径1メートルに入った超速の空気の弾が綺麗に真っ二つに斬られる。


男はどれだけ速い、どれだけの量の空気の弾が来ようと全て真っ二つにする。その妙技はまるで球状の結界を体の周りに張らせているのではないかと錯覚するほどだった。


「クノーゲル流剣術秘技・空間跳躍!!」


男が上に飛んだかと思うと、空気を足場として様々な方向に跳び、全ての加速反射盾を真っ二つに斬った。


「クノーゲル流剣術秘技・影足!!」


男の姿が急に消えた。


「<衝撃(ショック)>!!」


俺は咄嗟に背中から前方に向けて自らに衝撃を加える。すると俺が元居た場所は真っ二つに斬られていた。


「今のを避けるとは流石だね。」


男がしゃがんだ姿勢から立ち上がりながら言う。


「これほどまでに強い技を連続で繰り出して来るお前の方がずっと凄いと思うぞ。」


男に言う。


「まだまだいっぱいあるぞ!クノーゲル流剣術・超速突撃!」


男がレーザー光線のように凄まじい速度で一直線に飛んで来る。


「はっ!」


俺は左に咄嗟に避ける。


すると光線が俺の真横に来た時にその光線が消えたかと思うと、横から斬撃が飛んで来ていた。


「クノーゲル流剣術・周斬!」


俺の真横に居た男の周りに斬撃の輪ができる。


「<跳躍(ジャンプ)>!!!」


俺はその斬撃を真上に跳んで避ける。


「そこだっ!クノーゲル流剣術秘技・連球斬!!!」


斬撃の球を纏った男が俺の方へ飛んで来る。


「はああああっ!!」


俺は球状になっている斬撃のうち、自分に迫っている斬撃を全て防いだ。


そして俺たちは同時に少し離れた地面に着地する。


「まだまだ!クノーゲル流剣術・剛斬!」


男が地面に剣を刺したかと思うと、そこら中の土が舞い上がり、あっという間に土煙ができた。これではいくら視覚を強化してようと前があまり見えない。だが。


ガキュゥン!!と、後ろから来た斬撃を見事に防ぐ。


キュン!キュン!ガキュン!と、あらゆる方向から来る斬撃を防ぐ。


「やっぱりいくら視覚を奪おうと、音で分かるんだね。」


男の声がする。やはり音で聞き分けて居たのは分かっていたか。


「これならどうかな!クノーゲル流剣術秘技・闇足!」


音がぴたりと止む。


どうやら完全に音が聞こえないよう動いているようだ。とうとう特訓で会得した技を使う時が来たようだな。


「<透視(エックスレイ)>」


光の波長を操り、普通目には見えない波長を見ることによってこの土煙を透視し、男の姿を確認することができる。


「そこか。」


ガギュン!と男の斬撃に力いっぱい剣を振るう。


「ぐああああっ!」


男が強い斬撃に身構えていなかったため、遠くに弾き飛ぶ。


「<超重力加速(グレートグラビトン)>」


男が遠くに飛んでいる隙に土煙を重力で強制的に下に落とす。


「<跳躍(ジャンプ)>」


男の隙を見逃さず、男に向けて跳躍する。


「それじゃあ本気を出すとするよ!クノーゲル流剣術奥義・人体超越!!」


男がそう言った途端空中で急に逆さまになってしゃがんだかと思うと、空間を蹴り、凄まじい速度で地面に激突した。


「<反射(リフレクト)>!!!」


咄嗟に衝撃波を反射で防ぐ。


男が突如姿を消したと思うと真後ろに姿を現し、斬撃を入れたかと思うとまた別の場所に姿を現し、あらゆる方向から俺に斬撃を入れて来る。


瞬きする間に何万もの斬撃が入っていると言えるほど凄まじい斬撃の嵐が注ぎ、男の姿はもはや視認できないほどの速さだった。その斬撃を全て防ぎきると、男が前に現れた。


「これを…耐えるとは…流石だね…!」


男は息切れしていたが、すぐに復活するだろう。ここで決着をつける!!


「<跳躍(ジャンプ)>!!」


俺が地面から足を離した瞬間、男が口を開く。


「クノーゲル流剣術究極奥義・明鏡止水!」


俺が空中を駆ける動きがどんどん遅くなってゆく。いや、男のいる速度域がどんどんと早くなってゆく。


そして俺の動きはほぼ停止状態となった。


「この技は人体超越をしていないと使えない奥義でね。さっき居た速度域のさらに上の速度域に行くことができる技なんだ。」


男がゆっくりと空中で静止する俺に近付いてゆく。


「これで終わりだね!」


男が剣を振りかざす。が、その斬撃は弾かれる。


「なるほど。俺の時間加速みたいなものか。」


俺がそう言うと、男は腰を抜かし、数歩後ろに下がる。


「どうしてこの速度で…!」


男が言う。


「さっき俺は最大限のレベルまで身体強化、まあお前の人体超越にあたるものを自分に付与した。その分時間加速、お前にとっての明鏡止水ができるっていうだけだ。」


男に言う。


「くっ…!それなら!体が保たなくとも決着をつけてみせる!!クノーゲル流究極奥義・明鏡止水!!!!」


男の姿が消えたかと思うと目の前に現れ、膝をついた。


「何故…俺の剣が…」


男の右手には、折れた剣があった。


「不壊剣とも言われたこの剣が切れるなんて…」


男が折れた剣を見ながら言う。


「15716801回。」


俺が男に言うと、男が顔を上げる。


「俺はお前の剣の同じ箇所に斬撃を打ち込んだ。そんなことをされた上にあんな凄まじい速度で動いたらそりゃもちろん剣は折れるだろう。俺と違って空気抵抗を無効化できるわけじゃないんだからな。」


俺が男に言うと、男は唖然とする。


「まさか…あの攻防は…?」


男が恐る恐る問う。


「全部お前の剣を折るためにやってたことだ。やっぱり正々堂々と戦って剣を折って勝ちたかったからな。」


俺がそういうと、男はこれでもかというくらい驚いた顔をする。


「君と互角に戦ってると思ってたけど、どうやらそれは思い違いだったようだね。」


男が何かに気付き、言う。


「確かによく考えてみれば、最初からこの速度域に君が行っていたり、草原エリア一帯を埋めるくらいの大きな残骸を上から落としてれば僕はそれで負けてたね。」


男が言う。


「でもそれじゃあ正々堂々じゃないだろ?」


俺が言うと、男が少し呆れたような声で言う。


「僕より君の方が騎士にふさわしいんじゃないかな。僕の負けだ。リタイアするよ。」


ー・・・。ー


機械の声がしない。


「あれ?どうして何も起きないんだ?」


俺がそう言うと、男が言う。


「普通の速度域に戻るの忘れてたね。」


完全に忘れていた。


時間加速を解除する。


ーレトロノ・クノーゲルのリタイアが宣言されましたー


機械の声が聞こえる。


「えっ?え!?ええええええええっ!?!?!?!?」


シリル先生の驚きの声が響く。確かに他の人からすればいきなり草原エリアがクレーターになっているわけだからそりゃ驚くか。


「な、なんと開始数秒でレトロノ・クノーゲルくんのリタイアが宣言されました!!この惨状といい、何が起きたのか全くわかりません!!えーっ、勝者は水原凱斗くんです!!」


うむ。なんとか勝てたな。


「ねえ。」


男が話しかけてくる。


「僕君のこと気に入っちゃった。友達になろうよ。」


「いいぞ。お前とはかなり楽しい試合ができたからな。俺のことは好きに呼んでくれて構わないぞ。」


男に言う。


「それじゃあとりあえず水原くんって呼ばせてもらうよ!僕はレトロノって気軽に呼んでくれて構わないよ!」


レトロノが言う。


こんな好青年が本当に黒幕なのだろうか。


「あっ!そうだ!僕のレートは907だよ!」


レトロノが続けて言う。


907か。確かに異能を打ち消せる異能だからそれくらいはあっても当然か。でもこのレートだと黒幕である可能性は高いな…個人的には黒幕であってほしくはないところだ。


俺はレトロノと別れ、観客席に戻った。

たまに1日投稿空いちゃったりするのは気にしないで下さい!!

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