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工夫

「くっ!<爆炎噴射(フレイムバースト)>!」


シャロルが炎を前方に噴射し、その勢いで砂鉄の剣を避ける。


「逃がさねえぜぇっ!<磁力加速(マグネットアクセル)>!」


男が砂鉄の剣に磁力を働かせ、シャロルに突撃する。


「<爆裂(エクスプロージョン)>!!」


シャロルが唱えた瞬間、男も口を開く。


「<砂鉄(アイアンサンド)(シールド)>!!」


直後、ものすごい大爆発が発生したが、男は無傷だった。


「<磁気(マグネティック)(アーマー)>!」


男が砂鉄を体に纏う。


「<高周波振動(ハイバイブレート)>!」


男が鎧の表面の砂鉄を振動させる。


「これでもう完璧の防御力と攻撃力を手に入れたぜぇ?<磁力加速(マグネットアクセル)>!」


男が鎧全体を加速させ、シャロルに迫る。


「<溶解(メルト)>!」


シャロルが唱えるが、男の鎧は溶けない。


「はっはっは、やはり一度に大量の鉄は溶かせないようだな!」


男の手に砂鉄の剣が生成され、男が剣をシャロルに振りかざす。


「<爆炎噴射(フレイムバースト)>!」


シャロルが咄嗟に後ろに避ける。


「へぇ。なかなかやるじゃねえかぁ。お前を倒すにはこうするしかないようだな!<磁気旋風(マグネティックストーム)>!!」


男が前に手をかざすと、地中から黒い霧のようなものが立ち込めたかと思うと、竜巻のように動いてシャロルを襲った。


「<業火(ブレイズ)の…」


シャロルが盾を貼るよりも早く砂鉄の嵐がシャロルを襲う。


「きゃああああっ!!」


シャロルが空高く跳ね上げられる。


「どうやらお前を倒すには全部の砂鉄を使うしかないようだな!!!<磁気生成(マグネティッククリエイト)>!!」


「これで終わりだぁ!<砂鉄(アイアンサンド)(ランス)>!!」


竜巻になっていた砂鉄、男が纏っていた鎧、そして地中から出て来た大量の砂鉄が槍の形になり、シャロルに飛んでいく。


「これならお前は避けられない!!」


「とうとう全部使ってしまったようね。」


シャロルが突如不敵な笑みを浮かべる。


「なんだぁ?どうせただのハッタリだろぉ?」


男が言う。


「"キュリー温度"って知ってるかしら。」


シャロルが言う。


「まさかっ!!」


男の表情が険しくなる。


「あなたは俊敏な私を攻撃するために全部の砂鉄で大量の槍を作り、私に飛ばしたわ。鉄が磁気を帯びれなくなる温度、約750℃まですべての槍を加熱したらどうなってしまうのかしら。」


「いや!お前は一度に大量の鉄を溶かすことはできないだろ!」


男が指摘する。


「ハッタリはそっちよ。」


「なっ…!!」


「<溶解(メルト)>!!」


シャロルの周囲の砂鉄が一気に赤く光り、地に落ちる。


「そんな…」


男が唖然とする。


「<撃滅地獄超火(ジェノサイドヘルグランドフレイム)>」!!


シャロルが黒い炎を男に放つ。


「<砂鉄(アイアンサンド)(シールド)>!!」


男が唱えるが、何も起こらない。


「<磁気(マグネティック)(アーマー)>!!!!」


何も起こらない。


「<磁気(マグネティック)…ぐあああああああああああああああっ!!!!!!!」


男が黒い炎に包まれ、消滅する。


「試合終了!勝者、シャロル・セイクリッド!!」


シリル先生の声が響き、男が元どおりになる。


シャロルも他の人たちの試合よりかなり早く終わったな。


「まさかこの俺を騙すとはなぁ。可愛い顔して恐ろしい奴だぜぇ。」


男が言う。


「早く言いなさい。」


シャロルが男に言う。


「別にそう急ぐこたぁねえじゃねえかぁ。290だよぉ。」


どうやらシャロルはしっかりレートを聞き出す決闘を申し込んでいたようだ。290か。こいつも黒幕ではなさそうだな。


「やっぱあいつすげえな!!」


濱口が言う。


「シャロルちゃん特訓頑張ってたもんね!」


葵が言う。


「ああ。そうだな。だがきっと二回戦以降はもっと厳しい戦いになるだろう。」


二人に言う。俺が見た感じ弱い人から順にマッチングするようにしておいたからな。おそらく二回戦目からはこんな簡単には勝てないだろう。




異能大会一回戦を終えた放課後、特訓を終えたあとのシャロルとの個別指導が始まった。


「シャロル、次のお前のマッチング相手は音無翔だ。」


シャロルに言う。


「そう。それがどうしたの?名前は知っていても特に意味がないと思うんだけど。」


シャロルが言う。確かに名前は別にどうでも良いがな。


「そいつの能力が分かった。そいつの異能は"大気を操る異能"だ。」


能力としてはかなり強い能力だ。そいつが黒幕でもおかしくはないほどの。


「すごい異能ね。でもそんな能力をもってるってどうして分かったの?」


「いや、そいつだって今日戦ってたんだぞ。それくらい猿でもわかるだろ。」


少し呆れた声でシャロルに言う。


「も、もちろんそれくらい知ってたわよ!試しただけよ!!!!」


意外と抜けているところがあるんだな。


「そんなことより、そいつの能力に対策できる技を編み出しておく必要がある。」


「そ、そうね。正直このままなんの策もなしに戦ったら勝てるかどうかわからないわ。


「相手が使う技として考えられる、警戒すべき技は"真空"と"圧縮空気"と"空気でできた武器"だ。」


「確かに大気を操れるなら使ってくる可能性が高いわね。」


「真空を用いた技で気をつけなきゃいけないのが呼吸と気圧だ。」


「気圧はともかく、真空空間で体内の空気を保ちつつ外から空気を取り入れるなんて私の能力じゃ無理じゃないの?」


シャロルが心配そうな目を向けてくる。


「大丈夫だ。その方法は後で教える。」


「え、ええ。続けて頂戴。」


「圧縮空気は盾にもなる上、爆発させることもできる。この技を防ぐにはどこで空気を圧縮しているかを把握する必要がある。」


「そうね。できれば相手には見えていることを悟られずに見えるようにしたいわね。」


「ああ。最後の空気でできた武器は透明なのが厄介だ。そしてどこにでもその武器を作ることができるというのも厄介な点だ。」


「そうね。大気を操る異能、よく考えてみればかなり強い異能よね。この学園でもトップを競えるんじゃないかしら。」


「確かにすごく強いが…俺でもできるぞ。」


「あ。」


シャロルが気づき、口の動きが止まる。


「一番チートな奴が一番近くに居たわ…」


シャロルが呆れた声で言う。


「というか私じゃなくてあんたが相手すれば良かったじゃないの!!」


「いやいや、強い相手と戦ってこその成長だ。お前が戦ったほうがいい。」


「そうかもしれないけど…」


実はマッチングを変えるのがめんどくさかっただけだなんて言えないな。


「それじゃあさっさと作戦考えるわよ!もちろんあんたも付き合いなさいよ!」


「そんなに俺の手助けがほしいのか?」


「そんなわけないでしょ!!!!個別指導する約束したじゃない!!!!」


シャロルが顔を赤くし、大声で否定する。


「ああ。そうだな。」


「もー!始めるわよ!」


そして第二回戦への個別指導が始まった。

ちょっと短いのは気にしないで下さい!!どうしてもキリよくしたかったんです!!!!

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