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異能大会

俺たちが秋葉原から帰ってから、特訓の日々を過ごしているとあっという間に異能大会の日が訪れた。


「起きるでごわす!今日は異能大会でごわすよ!!!」


ブライオスが誰よりも早く起き、言う。


「とうとうこの日が来たか。」


そう言いながら濱口とレオナルドを見る。やはり寝ていた。


「お前らも起きろー。」


一応起きろと言っておくが、やはり二人とも起きる気配がない。


「<衝撃(ショック)>」


ズゴォォォォン!!という音が俺の下から響く。


「ぬうぉぉぉぉあっ!?!?」


濱口が起きた。濱口には朝起こしてくれと頼まれていたからな。


「ふ、ふぅ。なんとかこの衝撃にも慣れて来たぜ…」


濱口が言う。どうやらしっかり起きたようだ。


「なら今度から別の起こし方にしてやろうか?」


「やめろっ!!せっかく慣れたんだぞっ!!」


よく寝起きでこんな元気だな。


「くっくっく、まだレオナルドは起きていないようだな。」


濱口がするりと立ち上がり、レオナルドの方へ向かう。


「<熱波(ヒートウェーブ)>!!」


濱口がレオナルドに手をかざし、唱える。この技は特訓で覚えた技だな。


「あっつぁぁっつ!?!?」


レオナルドが飛び起きる。


「くっそおおおおっ!!!俺の負けかよっ!!」


レオナルドが起きた後、すぐに言う。


この光景もだいぶ日常になってきたな。


「ってあっ!今日から異能大会じゃねえかっ!!」


レオナルドが言う。


レオナルドが言う通り、今日から異能大会が始まる。異能大会の期間では、午後の5・6限の授業が異能大会に変わり、トーナメント形式で一日一回戦ずつ進めていく。今日は初日だから第一回戦だな。


「ああ。特訓は充分にしてきた。ベストを尽くすぜ。」


特訓だけでなくマッチングまでも準備は万端だ。


「頑張れよ!」


「頑張るでごわす!」


「優勝したら濱口がジュースおごるってよ!!」


濱口、ブライオス、レオナルドが言う。


「なんで俺なんだよ!?!?」


すぐに濱口が反応する。朝から元気なことだ。





その後俺たちは朝食を済ませて登校し、教室で朝の時間をいつものように過ごした。


「みなさーん!今日からは異能大会がはじまりまーす!!」


シリル先生が言う。


「第一回戦のマッチングは黒板に張り出しておきますねー。」


シリル先生がそう言いながら紙を黒板に貼り付ける。


「誰とマッチングするんだろうね!!」


葵が言う。誰とマッチングするかは俺が決めてるから知ってるんだがな。


「ああ、きっと例の6人の誰かとマッチングするだろう。」


葵に返す。


朝のホームルームが終わった後、しっかり俺が決めたマッチングになっているか確かめに前に出る。


そこに貼られていた紙に記されたマッチングはまさに俺が定めたものだった。


「私のマッチング相手は…マグナス・サクジリス?」


隣でシャロルが紙を見ながら言っていた。


「6人のうちの一人だ。」


シャロルに言う。


「ええ。分かってるわ。しっかりレートを聞き出してみせるわ。」


シャロルが言う。おそらく特訓を積み重ねた今のシャロルならレート500程度なら勝てるだろう。もし負けたとしたらその相手が黒幕で確定だろう。


俺の第一回戦のマッチング相手は黒崎永戸か。名前からして日本人だな。名前に聞き覚えがあるし、やはりSクラスだろう。





そして授業を終え、とうとう5時間目がやって来た。そして俺たちは模擬戦会場に移動した。


「それでは大会参加者はフィールド内まで移動してください!」


シリル先生が言い、模擬戦会場のフィールドへの扉を開ける。


俺とシャロル、そして他の参加者が扉をくぐっていった。


どうやら異能大会は草原エリアで行い、その隣にある森エリアが控え室になっているようだ。俺たちは森エリアに集められた。


「それでは異能大会、記念すべき第一回戦の最初のマッチングは水原凱斗、黒崎永戸です!」


会場にシリル先生の声が響く。どうやら俺たちが森エリアに集まった後に放送室的なところに行ったようだ。


「まずは水原凱斗くん、草原エリアに移動して下さい!」


再びシリル先生の声が響く。


俺は言われた通りに草原エリアに移動した。


「次に黒崎永戸くん、草原エリアに移動して下さい!」


前髪が目にギリギリかからないくらいまで伸びている、寝不足気味な顔をした黒髪の男が現れた。体格は痩せていて、身長は高くも低くもない感じだ。


「やあ。黒崎永戸だ。」


黒崎が言う。


「水原凱斗だ。突然で悪いが、決闘をしないか?」


黒崎に言う。


「ボクと決闘?何を賭けるの?」


「お互いのレートを知る権利だ。」


「レートを…?まあいいよ。別にタダで教える気もないし、どーせ戦うんだからね。」


よし。これで勝てば黒崎のレートがわかるな。


「黒崎永戸に決闘を申し込む。負けた方が勝った方にレートを教える。それでどうだ。」


黒崎に提案する。


「いいよ。」


黒崎が言い、決闘の内容を承諾する。


「準備はいいですか?」


シリル先生の声が響く。


「大丈夫だ。」


「問題ないよ。」


俺たちは準備の完了を告げる。


「それでは戦闘、開始!!」


そして戦闘が開始した。


戦闘が開始して少しして、黒崎が口を開いた。


「僕、どんな風に動いたらどうなるか、演算で見えるんだよね。」


黒崎が言う。なるほど。さながら超演算といったところだろうか。


「悪いけどボクの攻撃は避けられないよ。<完全攻撃(パーフェクトルート)>!!」


黒崎がそう言った直後、バァン!と銃声が聞こえる。


黒崎が撃った銃弾は完璧に俺の胴体に飛んでいき、常人にはそれを避けることは不可能だった。そう。"常人"には。


「<身体強化(アドバンスパワー)>」


俺は凄まじい速度で横に動き、銃弾を避けた。


「なっ…なんて速さだ…」


黒崎が言う。高速で動く能力だと思っているのだろうか。別にただの銃弾くらい普通に受けても良かったんだが、せっかくだし避けてみた。


「それならっ!<完全攻撃(パーフェクトルート)>!!」


ダダダダン!!と銃声が4回聞こえる。今度は上と右と左に避けても当たるように撃って来たようだ。これでは避けれないな。仕方ない。


「<反射(リフレクト)>」


ガキュゥン!と避けなかった場合に当たるように撃ったであろう銃弾が反射される。


「な…なんだと…」


黒崎は何が起きたかわからないような顔で自分の腹を抑えていた。俺に向かって一直線で飛んで来た銃弾が綺麗に反射され、黒崎の腹部に当たったのだ。


「それならっ!!<完全攻撃(パーフェクトルート)>!!」


ダダダダダン!と銃声が鳴る。どうやら撃つ角度をずらして反射されても自分に当たらないように撃ったのだろう。でも甘いな。


「<念力(サイコキネシス)>」


「<反射(リフレクト)>」


ガキュキュキュキュキュン!!と全ての銃弾が弾かれ、黒崎に着弾する。


「何故…ボクに対応できない攻撃なんて…」


黒崎が言う。


「いくらお前が一度受けた攻撃に対応しようと、俺の攻撃の多様さには勝てない。」


黒崎に言う。


「そんな…」


黒崎が倒れる。


「相手が悪かったな。マッチングを恨むことだ。」


まあマッチングしたの俺なんだが。


「試合終了!勝者、水原凱斗!!」


シリル先生の声が響く。気がつくと倒れていた黒崎が元どおりになっていた。


「お前…すごく強いな…ボクのレートは311だよ。」


黒崎が言う。黒幕の可能性は低いな。それにしても311に圧勝したとなると、俺のレートはもう一度測ったらかなり上がってるかもしれないな。


「それでは試合が終了した選手は観客席に戻って下さい!」


シリル先生の声が響く。俺の今日の出番はもう終わりか。すぐ終わったな。


「水原流石だな!!」


濱口が俺を出迎える。


「やっぱすげえぜ!!」


「瞬殺でごわす!!」


レオナルドとブライオスも続く。


「敵の子が可哀想になってくるくらいだよ!」


葵が言う。


「今回は相手が飛び道具だったからな。相性が良かっただけだ。」


4人に言う。


「近接攻撃でも絶対勝ってただろ…相当特殊な攻撃じゃないと水原には入らないんじゃねえの…」


濱口が言う。まあ一理ある。


そして次の試合が始まった。次の試合からはまあまあの時間がかかっていたから、どうやら俺の試合ほどはやく終わってしまうケースはあまりないのかもしれない。


「本日最後の戦いはマグナス・サクジリス対シャロル・セイクリッドです!」


シリル先生の声が響く。


次はシャロルの番か。相手はどんな異能を…


「「「「ええええええっ!?!?」」」ごわすっ!!」


濱口達が急に声を上げた。そういえばシャロルが異能大会に出ることは言ってなかったっけな。


「あいつがいなかったのてっきりトイレかなにかかと思っていたが、まさか大会出場者だったなんて…!!」


濱口が言う。トイレだとすると1時間半以上トイレに行っていたことになるんだが。


「裏切ったな!!」


レオナルドが言う。意味がわからない。


「セイクリッド氏が一生懸命特訓してたのはこれが理由だったでごわすか!?」


ブライオスが言う。まあこれは正しいか。


「シャロルちゃんすっごーい!!」


葵が言う。うむ。純粋な感想だ。


モニターを見ると、そこにはシャロルと、その前に立つサングラスをかけた黒髪の男がいた。髪型はかなり説明しづらいが、簡単に言うとまあまあロングで左側に髪が寄っている。肩には刺青があり、まあまあ大きめの体格をしている。


「それでは試合開始です!!」


シリル先生の声が響く。そういえば試合の音は聞こえないんだったっけ。


「<感覚強化(アドバンスセンス)>!」


感覚を強化して試合の音が聞こえるようにする。流石に音ありがいいからな。


「さて、こっちから仕掛けさせてもらうぜぇ!」


男が黒い球体をいくつか空に投げる。その直後、その球体はすごい速度でシャロルに向かって飛んで行った。


「<業火(ブレイズ)(シールド)>!!」


シャロルが手を前にかざすと、凄まじい炎の盾が前に現れ、黒い球体を吹き飛ばした。


「なかなかやるなぁ。これならどうだぁ!?」


そういいながら、男が短剣を懐から取り出した。


「近寄らせないわ!<(フレイム)加護(エンハンス)>、<業火(ブレイズ)(ウォール)>!!」


シャロルの前に炎の壁ができる。


「近寄る必要はないんだなぁ!!<射出(ランチ)>!!」


男の手から凄まじい速度で短剣が飛び出す。この速度なら業火の盾でも吹き飛ばせないだろう。


「<爆裂(エクスプロージョン)>!!」


シャロルが空中に爆風で吹き飛び、避ける。


「まだまだぁっ!!<射出(ランチ)>!!」


男が短剣をいくつか連続で投げ飛ばす。


「それなら…!!」


「<溶解(メルト)>!!!」


シャロルが唱えた瞬間、飛んで来た短剣が赤く光り、どろどろに溶ける。


溶けた短剣がシャロルに当たるが、シャロルは無傷だ。シャロルは熱に対して耐性がある上、短剣は溶けて液体になっていたため刺さることがないからだろう。


「それならこれでどうだぁっ!!」


男が宙に手をかざす。


「<磁気生成(マグネティッククリエイト)>!!」


男の手に黒い粉が集まり、剣の形を形成する。


「まさかあなたの異能は…」


シャロルが男に言う。


「俺の異能は磁気を操る異能だぜぇっ!!」


なるほど。となるとあれは砂鉄の剣か。


「剣技なら私だってっ!!」


シャロルが鉄の剣を懐から抜く。


「少しは楽しませてくれよぉ!?」


男が剣を持ち、シャロルに向けて走る。


ガキュン!ガキィン!と凄まじい音で剣が交わる。


「あなたなかなかやるわね!でも私には敵わないわ!!」


シャロルが剣捌きを加速させる。


「へっへっへっ!勝負はここからだぜ!!<高周波振動(ハイバイブレート)>!!」


高周波振動…俺が使ったことのある技だな。


「はあっ!!」


男が剣を一振りすると、シャロルの剣は真っ二つに切られていた。

シャロルちゃんはどんな風に戦うんでしょうか。

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