帰還
「俺がオススメする二つ目の場所はここだっ!!」
俺たちは濱口に案内され、秋葉原を満喫していた。
「おおおっ!!ここが二つ目の場所か!!」
「ここは…猫カフェでごわすかっ!!!」
濱口が指差した先には俗に言う猫カフェがあった。
「私猫カフェ初めて!!」
「猫カフェ…?猫が営業してるのかしら。」
どうやらシャロルは知らないようだ。
「んなわけねえだろ!!猫が居るカフェだ!!」
レオナルドが言う。
「猫が居る…?くだらないわね。もうちょっと他の店はないの?」
シャロルが濱口に言う。
「いやあ、猫カフェ経験してみようぜ!」
濱口がシャロルに答える。
「経験するまでもないわ!!たかが知れてるわよ!!」
シャロルが言う。猫カフェに行きたくないのだろうか。
「猫カフェに行きたくない理由でもあるのか?」
シャロルに聞く。
「べ、別にそんなのあるわけないでしょっ!!!」
シャロルが答える。
「なら行こうぜ。猫カフェ。」
濱口が言う。
「え…ええ。」
シャロルが諦める。
「いらっしゃいませー!」
「ニャー!」
俺たちが猫カフェに入ると店員の声とともに猫の鳴き声が聞こえてきた。
「すごーい!!本当に猫が居るよー!!」
葵が猫に近づいていく。
「シャロルはいいのか?」
シャロルに聞く。女子は猫とかの小動物が好きなイメージがあるんだが。
「ふんっ!くだらないわね!猫なんてただの脊椎動物程度にしか思えないわ。」
どうやらシャロルは特殊なようだ。
「すげぇ!猫だ!!」
「猫でごわす!!」
そう言いながらレオナルドとブライオスも猫に近づいていく。
猫のどこがすげぇんだろうか。
「ニャー!」
猫が一匹近寄って来た。
「おっシャロル、猫が…」
シャロルに話しかけながら隣を見ると、そこにはシャロルの姿がなかった。
「ん?」
後ろを見て見ると、俺の真後ろにシャロルが居た。
「ほら。猫だぞ。」
猫を抱き上げ、シャロルに近づける。
「ひぇっ!!だからなんなのよ!別に持ち上げなくてもいいじゃない!!」
シャロルが猫から少し遠ざかる。
「おお、そうか。」
俺はシャロルの足元に猫を置く。
「なんでこっちに置くのよ!!」
シャロルがすぐに再び俺の後ろにまわる。やはりそういうことか。
「お前猫が怖いのか?」
「そそそそんなわけないでしょっっっっっっっっ!!!!!!」
あー。これ図星だな。
「あのーお客様、席に着いて頂けますかね。」
店員がはしゃぐ俺たちに言う。
「あ、すみません。」
俺はすぐに謝り、5人を引き連れて席に着いた。
「いいね!猫カフェ!!」
席に着くと、すぐに葵が言った。どうやら気に入ったようだ。
「だろ?ここに居ると癒されるんだぜ!」
濱口が言う。
「いい場所知ったぜ!!」
「気に入ったでごわす!!」
レオナルドとブライオスも言う。どうやらシャロル以外全員猫が好きなようだ。
「じゃあまた秋葉原に来たときはここに来るか!」
「えっ…」
濱口言うと、シャロルがひるむ。
「まあこの店もいいとは思うが、次来るときはまた別の飲食店を案内してほしいな。」
濱口に言う。流石に猫が苦手な人にはキツいだろうからな。
「そうか。まあ水原がそう言うんだし、次はまた別のオススメの店を教えるぜ!!」
濱口が言う。
「お客様、ご注文は決まりましたか?」
店員が来た。
「あ、じゃあ私これで!!」
「じゃあ俺これで!」
「あ、濱口それ俺が頼もうとしてたやつだぞ!!」
「お前もそれにすればいいと思うんだが。」
「あ、そっか!じゃあ俺もこれ!」
「拙者はこれでごわす。」
「俺はこれで。」
「じゃあ私はこれね。」
俺たちはそれぞれ注文し、猫と触れ合いながら食事を済ませた。シャロルだけは猫と触れ合わなかったが。
「ふあー!美味しかったねー!」
「猫も可愛かったぜ!」
「だろ?俺のオススメの店だからな!」
「濱口氏、いい店知ってるでごわすな!」
俺たちは猫カフェから出て、再び濱口の後ろを歩いていた。
すると俺の服の袖が横から二回軽く引っ張られる。
「その…さっきはありがと。」
シャロルが俺に小声で言う。
さっき…?ああ、濱口がもう一回猫カフェに来ようとしているのを止めた時か。
「ん?お前猫嫌いじゃないって言わなかったか?」
からかうようにシャロルに返す。
「もう!!わかってるくせに!!ばかっ!!!!」
シャロルがそっぽを向く。
「お二人さーん!はぐれないようにちゃんと着いて来いよー!」
濱口が俺たちに言う。
「ほら、置いて行かれないように走るぞ!」
俺はシャロルを引き連れ、開いた濱口たちとの差を埋める。
「濱口氏、次はどこでごわすか?」
ブライオスが言う。
「ああ、次はなー…」
俺たちはそこから数件、濱口がオススメする場所をまわった。
秋葉原を満喫し、気がつくともう夕方になっていた。
「今日は楽しかったぜ!!」
「秋葉原を満喫できたでごわす!!」
レオナルドとブライオスが言う。
「俺もオススメ場所をしっかり紹介できてよかったぜ!!!」
濱口が言う。
「私も楽しかったー!!」
葵が言う。
「俺も楽しませてもらったぞ。」
今日はなかなかに楽しかったからな。
「シャロルはどうだ?」
シャロルに尋ねる。
「ふん、まあまあってとこね。」
シャロルがいつもの調子で返す。
「なあ水原。ここからどうやって帰るんだ?」
レオナルドが俺に聞く。
「それなら葵…」
「俺たち帰り道覚えてねえじゃん!!」
濱口が言う。いや別に入学したときと同じ道を辿れば学校に着くし、何より葵が居るんだが。
「拙者達帰れないでごわすか!?」
ブライオスが言う。
「そんな!!俺たちは一体どうすれば!!!」
レオナルドが言う。
「クソッ!!俺が早く気づいていれば!!」
濱口が壁に手をつく。
「いや、そもそも俺たちが秋葉原に行きたいなんて言いださなければ…」
レオナルドが歯を食いしばり、うつむく。
「拙者が止めなかったからでごわす…!!」
ブライオスもうつむく。
「えーっと、茶番してるとこ悪いんだが、帰るぞ。」
濱口達を引き連れ、人がいない裏路地に入る。
「水原、何言ってんだ…?」
濱口が言う。こいつまだ気づいてないのか。
「葵の瞬間移動で帰るんだよ。」
濱口達に言う。
「「「あ。」」」
三人がやっと気付いた。まったくこいつら相変わらずだな。
「<瞬間移動>!!!」
葵がそう唱えると、目の前が一瞬青白く光ったと思うと俺たちは体育館の裏にいた。
「ふぅ。かいとくんたちは腕輪どこに置いて来たの?」
瞬間移動を終えた葵が言う。
「ああ。それならしっかり男子寮の自分たちのベッドの中だぞ。」
男子寮の中ならずっとそこに俺たちが留まっていても別におかしくはないからな。
「やっぱそうなんだ!私たちも自分たちのベッドの中に置いて来たんだ!」
葵が言う。そこは葵もしっかりしているようだ。
「<物体移動>」
葵の手の上に二つの腕輪が現れた。まあ葵の能力なら腕輪のGPSが瞬間移動しても別に怪しまれないか。俺達の腕輪は念力でこっちまで運ぶか。
「<光線湾曲>」
「<念力>」
腕輪を上から見えないようにして地面すれすれを運べば腕輪が浮いているところは見つからないだろう。
「はい、シャロルちゃん腕出して。」
葵が腕輪を二つ持ち、言う。
「ええ。」
シャロルが腕を出す。
「<物体移動>」
葵がそう言った瞬間、葵とシャロルの腕には腕輪が装着されていた。
「よし、これで大丈夫だね!!」
葵が腕輪がしっかり装着されているのを確認し、言う。
「あなた達は腕輪どうするの?」
シャロルが俺たちに言う。
「あ!俺たちの腕輪男子寮まで取りに行かないといけねえじゃん!」
レオナルドが言う。
「大丈夫だ。その必要はない。」
俺がレオナルドに言った直後、俺たちの真上には4つの腕輪があった。
「やるじゃねえか水原!!」
濱口が言う。
「先程なにかを唱えていたのはこれだったでごわすか!!」
ブライオスが言う。
「よし、早速つけてくれ。」
俺は葵に腕輪を受け渡す。
「はーい!<物体移動>!」
俺たちの腕輪がそれぞれにしっかり装着された。
「空色氏、異能の扱いが上手くなったでごわすな!!」
ブライオスが言う。確かに腕輪の制御を少しでも誤れば俺たちの腕はただじゃ済まなかっただろうからな。
「いっぱい特訓してるからね!!」
確かに葵はかなり放課後の特訓を頑張っていたな。まあ特訓の後個別指導をしているシャロルには流石に及ばないが。
「よっしゃ!それじゃあ寮に戻ろうぜ!!」
レオナルドが言う。あまり体育館裏に長居すると怪しまれるかもしれないからな。
「そうだね!!じゃあ私が送るよ!」
葵が言う。
「ん?わざわざ見送りするのか?」
濱口が言う。
「いや、そうじゃなくて、私が男子寮まで瞬間移動させるってこと!<瞬間移動>!!」
再び目の前が青白く光ったと思うと、俺たちは男子寮の中にある俺たちの部屋にいた。
「そういうことか!ありがとな!」
濱口が葵に言う。
というかなんで葵とシャロルまでここに居るんだ。
「別に葵達までついてこなくてもよかったんじゃないか?」
葵に聞く。
「いやあ、ちゃんと送り届けられたか気になるじゃん?」
葵が言う。失敗する可能性があったのか。まったく恐ろしいな。
「別に私まで連れて来る必要はなかったんじゃないのかしら…」
シャロルが言う。
「ああ、また体育館裏に戻るのがめんどくさかったから!」
葵が言う。
「まあいいわ。帰りましょ。」
シャロルが少しだけ呆れた声で葵に言う。
「うん!じゃあね!<瞬間移動>!!」
直後、葵とシャロルが消えた。
「全く便利な異能だぜ…」
レオナルドが言う。電気を出せるお前も便利だとは思うんだが。
「最初っから空色氏に頼めばすぐ秋葉原に行けてたでごわすな。」
ブライオスが言う。俺もそれはすごくそう思った。
「まったく!!お前らみんな便利で強い異能をもってて羨ましいぜ!!」
濱口が言う。
「お前も一応Sランクだろ…」
濱口に返す。
「レート4だぜ!?!?本当にSランクなのかよっ!!」
濱口がすぐに答える。流石にもうレート4からだいぶ上がってると思うんだが。
「でも金属が溶かせられるくらいまで上達してるだろ。」
「まあなー。でもお前らと比べるとまだまだだぜ。」
濱口も特訓をかなり頑張っていたからな。強くなりたいのだろう。
「まあしっかり特訓で上達してるからかなり強くなれるだろ。」
濱口に言う。
「おい!よく考えたら何気にお前が一番強いじゃねえか!!」
レオナルドが言う。
「物理法則を操るだぞ!?!?どんだけ強いと思ってんだ!!」
続けて言う。
確かによく考えたら尋常じゃない能力だが、まあ神から直に授かった能力だからな。そう言うわけにもいかないが。
「まあ確かに俺の能力が強いのは認めるぞ。」
レオナルドに言う。
「というか逆に水原氏に勝てる人なんているでごわすか?」
ブライオスが言う。
確かに俺の能力は同じレートと戦っても圧倒的に有利だろう。だが、マルクが言っていた幹部なら…
「ある話によると俺よりも圧倒的にレートが高い人がいるようだ。そいつらならきっと俺に勝つだろうな。」
流石にレート1000超えと戦っては勝てない可能性が高いだろう。しかしきっといつかは戦うことになる。そのために俺自身もしっかり特訓しておかなければな。
「でもこの学校にそんな強い奴が本当にいるのか?」
濱口が言う。
「もしかすると、例の6人の中にいるんじゃないか?」
レオナルドが言う。確かにシャロルにあの赤い紙を仕掛けた本人が幹部の一員という可能性は十分にありえるな。
「強さが分からないようにレートを隠してるって可能性はあるでごわす!」
確かにその可能性は充分にありえる。となると異能大会はかなり厳しい戦いになるかもしれないな。また新しい技を編み出すか。シャロルと黒幕がマッチングしたときのためにもシャロルへの個別指導にもしっかり力を入れなければな。
「なあ水原、そいつにお前勝てるのか?」
濱口が問う。
「確かに今の状況では難しいかもしれないが、特訓で新しい技とかを作ればきっと勝てるようになるだろう。」
濱口に言う。
「拙者、水原氏が新しい技を編み出せるよう全力でサポートするでごわす!!」
「俺も!!」
ブライオスとレオナルドが言う。
「もちろん俺もサポートするぜ!!」
濱口が続く。いい友を持って良かった。
「ありがとな!明日からバリバリ特訓するぜ!!」
「おう!」
「おうよ!」
「ごわす!」
そして俺たちはいつも通り夕食へ向かった。
水原くん、どんな新技を編み出すのでしょうか。




