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屋上

「いやー今日は疲れたなあ!」


エナジードリンクを飲みながらレオナルドが言う。


「久しぶりに動いたでごわす!」


ブライオスが言う。


「あとちょっとで勝てたんだけどなー!」


濱口が言う。


「お前全然ちょっとじゃないだろ。」


濱口に言う。


「そうかな?そうだった気もするな!」


今日のことだろ。忘れるなよ。


「あ!!」


濱口が突然何かを閃いたかのように言う。


「明日って水曜日じゃん!!」


確かにそうだな。


「俺トラックを見かけたの水曜日なんだよ!」


濱口が言う。なるほど。確かに毎週トラックが出入りするんだったらトラックが明日いてもおかしくはないのだが…


「一体どこから見たんだ?トラックを見る術なんてないはずなのだが。」


駐車場から出たすぐのところにトラック用の出入りできる通路があったから濱口がトラックを見れるはずがないのだ。


「ああ、それなら屋上から落ちた時に見たぜ。」


なるほど。屋上からは見えなくてもそこから駐車場に落ちれば見えるのか。


ん?


「屋上から落ちた!?」


「なんで屋上から落ちたんだよ!!」


俺に続き、レオナルドが言う。


「意味がわからないでごわす!」


ブライオスが言う。


「気分転換に屋上に行ってたら異能を間違えて使っちゃって落ちちゃったんだぜ。」


ツッコみ所が多すぎるんだが、まあ濱口のことだしありえなくもないか。それが駐車場だとわからなかったというのも濱口らしいが。


「いやー今になって思うけどあれ駐車場だったんだな!!気付かなかったぜ!!」


もし気付いていたらあの1日は要らなかったんじゃないのだろうか。


「ところで、いつ見たんだ?」


「えーっとちょうど3限目の授業の辺りかなー。」


濱口が言う。3限目か。こいつ絶対サボったな。そういえば前に急に保健室に行くと言い出していたな。それか。


「お前サボったのかよ!!羨ましい!!」


レオナルドが言う。


「でも明日3限にどうやってトラック見るでごわすか?」


ブライオスが言う。


「サボって前見たならサボって行くしかないと思うぞ…」


ブライオスに返す。


「でもどうやってサボんだ?4人でサボった方が多分いいよな。」


濱口が言う。確かに4人でサボった方が得られる情報も多いだろうし、一人で行くよりも周りに警戒できるからな。ただどう4人でバレずに授業から抜けられるか。


「1限から抜けてた方がいいと思うでごわすが、欠席はさすがに全員同じ部屋だと怪しまれるでごわすよ。」


確かにそうだな。欠席は良くない。寮に来られたら終わるからな。


「でもいきなり朝から保健室とかも無理じゃないか?」


レオナルドが言う。いきなり朝から抜けたら確かにおかしいな。


「もう欠席も保健室もできないならいっその事身代わりに授業を受けさせればどうだ?」


濱口が言う。確かに抜けるのと休むのが無理な以上それくらいしか打てる手がないというのも事実だろう。


「でも身代わりなんてどうやるんだ?」


濱口に聞いてみる。おそらく策なんてないだろうが。


「今から考える!」


やはり考えてなかったか。


「異能でどうにかならないか?」


レオナルドが言う。ただいくら物理法則を操ったところで幻覚を全員に見せることもできないし、自分をコピーすることだってできない。


「俺の異能じゃ難しいな。」


レオナルドに言う。


「お前シリル先生と決闘しろよ!」


濱口が言う。いやいやそんな時間ないし先生はきっとかなり強いぞ。あの強さだったガイザー先生が副担任ということは、シリル先生の方が強い可能性だってある。


「それは無理だな。」


濱口に言う。


「それなら俺に任せとけ!!人形作りは得意だからな!!」


レオナルドが言う。それでも人力で人の人形を4人分作るとか無理があるぞ。そういう異能を持った人が知り合いにいるのだろうか。


「まあ任せろって言うなら任せればいいが…」


心配そうにレオナルドを見る。


「おう!任せとけ!!」


レオナルドが答える。そんなに自信があるなら大丈夫だな。






翌日。


「おはよう!」


「あら。おはよう。」


いつものようにシャロルと葵が出迎える。


「おはよう。」


いつものように俺は返事する。


「きゃああああああああ!!」


「生声ええええええっっっ!!!」


いつものように葵達のルームメイトが騒いでAクラスに戻る。なぜ戻るかは未だに分からない。


「おう!」


「おはよ!」


「お早うでごわす!」


いつものように濱口、レオナルド、ブライオスが返事する。


「なあシャロル。」


いつものようにシャロルに話しかける。


「何かしら。」


いつものようにシャロルが返事する。


「俺達4人、今日授業サボるから。」


いつものよう…あ、これいつもじゃないな。


「ええ…ええええ!?!?」


シャリルがいつ…もとは違う反応をする。


「大丈夫だ!!この人形に変わりに授業を受けさせる!!」


レオナルドが4つの人形を取り出した。その見た目はてるてる坊主にすこし装飾を施したようなもので、長さは40cm程度だった。


「いやお前それ絶対バレるだろ!!!!!!」


濱口が言う。激しく同意だ。


「いや、バレることに問題はないんだ!!努力して人形を手作りしてまでも授業をサボりたいっていう熱意が大切なんだ!!」


レオナルドが元気に答える。なるほど分からん。


「先生に熱意を感じさせて見逃してもらおうって作戦でごわすか…?」


ブライオスが聞く。


「ああそうだ!!」


レオナルドが答える。


「全然分からないわ…」


シャロルが言う。


「私も…」


葵が言う。


「俺もだ。」


二人に言う。


「いや!!どんなこともやってみないとわかんないぞ!!」


レオナルドが言う。


「でもそれ以外に結局作戦は思いつかなかったからそれをやるしかないな…」


諦めてレオナルドに言う。


「よっしゃ!!そうと決まれば人形を置いて調査だな!!」


レオナルドが言う。


そして俺達は自分達の席に明らかに人形な人形を置き、屋上へ向かった。


「屋上はどっちだ?濱口。」


濱口に聞く。


「こっちだ!!ついてこい!!」


濱口が答える。


「でも屋上って立ち入り禁止じゃなかったのか??」


レオナルドが言う。確かに立ち入り禁止だったような気がするな。


「その時はたまたま鍵が開いててな!」


濱口が言う。たまたま開いていたということはいつもしまっているのか。


「いつも締まってるなら鍵がないと入れないでごわすよ!」


ブライオスが言う。


「水原の異能なら開けれるだろ!!」


レオナルドが言う。ただそれは間違っているな。


「異能学園の鍵は特殊だから俺でも開けられないぞ。」


俺は教室の鍵がキーカードをかざすタイプだと知っている。そのタイプは俺の異能じゃ開けられないだろうし、おそらく神の力が使われているからどんな異能でも開けられないだろう。


「おいまじか!」


濱口が急停止する。それに従って俺たちも立ち止まる。


「じゃあ俺が鍵を取ってくるぜ!お前らは先に屋上の前に行っていてくれ!!」


レオナルドが言い、職員室の方に走って行く。


「レオナルド氏、大丈夫でごわすかなぁ…」


ブライオスが言う。


「まあバレたところでサボりも屋上の侵入もまだ未遂だし大丈夫だろう。」


未遂でもある程度は怒られるだろうがな。


「それより屋上への扉の前に行こうぜ!!」


濱口が言う。


俺達は屋上の前にある扉に向かった。


「ここが屋上の扉か。確かに教室と同じタイプの鍵がかかってるな。」


俺が言う。


「これは鍵でしか開けられなさそうでごわすな。」


ブライオスが言う。


「てかレオナルドのやつ、大丈夫なのか?」


濱口が言う。確かに心配だな。聞いてみるか。


「今からちょっと聞いてみるから静かにしててくれ。<感覚強化(アドバンスセンス)>」


聴覚の強化を集中的に行う。


「……し…す…」


もっと強化するんだ!俺!


「S…ラス…レオナ…ド……レク…ンドです…」


もう少しだ!!


「おう!レオナルドか!どうしたんだ?いきなり職員室なんかに来て。」


ガイザー先生の声がする。どうやらちょうどレオナルドが職員室に入ったようだ。


「先生!!濱口くんが屋上で飛び降りようとしてるんです!!」


ん!?!?


「なんだって!?それは本当なのか!?」


レオナルドとガイザー先生がなんかすごい会話をしている。


「はい!!どうやって屋上に入ったか分からないんですが!!そとから見えたんです!!飛び降りようとしている濱口が!!」


すごい迫真の演技なのだが、話してる内容がかなり危険だぞ。


「それは本当なの!?」


シリル先生も来た。


「だから親友の俺が説得しに行こうとしてるんですが屋上の鍵が締まってて!!!」


なるほど。そうやって鍵を手に入れるのか。手に入れられたとしても下手したら大事になるぞ。


「私たちも行くわ!!説得に!!」


シリル先生が言う。


「いや、下手に先生が行って刺激するのは危険です!!俺が行くべきです!!」


レオナルドが言う。


「そうか…確かに先生が行くのは逆効果になるかもしれないな…」


ガイザー先生が言う。


なんかうまい方向に進んでいるぞ。


「だから屋上の鍵を渡してください!!」


レオナルドが言う。


「そういう事なら渡すわ!!」


シリル先生が屋上の鍵を渡す。


どうやらうまくいったようだ。


「ありがとうございます!!頑張って説得して来ます!!」


レオナルドはそう言い残し、部屋から出た。


「…ど…だ…?水…?」


ん?誰の声だ?


「どうだ?水原?」


濱口が俺に小声で話していた。感覚強化を使っているのを忘れるくらい集中してたから聞こえなかった。


「ああ、無事職員室から屋上の鍵を手に入れたみたいだぞ。」


「まじか!!あいつやるな!!」


「レオナルド氏、やはりやる時はやるでごわすな。」


濱口とブライオスが言う。


「それにしてもあいつ、今日は誰よりも早く起きてたよな。」


濱口が言う。そういえば今日、レオナルドが目覚ましが鳴る前に起きてたな。あいつにしては奇跡みたいなもんだ。


「それで濱口氏、初めてレオナルド氏の電撃で起こされてたでごわすな!」


そういえばそうだったな。今日は初めてレオナルドが早起き勝負で勝った記念日だな。


「あいつの電撃食らうと水原の衝撃が優しく思えるぜ!!」


「それなら俺が毎日衝撃で起こしてやろうか?」


「いや、それはやめてくれ!!」


「なら自分で早く起きることだな。」


「おい!!お前ら!!」


横からレオナルドの声がする。


「鍵取って来たぞ!!」


レオナルドが言う。


「やるじゃねえか!!」


濱口が言う。


「今日のレオナルド氏、輝いてるでごわすよ!」


ブライオスが言う。今日はやけにレオナルドが張り切ってるな。


「よっしゃ!じゃあ屋上行こうぜ!!」


レオナルドが言う。そして俺たちは屋上に出た。


そこには2~3メートルくらいの緑色の網状の柵があり、一部分溶けきれてる場所があった。


「あ、あれ俺が前無意識にとかしちゃって落ちたやつだ。」


そう言いながら溶けきれている部分を指差す。


「よし、みんなあそこから飛び降りるぞ。」


俺が3人に言う。


「はぁ!?めっちゃ痛かったんだぞ!?」


濱口が言う。


「俺さすがに痛いのは嫌だぞ!!」


レオナルドが言う。


「拙者も無理でごわす!!」


ブライオスが言う。


「いや…俺の異能があるから落下の衝撃はないんだが…」


この人達は俺の異能を忘れているのだろうか。


「あ、そうじゃん。」


「そういえばそうだったな!!」


「そうでごわした!」


3人が気付く。


「でもここにもしシリル先生とかが立ち寄って誰もいなかったら怪しまれるんじゃないか?」


レオナルドが言う。


「ん?なんで誰もいなかったら怪しまれるんだ?逆じゃないのか?」


濱口が言う。そういえば濱口とブライオスは職員室での会話を知らないんだったな。


「いや、えっと、その…」


レオナルドの言葉が詰まる。


「ああ、それに関しては少し事情があってな。レオナルドと濱口は屋上に用があることにしてるんだ。」


俺がフォローする。


「お前の職員室での会話、俺は聞いてたぞ。」


レオナルドにだけ聞こえるように言う。


「まじか!!ありがと!!」


レオナルドも俺だけに聞こえるように言う。


「そっか。それなら仕方ないな!!じゃあ俺とレオナルドで屋上の見張りしてるぜ!」


濱口が言う。


「拙者達は下でトラックの見張りでごわすな!」


ブライオスが言う。


「そうだな。じゃ、早速降りるぞ!」


「ごわす!」


「<加速(アクセル)>!」


俺達二人は柵を飛び越え、そのまま落ちる。


「<停止(ストップ)>!!」


俺たちは地面に当たる直前に停止する。


「この遊びはよくやってるから慣れてるでごわすよ!」


そういえば上に跳ね上がって停止で止まるという前レオナルドが考案した遊びは休み時間にまだたまにやるからな。


「お、ちょうど駐車場に降りたみたいだぞ。」


目の前を見ると、そこには前見た駐車場があった。


「トラックの姿は…まだないでごわすな。」


「あとはもう茂みの中からトラックが来るのを待つしかないな。」


「茂みでごわすか…」


「ん?どうかしたのか?」


「拙者虫が苦手でごわすよ…」


虫が苦手だったのか。意外な一面もあるものだ。


「<衝撃(ショック)>」


ここら一帯の茂みにかなりの勢いの衝撃を下向きにかける。


「<加速(アクセル)>」


まあまあ強めの力で茂み上向きの加速をかける。すると軽い落ち葉や土、そして虫の死骸が宙に浮かんだ。


「<加速(アクセル)>!!」


すぐに浮き上がったものを遠くに飛ばす。


「これでおそらく虫はもうここらへんにはいないだろう。」


「すごいでごわすな!!助かったでごわす!!」


「念のため虫除けもしておくぞ。」


「<超重力加速(グレートグラビトン)>」


駐車場の周りを囲うように、超重力の壁を作った。虫が入ろうとした瞬間に潰れるという寸法だ。


「ありがとうでごわす!!」


ブライオスが言う。そして俺たちは改めて茂みの中に入った。正直言うと俺も虫は嫌いだからブライオスの気持ちはよく分かる。


「よし、あとは待つだけだ!」


そして俺たちは駐車場にトラックが来るのを待ち続けた。

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