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体力テスト-後編

「次は立ち幅跳びだな!!」


そう言うレオナルドに俺たちはついていき、俺たちは立ち幅跳びが行われる場所に着いた。ちなみに立ち幅跳びでは空中で速度を上げる行為は禁止だそうだ。


そして俺たちは高さと奥行きが無限ともいえるくらい広大に広がる部屋に出る。


「神の力ってすごいでごわすね。」


「一体どこまで続いているのかしら…」


「これで計測できるってわけか!!すげえな!!」


ブライオスとシャロルとレオナルドが言う。


「次こそ最下位は免れるからな!!」


濱口が言う。どうせ最下位だろう。


レオナルドがその空間と普通の空間との間に引かれている白い線の上に立つ。


「じゃ、早速俺から跳ぶぜ!!!!<瞬雷(フラッシュサンダー)>!!!!」


次の瞬間。レオナルドが凄まじい速度で跳んでいった。


「かなり跳んでったでごわすな…」


「すごい速度だったわね…」


少しして、レオナルドが元の場所に転移してくる。


「おっ!!元の場所に戻った!!」


レオナルドがそう言うと、機械の声がした。


ー記録:87.7メートルー


立ち幅跳びってなんだろう。


「次は俺だな!!次こそ勝つぞ!!」


一体今のどこに勝機があったのだろうか。


「うおおおおおっ!!!」


濱口が飛ぶ。


ー記録:3.6メートルー


ただの立ち幅跳びだったらかなり凄いんだろうが、異能ありなせいで相変わらずすごく感じないな。


「次は私の番ね。」


シャロルが前に出る。やはり今回もあの技を使うのか。


「<爆裂(エクスプロージョン)>!!!!!!!!!」


やはり使ったか。多分最後までこの技しか使わないな。


凄まじい爆音が鳴り響き、シャロルが飛んでいく。


「<望遠(ズーム)>」


かなり遠くに飛んでいったようだ。


ー記録:306.7メートルー


シャロルが元の場所に転移してくる。


立ち幅跳びが一番異常な記録が出ているかもしれないな。


「次は拙者でごわすな。」


ブライオスが白い線の上に立つ。


「<怪力(スーパーパワー)>!!!」


ブライオスは全身を使い、飛んでゆく。


ー記録:34.1メートルー


この記録もかなり異常なんだろうが、306メートルの後だとどうも異常に感じないな。


「次は俺だな。」


俺が前に行く。


「なあ!」


レオナルドに呼び止められる。


「せっかくだし水原の記録を予想しようぜ!!」


何を言い出すかと思ったらそんなことか。


「別に良いが、なんで俺なんだ?」


「お前の記録が一番予想できないからだよ!!」


レオナルドが言う。確かに俺の記録は我ながらぶっ飛んでいるからな。


「じゃあ俺は35万メートルだ!!今まで数十万って記録が多かったからな!!」


レオナルドが元気に言う。まあ確かにそのくらいの記録は多かったな。


「じゃ、私70万メートルね。」


シャロルが言う。


「拙者は28万メートルでごわす!!」


ブライオスが言う。


「俺は20万メートルにするぜ!!!」


濱口が言う。


「じゃあ私100万メートル!!」


葵が言う。


「案外みんな数十万メートル程度だと思っているんだな。まあ今までの記録もそのくらいだったがな。ただその考え方は足りないな。」


俺がみんなに言う。


「なんでそう思うんだ?俺はそんくらいだとおもうぜ!!」


レオナルドが答える。記録を予想するんだからしっかりと根拠を持って予想すべきだろう。


「まず俺は1500メートル走で0.00秒って記録だったな。つまり1500メートルを0.005秒未満で移動したことになる。仮に0.005秒で移動したとなると俺の速度は30万m/sになる。その速度で45°、最も物体が飛ぶ角度に俺が飛ぶとしたらどれくらい飛ぶか分かるか?斜方投射くらいは中学校で習っただろ。ちなみに俺は空気抵抗を無視できるからそこは考慮しなくて良い。重力加速度は9.8な。めんどい少数は出た瞬間に適当に切り捨てちゃっていいぞ。」


「え、えーっと…わかんねえ!!」


レオナルドが言う。


「わからないでごわす…」


ブライオスが言う。


後の3人はまだ考えているな。


「力じゃなくて速度が与えられているから質量は考慮しなくて良いんだぞ?」


適当に助言しておく。それから1分程が経過する。


「900億メートルだ!!」


濱口が言う。これは計算ミスしてるな。


「お前それ多分最高点に到達するまでの時間求めるときの公式を入れた時、最後にt=じゃなくて9.8t=のままで出してただろ。」


予想される計算ミスといえばそんなところか。


「ああああ!!まじかあああ!!」


相変わらず濱口は計算ミスが多いな。


それから30秒程経過する。


「45億9180万√3メートルだね!」


葵が言う。うーむ。それもまた惜しいな。


「お前それだと射出角度が30°だぞ。」


「え!?30°じゃないの!?」


「問題をしっかり聞いておけ。でもまあ30°だったら合ってたから凄いと思うが。」


しっかり問題を聞いていたら合っていただろうに。


それから20秒程経過する。


「それ、約91億8360万メートルよね。紙がないからかなり暗算辛かったわよ?」


シャロルが言う。凄いな。正解だ。


「正解だ!」


「やった…い、いや、当たり前よ、このくらい。」


一瞬シャロルが喜びかけたが、なぜ喜ばないんだろう。


「今の暗算で計算ミスをしなかったのは凄いぞ。」


「あ、当たり前よ!」


嬉しそうなのに表に出さないのは何か事情があるのだろうか。


「一応解説しておくと、まず斜方投射は縦軸と横軸に分けて考えられるんだ。そのとき、縦軸は鉛直投げ上げ、横軸は等速直線運動だと言える。まず縦軸についてだが、45°で分けた場合15万√2m/sの初速度になる。v=v0-gtの式に最高点、つまり速度が0になる点の状態を代入すれば、最高点の到達までにかかる時間が求められる。代入すると0=15万√2-9.8tだな。これを解くと少数点切り捨てでt=15306√2になる。つまり最高点に到達するまでに15306√2秒かかるんだ。恐ろしいよな。多分途中で機械に無理やり記録計測を終了させられるがな。次に横軸についてだが、15万√2m/sで等速直線運動をしていることになる。最高点に到達するまでに15306√2秒かかるから、最高点に到達した時には45億9180万メートル移動したことになる。空気抵抗を考慮しない斜方投射は放物線を描くから左右対象だ。つまり地面につくまでに91億8360万メートル移動する。1500メートル走が0.005秒だったら91億8360万メートルだぞ?俺はこれよりも速く移動できるんだ。お前らが予想した距離よりもはるかに遠いだろ?」


俺はみんなに言う。


「そんなガチで予想するやついるかよ!!!!」


レオナルドが言う。


「聞いてても全然分からなかったでごわす…」


ブライオスが言う。


「普通の人じゃそんなこと考えようともしないわよ!?ていうかなんでそんなに計算ができるわけ!?貴方たちより遅く解いた私でも前いた学校では余裕で学年一位でしたわよ!?」


シャロルが言う。概算くらいはだれでもすると思っていた。


「俺達がいた学校はちょっと特殊でな。」


シャロルに言う。


「これくらいはできないと水原にはついていけないぜ!」


濱口が言う。お前できてなかっただろ。


「私はいっつも問題文読み間違えるけどね!!!」


元気に葵が言う。正直問題文さえしっかり読んでれば俺とも良い勝負なはずなんだけどな。


「まあこんな計算をしても無駄なんだがな。」


俺がみんなに言う。


「確かにそんなガチで予想しても無駄だぜ!!もっと楽しくやるべきだからな!!」


レオナルドが言う。まあそれも一理あるが。


「いやそういうことじゃないぞ。さっきまで俺達、重力加速度が9.8メートル毎秒毎秒だという前提で計算してたよな?」


「あっ」


シャロルが気づく。


「俺、重力加速度操れるからさっきまでの計算意味ないんだ。」


「えええええええ!!!!!」


葵がせっかく計算したのにというような表情で言う。


そして俺は白い線の上に立つ。


「<身体強化(アドバンスパワー)>」


「<時間加速(タイムアクセル)>」


「<空気抵抗耐性(エアロレジスタンス)>」


「<軽量化(ウエイトセーブ)>」


「<超速加速(グレートアクセル)>」


「<跳躍(ジャンプ)>」


俺は凄まじい速度で跳ね上がる。


「<無重力(ゼログラビティ)>!」


俺は重力を打ち消す。これで地面に落ちることもなく、減速することもないが、この計測はいつ終わるのだろう。


30秒程度、俺はずっと飛んで行く。すると、俺はスタート地点に戻っていた。


ー記録:無限ー


なるほど。記録計測が永遠に終わらないことを機械が悟って強制的に終わらせたのか。


「無限ってなんだよ!!俺達の予想と計算を返せ!!」


レオナルドが言う。お前は計算してないだろ。


「相変わらず予想の遥か上を行くわね…」


シャロルが言う。


「じゃ、次は私の番だね!」


葵が前に出る。


「<瞬間移動(テレポート)>!!」


葵が消え、すぐに元の場所に戻ってくる。


ー記録:9195161.3メートルー


相変わらず恐ろしいな。限界距離は前のやつと同じなのか。


「こいつらといると感覚狂うぜ…」


濱口が言う。俺もそう思う。


「次はボール投げだな!!」


レオナルドが言う。ボール投げの場所は立ち幅跳びの場所のすぐ隣りで、壁が少し伸びている程度の区切りだった。


ボール投げの場所も立ち幅跳びと同じような空間だった。


「じゃ、早速投げるぜ!!」


レオナルドが言う。


「<瞬雷(フラッシュサンダー)>!!!」


ボールが飛んで行く。


ー記録:123メートルー


相変わらずの恐ろしさだ。


「今度こそ負けねえぞ!!」


濱口が言う。もう総合的な負けはとっくに確定してるんだがな。


「うおおおおおおっ!!」


濱口がボールを投げる。


ー記録:71メートルー


異能なしでこれはかなりすごいんじゃないのか?もう感覚が麻痺しているが。


「次は私ね!!」


シャロルが前に出る。どうせこれも爆裂でゴリ押しだろう。


「<爆裂(エクスプロージョン)>!!!!!!!!!!」


やはりそうだったか。


ー記録:781メートルー


きっとボールは焼け焦げているんだろうな。


「次は拙者でごわすな!!」


ブライオスが前に出る。


「<怪力(スーパーパワー)>!!」


「ごわすっ!!」


ブライオスがボールを投げる。ごわすっ!!ってなんだ。


ー記録:110メートルー


まさか2桁が濱口だけとは。


「次は俺だな。」


俺が前に出る。もう使う技はこの2つで十分か。


「<空気抵抗耐性(エアロレジスタンス)>」


「<無重力(ゼログラビティ)>」


俺はボールを軽く投げる。


スゥーッとボールが飛んで行く。それから20秒後。


ー記録:無限ー


やはりそうなるな。あのときわざわざあんな速度で跳んだ意味はなかったようだ。


「無限ってすごいね!!次は私だね!!」


葵が前に出る。


「やぁっ!!」


葵が思いっきりボールを振りかぶり、今度は普通に投げるのかと思った直後。


「<物体移動(アポート)>!!」


ボールが消えた。おそらくあの振りかぶりはボールに速度をつけて高めの場所に転移させ、少しでも前に進ませようという作戦だろう。


ー記録:9195166メートルー


立ち幅跳びより数メートル伸びたな。ほとんど変わってないように思えるが。


「これで全部終わりだね!!」


葵が言う。そういえばボール投げが最後だったな。


「濱口、ジュースおごりな!!」


レオナルドが言う。


「くっそー!!勝てると思ったんだけどなー!!」


濱口が言う。どうして勝てると思ったのだろうか。


俺たちは元の場所、体育館へ行く。


扉を開けると、そこには俺達以外の生徒、そして先生がいた。


「はーい、最後の班もちょうど終わったとこですし、授業を終了にしまーす!!ありがとうございましたー!!」


シリル先生が言う。どうやら俺らが最後だったようだ。






放課後、俺たちは娯楽施設の自動販売機の前にいた。飲み物はここでしか買えないからな。


「さ、濱口!俺これな!!」


レオナルドが言う。


「くっそー!エナジードリンクかよ!!!高い奴選びやがってー!!」


濱口が言いながら、ジュースを買う。


「じゃあ拙者はこれでごわす。」


ブライオスが言う。


「日本茶か!俺も好きだぜ!」


濱口が言う。これ、飲み物を買うと濱口の感想も一緒についてくるシステムなのか。


「じゃ、私はこれね。」


シャロルが言う。


「紅茶か!!さすがはお嬢様だな!!」


濱口が言う。やはりイギリス人は紅茶が好きな人が多いのか。


「紅茶が一番舌に会うのよね。」


「じゃ、俺も紅茶にしようかな。」


濱口に言う。シャロルが美味しそうに紅茶を飲んでいるのを見て、飲みたくなってしまった。


「ヒュー!!お揃いー!!仲良しさーん!」


飲み物が一緒だっただけだぞ。なぜ仲良しなんだ?まあいいか。


「ちょ、ちょっと!なんで同じの選ぶのよ!!」


シャロルが言う。


「いや、お前と同じのが飲みたくなってな。ダメだったか?」


「いや別にダメなんかじゃないわよ!!」


じゃあなぜ怒ったんだ?謎だな。イギリス人には独特な文化があるのだろうか。


「じゃー私も紅茶!!」


葵が濱口に言う。


「お前らまじ仲良しかよー!!」


「お揃いにしたくなっちゃった!」


葵が来る。俺たちが紅茶を飲んでるのを見て飲みたくなったのか。


「じゃ、俺はこれにしよ!」


濱口がスポーツドリンクを買う。確かに濱口が一番体力を使っただろうからな。


「それにしてもシャロル、お前全部爆裂使ってたよな?」


帰り道で言う。


「仕方ないでしょ!あれが一番便利だったんだから!!」


シャロルが言う。


「反復横跳びで爆裂を使ってあの記録を出せたのはすごかったぞ。俺でも多分できない。」


「そ、そんなの当たり前よ!!」


顔を赤くしながら言う。当たり前なのか。


「葵も瞬間移動をあそこまで早く連発できるとは思わなかったぞ。」


葵に言う。


「えへへ、毎日連続で使ってたらあの速さで使えるようになってたんだ!」


葵が言う。どんだけ連発していたんだ。


「それにしても水原、お前には色々驚かされたぜ!まさかあんなに異能が強いだけじゃなくて頭が良かったなんてな!!」


レオナルドが言う。


「いやいや、物理が得意なだけだよ。」


レオナルドに言う。


俺たちがそんなことを話しながら歩いてると、男子寮への分かれ道が見えてきた。


「じゃあな!」


「じゃーなー!」


「またな!」


「また明日でごわす!」


「じゃあね!」


「さようなら。」


俺たちは分かれ道で挨拶し、別れる。


そして部屋に戻り、また濱口達と話し始めた。

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