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2話 スライムとの出会い

教会を出るとイリトとソフィスが兵士に勧誘を受けていた。するとこちらへ気付いてソフィスが駆け寄ってきた。


「ランネルもこっち来て。 今兵士さんと話してるの!」


ソフィスについて行くと兵士が話しかけてきた。


「やあ、君。 ランネル君だっけ? 今2人のスキルを聞いたけど、とても良い物でね。 エリート候補生として2人を迎えたいと言ったら、できれば君も一緒が良いと言うものでね。 君のスキルが悪くなければ2人と同じ待遇で受け入れるけど、どうかな?」


2人のスキルは良い物だったらしい…なんで僕だけこんななんだろう…

気になるのでどんなスキルか聞いてみると。


「俺は<剣術>と<高速移動>と<身体能力向上>だぜ! すごいだろ」


イリトが自慢げに言う。するとソフィスも


「私は<光魔法><治癒魔法><魔力向上>の3つよ! ランネル君はどんなの?」


期待の眼差しに負け、答える。


「<テイム>と<情報共有>、<距離拡張>の3つ」


静寂が訪れた。

いや、分かってましたよ。こんなスキル自分でもどう反応すればいいのか分からない。

すると兵士が


「すまないが、君はさすがに雇えない。 一応戦えるスキルがないと雇えない決まりなんだ」

「いえ、分かってましたので」


再び静寂が訪れた。仕方ないので話を切り出す。


「2人は兵士になれるみたいで良かったね! 僕はとりあえずギルドに行ってみるよ」

「お、おう」

「う、うん」


微妙な空気になってしまった。そして僕は逃げるように冒険者ギルドへ向かう。



~*~*~*~*~*~*~*~



冒険者ギルドは、冒険者の補助のために作られた団体だ。

市民から冒険者への依頼の仲介や、冒険者が狩った魔物の素材の買い取りなどを行っている。

また、危険な魔物の出現時にギルドからの依頼が出ることもある。


冒険者ギルドへ入ると、そこは騒がしく、まるで酒場だった。壁には依頼の掲示板があり、腰に剣を下げた人が何人か掲示板とにらめっこしている。

僕は奥の受付に冒険者登録をしに行く。


「すみません。 冒険者登録をしたいのですが」

「はい、ではこちらに必要事項を記入してください」


名前:ランネル

年齢:10歳

性別;男

スキル:

<テイム>

<情報共有>

<距離拡張>


「書きました」

「では、念のため鑑定石に手を置いてください。 記入内容が本物か確認します」


石に手を置くと受付のお姉さんは頷き、待つように言って奥へ行った。


「はい、こちらが鉄級冒険者プレートとなります」


受け取ると、そこにはさっき紙に書いた情報が載っていた。


「冒険者プレートの情報は本人の意思で消したりすることも可能です。 ですが門番などに見せるときはちゃんと情報を表示してくださいね」


プレートを首に掛けるとお姉さんが話を続けてきた。


「では重要事項を説明しますね。 今ランネルさんは鉄級なのでクエストは鉄級のみ受けられます。 クエストは鉄、銅、銀、金、ミスリルがあります。 受けれるクエストを受けてポイントをためると昇格試験に参加できます。 試験に合格すれば晴れてランクアップとなります。 ただし、クエスト中の事故などには一切責任を負いませんのでご了承ください。 一応なにも武器がない場合、剣の貸し出しのみ行っております」


つまり剣は貸すから死んでも文句は言わせないと言う事だろう。とりあえず受けてみよう。


「では今受けられるクエストなにかありますか?」

「今鉄級のものになると常時依頼の薬草採取やスライム討伐、ゴブリン討伐などがあります。 採取依頼は採取品を、スライムはコアを、ゴブリンは耳を持ってきてください。 これはクエストを受けなくても品を持ってくればいいですよ」

「わかりました、それ行って来ます」


そう言ってギルドを出て行く。




~*~*~*~*~*~*~*~




やってきました、はじまりの森。

初心者がまず来る場所として有名な森。出てくるのはスライムとゴブリンのみ。いかにも初心者向けだ。とりあえず進んでみよう。


しばらく進むと青いスライムが現れた。

剣を握り、スライムに向けて構えるが…かわいい。

そう、かわいいのだ。

初めてスライムを見たが…かわいい!

あの滑らかなフォルム、流線的なデザイン、とんがった頭…かわいい。


倒したくない…そして悩んでると、ひらめいた!テイムがあるじゃないか。


早速試してみる。


「テイム!」


…なにも起こらない。

そうだ朝ごはんのパンをまだ食べてなかった。与えてみよう。パンをちぎってスライムに投げる。するとパンの上に乗っかり揺れている。かわいい。


「テイム!」


なにかスライムと繋がった気がする。


「おーい、スライム君? 聞こえるかい?」


反応は無い、そーっと近付いてみる。だが反応は無い。そーっと触ると・・・ぷるるん!やわらかい…。うーん、僕を敵とは思ってないみたいだが…。そもそも言葉分からないのか。じゃあ情報共有をしたらどうなんだろう?スライムにさわり、スキルを使う。


「情報共有!」


うお!なんか伝わってくる!なんだろう。これは…スライム?あったかい。僕の気持ちも伝わってるのかな?


ぷるぷるん


今スライムが揺れた気がした。肯定してくれたのだろうか?


「君は仲間になってくれるのかい?」


ぷるるん


また揺れた。やっぱり肯定してくれてるみたいだ。スライムを抱っこしてみると、スライムのあったかい気持ちが大きくなった。その後突っ突いたり、なでたりいろいろ遊んだ。


そんなことをしてるとスライムの気持ちが突然変わった。何かを警戒してるようだ。僕もスライムを地面に戻し、剣を抜いて警戒する。すると、ゴブリンが現れた。


「グギャァ!グギャァ!」


ゴブリン3匹が襲い掛かってくる。

ゴブリンといえば雑魚だ。一般人でも1~2匹くらい倒せる。しかし今僕は戦闘スキルの無い子供、一般人以下だ1匹なら倒せるが3匹はきつい。


そんなことを考えていると、ゴブリンが1匹走ってきた。

棍棒を振り上げ襲い掛かってくる。

すると間にスライムが割り込んでくる!


「スライムーーーーー!」


ぼよーーん。


そんな効果音が聞こえそうなくらい棍棒がスライムにめり込み…どんどんめり込み、抜けなくなる。


通常、スライムは反撃しかせず、攻撃を受けるまで動かないか、逃げるかしかしない。そのため、動かないスライムを一突きでコアを破壊すれば倒せる。動かないところを倒すだけなので最弱と言われている。

でも、今スライム自分から飛び込んだ。これは僕を守るためにしてくれたのだろうか?


「スライム…大丈夫なのか?」


そんな心配はよそに、スライムはどんどん棍棒を取り込み、そのままゴブリン本体も覆って行く。


「グギギギギギャーーー」


ものすごい悲鳴を上げる仲間を見て、他のゴブリンもさすがにびびってる。

その隙に僕が後ろから一匹の近付き首をはねる。それに気付いてもう1匹が振り返るが、もう遅い。そのまま、そいつの首もはねる。


そしてスライムのほうを見てみると、ゴブリンは干からびていた…。


「よくやったぞースライム!」


すると伝わったのかこっちに走って?くる。

・・・あれ?スライムでかくなってね?まあ、いいか。ゴブリンの耳を切り取り、スライムを抱っこして街へ戻る。




2月9日:冒険者ギルドと、スライムとゴブリンの戦闘の説明を追加


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