19話 ロックウルフとミスリルスライム
今目の前には5匹ロックウルフ、後ろには採掘中の人間。
まあ、ロックウルフ程度マルルなら倒せると思うが、問題は騒ぎを起こして人間に見付かることだ。
1匹のロックウルフが近付いてくる。
見た目は岩でゴツゴツしているが、狼の魔物の一種だ。匂いを嗅がれるとばれる可能性が高い。
『マルル、どうにかならないか?』
『とりあえずメタルスライムで外を固める?』
『そうしてくれ』
マルルが外側をメタルスライムでコーティングする。
ロックウルフはこちらを警戒し、ゆっくり近付いてくる。そーっと、そーっと近付き、匂いを嗅いできた。
『マルル、メタルスライムで固めてるから大丈夫だよな?』
『わからない』
ロックウルフは匂いを嗅ぐと…そのままゆっくり後退りしている。
『マルルなにかしたのか?』
『なにもしてない』
ロックウルフは他の4匹になにか指示を出し、そのまま立ち去る。
『よく分からないが、なんとかなったな』
『うん』
でも、あっちの方は…。
「ロックウルフが出たぞ! 全員逃げろ!」
男たちが逃げて行く。
まあ、その方が行動しやすいからいいけど…。
『マルル、人間が居なくなったから、バラバラになってしらみ潰しに探そう』
『わかった』
マルルがそう言うと、体が半径8センチほどの球体になった。それが約1000個。一斉に洞窟内を転がり、片っ端から捜索する。
たまにロックウルフを見かけるが、なぜか無視してくれる。
そして、どんどん転がり続ける。
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約2時間後、1匹のミスリルスライムを見つけた。
色はメタルスライムと似ているが、光沢が明らかに違う。
『マルル、餌あげてくれ』
『わかった』
マルルが球体の中からパンのかけらを取り出す。数日前のだけど、スライムだし大丈夫だよな…。
ミスリルスライムはパンのかけらに乗っかり、そのまま揺れる。
だが、逃げ出してしまった。パンのかけらは食べていなかった。
『ミスリルスライムってパン食べないのかな?』
『わからない』
『とりあえず、あのスライムを追おう』
ミスリルスライムを球体の半分、約500個を動員して追う。
ずっと追ってると、行き止まりに着いた。そこには…大量のミスリルスライムが居た。
そしてよく見ると、洞窟の壁を食べている。
『もしかして、ミスリルスライムは石を食べるのか?』
『そうかもしれない』
『よし、一回人型になって壁を掘ろう』
球体が集まり、人型(大人サイズ)2人になる。手にはメタルスライム製のツルハシを持っている。
ミスリルスライムはこっちを見て一斉に動きを止めた。やはり人間が現われたと思って警戒してるのだろう。
僕たちは壁を掘り、石を集める。ミスリルスライムは微動だにせず、こちらを見ている。
「おーい、これ食べていいぞ」
そう言って石をミスリルスライムの前に置いてみる。ミスリルスライムが一斉に石から離れる。
そのあと、しばらくすると、一匹のスライムが恐る恐る石に近付き、上に乗っかる。
ゆらゆら。
ミスリルスライムが石を食べているようだ。
「テイム!」
なにも起こらない。
あ、この体はマルルだからテイムのスキルは無いんだった。
改めて部屋にある体で遠隔テイムをする。
「テイム!」
するとミスリルスライムが仲間になった気がした。
『マルル、合体してみてくれ』
『わかった』
マルルがミスリルスライムに触れて、合体する。どうやら成功したみたいだ。
『よし、このまま石を掘って合体していこう』
『うん!』
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約1時間後、57匹のミスリルスライムを仲間にした。
『全部仲間にしたし、そろそろ帰ろうか』
『わかった』
来た道を戻ってると、たまにロックウルフを見かけるが、やはり無視してくれる。スライムなんて興味ないのか、それとも他の理由があるのか。
攻撃してこないのは嬉しいが、少し不思議だ。
道を戻っていると、男たちがまた採掘していた。
『またトンネルで行こう』
『うん』
マルルが壁に張り付き、トンネル状になり、中をするすると移動して行く。
入り口までたどり着き、外に出る。太陽が気持ちいい。
そのまま人間に見付からないように、鉱山から離れる。
すると、付近の岩陰からロックウルフが出てきた。
だが、今度は普通に襲ってくる。いきなりマルルに噛み付いた。
『マルル、大丈夫か?』
しかし、よく見ると噛み付いたのはミスリルのスライムで、ロックウルフの歯が折れている。
洞窟の中で襲われなかった意味がわかった気がする。中に居たやつらはミスリルスライムの硬さを知ってたのだろう。だからスライムを見ても無視したのかもしれない。
『大丈夫、なんともない』
『逆にロックウルフの歯が折れてたな…』
ミスリルスライムの硬さが証明されたし、ロックウルフの犠牲は無駄ではなかった。
ロックウルフ、お前のことは忘れない。
鉱山から十分はなれたところで、人型に戻って話す。
「これでメタルスライムより丈夫な骨格が作れるな。 これならドラゴンの骨格にしても大丈夫なんじゃないか?」
「やってみないとわからない。 それに、今の量だと足りない」
たしかにドラゴンの骨格を作るには到底足りないだろう。
「メタルスライムみたいにミスリルの部分に魔物を食べさせたら増えるよね?」
「うん、増えるよ」
「じゃあ、今居る場所のスライム100匹とミスリルスライム52匹で狩をして、妖精の滝から向かってきてるスライムが合流したらそれも一緒に狩りをしよう。 あと東都の南で狩してるスライムのところにミスリルスライム5匹送ろう。 5匹送るのにどれくらい時間かかる?」
「5匹くらいだったら飛行魔法使えるから、2時間で着く」
「そんなに速いのか。 じゃあ飛行魔法で送ってくれ」
すると、5匹のミスリルマルルが槍状になり、目にも止まらない速さで飛んでいく。
あの勢いだと鋼鉄の壁でも突き破りそうだ。ミスリルだし。
「よし、それじゃあ部屋に戻ろうか」
「わかった」
僕たちは部屋に戻る。(元から居るが)
今、次の話ができてないので、明日に間に合うかわかりません。
なんとか間に合う様にがんばりますが、間に合わなかったらごめんなさい。




