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14話 試験とマルルの再鑑定

「それでは試合開始」


その声を合図に僕たちは動き出す。


『マルル、右から回ってゴーレムの後ろとってくれ。 その後、隙をついてゴーレムに張り付いて関節を固めるんだ』

『わかった』


僕は左、マルルは右からゴーレムに向かう。

するとゴーレムはスライムを無視して、僕を狙い始めた。


するとギルドマスターのガルドが叫ぶ。


「言い忘れていたが、そのゴーレムはただのゴーレムじゃねぇ! 俺が事前に行動をプログラムした! ちゃんと戦術を知ってるゴーレムだ!」


まさか、ゴーレムにそんなことが出来るとはさすがギルドマスターだ。


ゴーレムは僕を狙って、大振りの左フック。

僕はそれを後ろに下がって避ける。

それを見たゴーレムは、そのまま僕に突進する。

突進を剣でガードするが、耐え切れず後ろに吹き飛び、地に伏せる。

そこを見逃さず、ゴーレムは僕の目の前に立ち、両手を振り上げる。


だが、マルルはすでに準備ができている。


マルルがゴーレムに飛びつき両肩の関節をメタルスライムで固める。

ゴーレムが動けなくなった隙に、僕は立ち上がり、ゴーレムの足を切りつける。

ゴーレムの足は太いため、半分しか剣が通らない。

ゴーレムは剣が足に食い込んだままだが、後ろへ飛ぶ。

剣を離してしまった僕は、ゴーレムを追いかけた。


それが間違いだった。

腕が動かなくなったゴーレムは、追いかける僕を蹴り上げた。

まともにゴーレムの蹴りを受けて僕は吹き飛び、数秒後地面に叩きつけられた。


「おい! ランネル! 続行不能と判断したら試験を止めるぞ!」


ギルドマスターからすれば、鉄級の冒険者が銅級になっても、ならなくても、小さな問題に過ぎないのだろう。


『マルル、ゴーレムから剣を取ってくれ』


今の僕にはマルルが居る。ソフィスも見ている。こんなゴーレムで負けてるようではソフィスやイリトに追いつくのは一生出来ない。

だから絶対勝つ。


マルルがゴーレムから剣を引き抜き、僕に投げてくる。

僕はそれを受け取りゴーレムに向かって走る。

多分足首が折れてる。左腕も折れてる。肋骨も数本折れてる。

でもそんなのは関係ない。


『マルル! 足の関節を固定して、方足の裏を地面にくっつけて」


マルルがするするとゴーレムの体を下に移動する。

腕が開放されたゴーレムが僕を狙って腕を振る。

僕はそれを右に避け、ゴーレムの後ろに回りこむ。

避けられたゴーレムは慌てて後ろに振り向こうとする。


だが、すでに足はマルルによって地面に貼り付き、関節は固定されている。


振り向こうとしたゴーレムは固まった足に気付いたが、何も出来ずに大きな音を立てながら倒れる。


『今だマルル! 全身を地面に貼り付けて!』


マルルがゴーレムの下に、にゅ~っと流れ込み動きを止める。

僕はゴーレムの背中に乗り、剣を背中に突き立てる。

だが、ゴーレムはコアを壊さなければ意味が無い。

突き立てた剣をずらし、裂け目を広げる。


『限界! 地面が崩れてきてる!』


まずい、急がないとゴーレムが復活する。

必死に剣を動かし、少しずつ広げるが、やはり遅い。


『マルル、剣を動かすの手伝ってくれ』

『手伝ったら崩れるの早くなるよ!』

『それでもいい。 どうせこのままだと間に合わない』


マルルが上下左右からゴムのように伸び、剣に絡みつく。

急に剣が動きやすくなった。

ゴーレムの背を切り刻み、コアを探していく。


カツン。


コアを見つけた。赤い結晶のような石が体内にある。

そのコアをゴーレムの体内から取り出す。


『ゴーレム完全に動かなくなった』


マルルが言ってくる。どうやら勝ったようだ。


「試合終了! よくやったぞ!」


ギルドマスターが叫ぶと、ソフィスがなにか確認を取って、こちらに駆け寄ってくる。


「ランネル君大丈夫? 治癒魔法使うから横になって」


ソフィスの魔法を受けると、痛みが消えていく。


「ありがとうソフィス」

「そんなことより、こんな無茶しないでよ! 心配したんだから」


そう言って、ソフィスは涙目になりながら睨んでくる。

たしかに今回すこし無茶したかもしれない。今回の作戦は少しでも狂ったら危なかった。


「でも、ここで合格できなかったら、僕はソフィスに追いつけないから…」

「お前、こんな事しなくても十分合格だったんだぞ」


ギルドマスターがやってきてそう言った。


「どういうことですか?」

「スライムとの連携でゴーレムの腕の固定して、足を切りつける。 この時点で合格だ。 言っただろ?あのゴーレムは特別製だ。 普通のゴーレムは2メートルほどだ。 それに戦略を叩き込んでる。 銀級でも倒せるか怪しい。 それにお前はコアを砕かずに取り出したんだからな」

「じゃあ、声をかけてくれた時点で合格だったんです?」

「そうだ、俺は合格したから止めるつもりだったが、お前が続けるからほっといたんだ」


よく考えたら、僕にはマルルが居たから倒せたが、普通の冒険者で倒せるとは思えない。


「それにしても、お前のスライムとの連携は見事だったぞ。 初めは、スライム連れて来るなんて言ってるから完全にバカにしてたが、実際見てみたらスライムと組む有用性ってのがわかった。 サポートとしてスライムはかなり使える。 バカにして悪かったな」

「マルルちゃんは頭いいもんね~」


気付いたら横でソフィスがマルルの頭を撫でていた。


「まあ、試験を合格したし、早速銅級に昇格だ。 新しい冒険者プレートを作るからついて来い」


そう言うので、僕たちはギルドマスターについて行った。




~*~*~*~*~*~*~*~*~




僕たちは個室に連れて行かれた。


「よし、とりあえず1回本人確認だ。 この鑑定石を触れ」


そう言うので鑑定石に触る。


名前:ランネル

年齢:10歳

性別;男

スキル:

<テイム>

<情報共有>

<距離拡張>


前と同じ結果が表示された。


「問題ないな。 プレートを作るから、ちょっと待っててくれ」

「あの、鑑定石使っててもいいですか?」

「かまわないが、壊すなよ?」

「はい。 できれば複写用紙もあると嬉しいのですが…」

「ちょっと待ってろ」


そう言って部屋を出た。するとソフィスが


「マルルちゃんの鑑定するつもり?」

「うん、あんまり人前では鑑定したくないから、個室で鑑定したいなって思って」


そう言ってるとギルドマスターが戻ってきた。


「持ってきたぞ。 いつもなら金を取るが、今回は昇格祝いでタダでやる」

「ありがとうございます」

「あいよ、それじゃあ俺はプレート作ってくる」


部屋を出たのを確認して、複写用紙の上に鑑定石を置く。


「マルルこの石に触ってくれ」

『わかった』


そしてマルルの鑑定結果が表示された。


種族名:スライム

名前:マルル


スキル

【スライムスキル】

<合体><分裂><変形><変質> <硬化>

【否魔力使用スキル】

<意思伝達><情報共有><距離拡張> <魔力共有><感覚共有><行動伝達><暗視><大気魔力吸収>

【魔力使用スキル】

<思考加速><高速移動><能力共有><魔力撃>

【武技】

<剣術><槍術><斧術><盾術><弓術><双剣術> <格闘術><鞭術>

【魔法】

<火魔法><水魔法><風魔法><土魔法><光魔法><治癒魔法> <闇魔法><障壁魔法><催眠魔法><飛行魔法>

【強化】

<身体能力強化><魔力強化> <身体能力向上><魔力向上><高速思考><予知><気配察知><魔力感知><再生><記憶力>

【生産】

<調合>

【特殊】

<魔法の才能><演算の才能>



思ったよりは増えていないが、このスキルの数は異常だ。隣でソフィスが固まってるのが証拠だ。


「ソフィス? 大丈夫か?」

「マルルちゃん本当にスキルいっぱいあるのね」


ソフィスのマルルを撫でる手が若干震えてる。


スキルを見ていると、ギルドマスターが戻ってきたので、慌てて紙をしまう。


「プレートできたぞ。 これで今日からお前は銅級冒険者だ」

「ありがとうございます」


僕たちはギルドマスターにお礼を言って、部屋を出る。


「これからマルルのスキル調べるけど、ソフィスも来るか?」

「もちろん!」


という事で、僕たちは宿の部屋へ戻る。

スキルは見やすくするために少し変えました。

空白の後が新スキルです。


それとちゃんとした戦闘は初めてなので、分かり辛かったらすみません



祝!総合評価1000突破!


しょぼいとか言わないでください…自分はこれでも嬉しいのです!

これからもブクマや評価もらえると嬉しいです!


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