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12話 色々な本とマルルの才能

マルルとソフィスが光の魔道書を読み始めたため、僕は1人で本を探している。


動物・魔物のコーナーで探してると、目的の本を見つけた。

”動物魔物の骨格図鑑”

これがあればマルルの馬も負担無く動かせるはずだ。


その後、ふらふらと歩いてると、色んな本が見える。

”魔物図鑑”や”ドラゴン大全”、中には”伝説の魔物大集合!”なんてものも。

しばらく歩くと、動物・魔物コーナーが終わり、スキルコーナーに来ていた。


マルル用にスキルの本買ってもいいかもな。最近鑑定してないけど、かなり増えてるはずだ。なんせ、30匹の時点で21のスキルがあった。今は1200だから、数百あってもおかしくないかもしれない。

スキルコーナーで本を探してると店員さんが居たので、いい本が無いか聞いてみることにした。


「スキルの一覧のようなものが載ってる本はありませんか?」

「はい、こちらの本はいかがでしょうか。 ”種類別・スキル効果一覧”と言う本です。 否魔力使用スキル系、魔力使用スキル系、武技系、魔法系、強化系、生産系、特殊系の6つに分けてスキルを1つずつ解説しています。 中には詳細不明やうわさのみのスキルもありますが、そのようなスキルの場合ちゃんと表記してるので安心です」


なかなか悪くなさそうだ。後は値段だな。


「値段はおいくらですか?」

「銀貨5枚です。 スキルの本は人気なので少しお高くなっています」


確かに高いが、マルルのスキルのためなら買ってもいいだろう。


その後、2冊の本を買い、2人の下へ戻る。 




~*~*~*~*~*~*~*~*~*~




戻ると、ソフィスがマルルの話を真剣に聞いていた。気になるのでソフィスに聞いてみた。


「ソフィスどうしたの?」

「ランネル君! マルルちゃん天才だよ!」


まあ、マルルが天才なのはうすうす気付いてるが、今度はなにをやったんだろう。


「落ち着けって。 マルルがなにかしたのか?」

「マルルちゃんさっきから魔法式を見ただけで、魔法をどんどん改造してるの!」


魔法は詳しくないが、明らかにすごい事なのは分かる。


「普通魔法の開発とか改造するには<魔法の才能>ってスキルが必要なんだよ! マルルちゃんそれ持ってるの?」


なるほど、スキルならいつの間にか増えててもおかしくない。


「ねえ? 聞いてる? マルルちゃん絶対普通のスライムじゃないでしょ! もしかしてなにか隠してない?」

「そんなことないよ。 マルルは確かに頭良いけどね」


あぶない…ソフィスが怪しんでるみたいだ。


「なにか隠してるよね?」

「そんなことないよ」

「ウソついてる顔してるもん」

「気のせいでしょ」

「いや、絶対なにか隠してる」


完全に疑われてる…すごい睨んでくる。


「わかったよ、言うけど絶対秘密にしてね」


ついに折れてしまった…。今までソフィスに隠し事できたことないもんな…。


「うん!約束する!」

「イリトにも秘密だからね。 マルルの能力はちょっと危険なんだ」

「まあ、そこまで言うなら秘密にするけど…そんなに危険なの?」

「聞けばわかるよ」


そして、マルルの能力を説明する。


「マルルの能力は合体って言って、他のスライムと合体できるんだ」

「それはただ大きいスライムが出来るだけじゃないの?」

「スライムは全部何かしらのスキルを持ってるんだ」


そこまで言うと、なにかに気付いたのか、急に表情が真剣になった。


「合体するとスキルはどうなるの?」

「合体したスライムのスキルは全部マルルのものになる。 今は居ないけど、マルルは大量のスライムと合体してるんだ。 合体したあと、分裂も出来るから今はこの大きさだけどね」

「じゃあ、今マルルちゃんは何個スキル持ってるの?」

「前回鑑定した時は21個。 大量のスライムと合体したのはそのあとだから、今は100個を超えていてもおかしくない」


すると、ソフィスが驚き、少し考えてる。


「もしかして、この間のスライムの大移動って、マルルちゃん?」

「うん、そうだよ」


そしてソフィスが呆れたように言う。


「だれも襲わなくてよかったわね。 マルルちゃん相手だったら皆殺しになってもおかしくないよね」

「いや、それは大丈夫。 マルルには襲われても逃げるように言ってあるから」

「そうなの? でもマルルちゃんが言うこと聞かなかったら?」


そんなことを話してると、突然マルルが話しに入ってくる。


「マルルはご主人様の言うことはちゃんと守るもん!」


そう言ったマルルを見て、ソフィスは言う。


「ランネル君がいる限り大丈夫みたいね。 マルルちゃんのことちゃんと見ててよ?」

「わかってるよ」


その返事にソフィスは満足したようだ。


「ところでマルル、骨格の本買ってきたけど、見てくれないか?」

「わかった」


そう言ってマルルは本を軽くさらさらと読んでると、あるページで止まった。


「それは…ドラゴンか?」

「うん。 ドラゴンかっこいい」


どうやらマルルはドラゴンが気に入ったようだ。するとソフィスが


「私がドラゴンの本買ってあげようか? 光魔法教えてもらう約束のお礼もしたいし」

「いいの? ドラゴンの本買って!」


ソフィスが本を買ってくれるようだが、光魔法を教えるって、そんな約束してたのか…。


「魔法教える約束するのはいいけど、いつ教えるんだ?」

「みんなが先輩に教えてもらう時間があるから、その時間に教えてもらいに行くわよ」

「そんな時間あるのか。 でも、僕たちの都合考えたか?」

「どうせ、はじまりの森は入れなくなって、暇なんでしょ?」

「そんなことないよ。 銅級になったら受けられるクエストも増えるし、やることはあるよ。 それに、教えてくれてる先生はマルルだって言ったら、マルルが光魔法使えることもばれるでしょ?」


そう言うと、ソフィスがジーーっと見つめてくる。


「…」

「ジーーーー」

「口で言うな」

「なんとかして」



その後、ソフィスが休みの日に、僕たちは仕事を入れないで、マルルがソフィスに魔法を教えることになった。

そしてマルルはソフィスに”ドラゴン大全”を買ってもらい、僕は明日の待ち合わせをして別れた。




~*~*~*~*~*~*~*~*~*~




宿に戻り、マルルは新しい本を読み、僕はスライム大全の続きを読む。

いろんなスライムを探してると、いくつか面白そうなスライムをまた見つけた。



バリアスライム

東都リンドの北の”帰れずの洞窟”で確認された。防御系魔法を使うスライムだが、防御系魔法が平面ではないため、障壁魔法ではなく、結界魔法の可能性がある。一説には、臆病で鉱物を吸収できなかったスライムが、身を守るために結界魔法を覚えたのではないかと言われてる。


バイブレートスライム

東都リンドの南部で発見されたスライム。常に震えているスライムで、戦闘態勢になると、小さな地震が起きるほど激しく震える。近くにいる時に大声で叫ぶと震えるのでかなり見つけやすい。


グラビティスライム

南都ハールワスの西部で確認された。スライムの周囲の重力が増していて、近くにいると体が重くなるので、場所は分かりやすい。たかがスライムと思って近付くと、間近で急激に重力が増し、動けなくなって捕食されることもあるので危険である。


ライトニングスライム

電磁魔法を覚えたスライム。あまりにも高速移動をするため、常人では見ることも出来ない。金級冒険者以上の人がたまに目撃する。銀級以下は目撃しても気付かないと思われる。最後に確認されたのは西都から北都に向かう姿が目撃された時である。



スライムは弱いと思われてるけど、珍しいスライムの中には強そうなやつ多いな。


「マルル、遠くに行ってるマルルは今どこだ?」

「北に行ってるのは、明後日には鉱山に着くと思う。 南は明日の昼には南都に着く。 西は明日の朝には妖精の滝に着くと思う。 東に向かってる馬車は目的地ないから、とりあえず東都に向かってる。 こっちも明日の夜に着くかな?」


普通はどこも1週間はかかるんだが…マルルの速度はやはり普通じゃなかった。まあ、人が居たら速度落としてるらしいから問題ないけど。


「東に向かってる馬車は、東都の北にある帰れずの洞窟と、南の方に別れて、バリアスライムとバイブレートスライム探してきてくれ。 南は南都周辺でデビルスライムを見つけて合体したら、そこから西に向かって、グラビティスライム探してくれ。 西はフェアリースライム見つけたら北都に向かってくれ。 ライトニングスライムが居るかもしれない」

「わかった!」


その後、明日の試験に向けて眠りについた。

バイプーションスライムをバイブレートスライムに修正しました

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