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「ふふふ、さて、じゃあ次の話をしていいかしら? マリーナちゃんの執事である、ルイさんのこと」


 カトレアさんの言葉にふざけ半分だった私もエルも真剣な顔つきに変わる。


「隠しキャラはルイさんだった、ということでいいんだよね?」


 カトレアさんの問いに私は頷き、答える。


「はい、隠しキャラはルイさんでした。精霊使いでしたし、私を結界に閉じ込めたり、記憶抹消魔法などの上級魔法も使用していましたしね」


 私がそう言うと、エルもカトレアさんも確信を得ていたようで納得したように頷いた。


「そのルイさんはエルに捕まえられて警部隊……警察のことね、その警部隊に連行されたわ。精霊使いっていうことで厳重な拘束魔法と対精霊使い用の魔封じを施されているから逃げるのは困難のはずよ。とりあえず一安心っていうところね」


 カトレアさんのその言葉にホッと息をつく。実のところルイさんはどうなったのかとずっと考えていたのだ。


「それで、マリーナちゃんが記憶抹消魔法がかけられて別次元に飛んでいた間なんだけどね、いやぁ、私たち消えちゃってて!!」


 ほんと大変だったわぁ消えてたからわからないけど! と言われ、思わず固まる。



 ………んん?



「なんかさっきもチラッと聞いた気がしましたけど……え?? 消えたって、消えた……んですか……?」


 めちゃくちゃな文脈でカトレアさんに尋ねる。


「うーん、説明がすごく難しいんだけど……まず、マリーナちゃんが飛ばされた次元っていうのは、私たちがいる今の次元の裏側……もう一つのこの世界、と言ったところかしら。マリーナちゃんが、エルが、私が、ただの私たちだった世界、転生も何にもなかった時のもう一つの世界、みたいな感じかしらね。ルイさんのブラックエンドがマリーナちゃんとルイさん以外の人物や建物の世界消滅だったからそれを使用したのね〜いやぁ、それに加えて世界飛び越えて裏側に行くなんてもうチートよチート」


 なんてかるく重大なことを言うから聞きながら絶句してしまう。


「な、なるほ……ど? ……あれ、でもエルは転生したエルだったよね……?消えなかったってこと……?」


 ふと思い出しそう言うと、エルが返してくれた。


「おそらく、この世界にいたのが、僕じゃなく、本来のエル・カトリーヌだったから、裏側にいたのが僕だったんだと思う。僕は表側にいなかったからね。一応このゲームのことある程度覚えてたし、本で読んだこととかがちゃんと合っててよかったよ」


「なるほど……」


 つまりこの世界には表と裏があり、ルイさんは表の世界を消して、裏の世界に私を連れ去り、私は本来のマリーナ・アディソンの中で揺蕩ってた。その裏の世界は本来のゲームのキャラクターがゲーム通りの性格、発言でシナリオを進めていっていたってことかな……? そして私が助かったのは、表の世界に本来のエル・カトリーヌがいたことによって、転生したエル・カトリーヌが裏の世界に来たってことか……。あー、複雑だな!もう!!


「とりあえず、概ね理解出来ました。それで、ルイさんはこれからは牢屋に入っておくって感じですか?」


 私の素朴な疑問に、そうねーとカトレアさんは続ける。


「牢屋は軽犯罪者が入るところでね、上級魔法の多用、しかも世界抹消まで行っちゃうと最上級犯罪なのよ。しかも希少で、最も危険な精霊使い。これは地下牢で永久幽閉なんじゃないかしら? 自分の魔力を吸われ続けながら」


 魔力を吸われ続ける。


 それがどれだけの苦痛で、辛いことなのか、想像を絶するのだろう。


 私が顔をしかめたからか、カトレアさんは、少し困った笑顔で、


「これでも軽い方なのよ、精霊使いってことで少しは優遇されてるようなものなの。吸われ続ける魔力も、常時大量に、じゃなくて一定量らしいし。だから心配しなくても大丈夫よ」


 と言ってくれた。


「そうなんですか……」


「まぁ、とりあえず脅威は去ったってことだね。そして、ストーリーもこれで終わった、んだよね?」


 エルがカトレアさんにそうたずねた。


「そうね、これでゲームのストーリーは、おしまい。世界は消えずにバッドエンドにもならなかった。すばらしい終わり方ね!!」


 やったわー! カトレアさんは拍手する。


「はぁ、肩の荷がやっとおりる……」


「バッドエンドを気にせず生活を楽しめる……!!!!」


 つまりハッピーライフ……!!


「これからの人生は私たち、個人のもの。ストーリーに悩まされず、惑わされることもない。私たちの人生を歩むのよ」


 そうカトレアさんはニコッと笑って言った。


「……はい!!」


 私は同じようにくしゃりと笑って返事をした。










 これは、主人公マリーナ・アディソンとゲームのストーリー、キャラクター、世界が入り混じった物語。そして、その後の物語である。





 

先週の更新さっそく滞ってごめんなさい!今回の話はもともと去年に書いてて、そのせいで終わりがよくわからずあれ?ってなってたら時が過ぎてました申し訳ない……

とりあえずこれで終了ですが、エピローグと、SSと伏線というかこういう事だよっていうなんか頭にあった話を更新していく予定とともに、ちょっと納得してないところの手直しもしていく予定です!!

約1年更新してなかったくせにとっとと話終わっちゃっててごめんなさい!まだ続くには続くのでよろしくお願いします!(多分終わり方面白いぐらい変だよね……?)


ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございます!

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