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「今日は面白かったねー」
と、デザートを食べながら、今日を振り返るアルナルド。
さっきのカトレアさんのことから切り替えようとしてるんですね、わかります。
「イラつくことしかなかったが?」
即座にそう返すエディに、私は苦笑いをこぼす。
「リュラさんすごかったですよねー」
私がそう言うと、アルナルドも頷きながら返す。
「魔法の創造って王城にも務めれるレベルだよ。まぁ引きこもりのひねくれっぽいところは難点かもしれないけどね」
と真剣に考えてるところを見ると、引き抜きとか考えてるのかな……そういうところは王子っぽいなぁ……。
「館長も楽しい人でしたねー。最後は面倒事押し付けられたけど……」
と苦笑しながらもそう話すのはエル。その言葉にエディは嫌そうな顔をする。
「二度とごめんだな」
と言うエディに、相変わらず嫌いなんだなぁと苦笑した。
「マリーナ様、よろしいですか?」
と、私たちの前にルイさんが現れた。
「ルイさん? どうかしたんですか?」
と尋ねる。
「カトレア様がいらっしゃっております」
「え、カトレアさんが?」
驚いた声で言うと、続けて、
「なにかお伝えしたいことがあるようで」
と言った。
伝えたいこと……?
「そうなんですか……すみません、みなさん、先に戻りますね」
私がそう言うと、みんなもそろそろ戻ろうとと思っていたようで解散することになった。
「カトレアさんが伝えたいことって何だろう……?」
首を傾げながら私はそう呟く。
「あまり明るい顔はされていたいようでしたよ」
その呟きに、ルイさんはそう答えてくれる。
うーん、先生に怒られたのかな……。
と考えていると私の部屋に着く。
「部屋の外で待たせるのは流石に失礼かと思いましたので、お部屋に通したのですがよろしかったですか?」
と尋ねるルイさんに、
「もちろんです、ありがとうございます」
と笑って返した。
部屋に入ると、俯いて椅子に座っているカトレアを見つけた。
「あ、カトレアさん」
そう声をかけると、ゆっくりと顔を上げるカトレアさん。
「マリーナ……ちゃん」
心ここに在らず、というふうに私の名を呼ぶカトレアさんに、驚く。
「ど、どうしたんですか? 先生にこっぴどく怒られたんですか?」
そう尋ねるが、ううん、と静かに首を振るだけ。
「……ルカは、多分、もしかすると、きっと……」
と言葉を止めるカトレアさん。
え、多分、きっと、もしかすると……?
「隠しキャラだったのかも……?」
……
……!?
「えぇ!?」
な、なんだって!?




