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「すみません、ちょっと考え事をしていて。その本なのですが、どうやら私の勘違いだったようで」
私は申し訳なさそうにそう言う。
「なんだって?」
「ここのほんの一部は本の中に図書館の判が押してあるらしいですよね。私それを知らなくて、図書館じゃないと思い込んでただけだったみたいです。ご迷惑をおかけして、すみません」
ここの図書館は昔は表紙じゃなく、本の中の1番後ろに図書館の判を押していて、それが今でも残っていることはもちろん私は知っている。だが、その本もいまや1割程度だから知らない人がいても当然だろうし、私のこの嘘は多分バレないだろう。
「あー、確かにここの図書館、昔のやり方と今のやり方が混同してるからなぁ」
とアルナルドが思い出したように言う。
「セキュリティ云々の問題以前だったな」
とエディ。ちらりと館長をみて挑発しているようだ。当の館長は悔しそうな顔をする。
「ぐぬぬ…….リュラにいろんな面倒事を押し付けると思ったのに……」
「おいこら何考えてんだ」
悔しそうに言った館長に即座に反応するリュラさん。
「まぁ、そういうわけだから、全員退室しろよな。俺はこれからやる事があるんだから」
ドヤ顔をしながらいうリュラさんに、館長はチッと舌打ちする。
「しょうがない、居座るか……」
「なんでだよ」
仕方なさそうに館長は言うが、即答でイヤイヤオーラを醸し出し返すリュラさん。
「そろそろ帰りたいんだが」
エディがめんどくさそうにそう言うと、館長が「えー」と悲しそうに言う。
「あ、じゃあ私町を歩きたいです!」
「あら、いいわね! 行きましょ行きましょ!」
私の提案にノリノリで乗ってくれるカトレアさん。
「あ、じゃあ僕も歩こうかな」
とアルナルドも続く。
え。
「いや、アルナルド様大丈夫ですか…? 大騒ぎになるのでは……?」
「そうだな、普通に無理だぞ」
と、エディも反対する。
「えー、大丈夫大丈夫」
いやいや無理だろ。ゲームでもお忍びで主人公(私)と町に出て大騒ぎになってただろ! 私とカトレアさんしか分からないと思うけど!!
「ダメだ」
エディは行こうとするアルナルドを頑固として反対する。
「……あ、メリッサさん、エディと一緒にいてくれない?」
と館長に言うアルナルド。
「えっ! ……いやいやダメですよアルナルド様」
一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐに顔を引き締めて言う館長。
「ちっ……あ、エル、このあと暇? エディに付き合ってやってくれない?」
懲りずにエルにそう言うアルナルドに、はぁとため息をつくエディ。
「いやいや無理ですよ、ほら見てください、エディッタ様も呆れてますよ」
と困ったようにエディを指して言うエル。
「別にー? エディなんて見えないしー?」
えー……。
「いい加減にしろ、アルナルド」
とエディが言った時、ふと声がした。
「変装の魔法ぐらいならかけれるぞ?」
……おっとリュラさんは驚かせるのが得意ですね、本当に。




