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昼食休憩なども挟み、カトレアさんの授業は滞りなく進んでいった。
「……これにて、私の講義を終わらせていただきたいと思います。拝聴いただきありがとうございました!」
そう言って笑顔で一礼したカトレアさんに、盛大な拍手が送られる。
私も同じように拍手し、やっぱりすごいなぁと改めて尊敬していた。
講演が終わり、生徒が順に出て行く中、Bクラスもぞろぞろと出ていく。
と、そんな時、
「アディソン。マリーナ・アディソンはいるか?」
と呼び止められてしまった。
んん? と声のする方を見るとそこには先生が。
「はい、なんでしょうか」
なんか悪いことしたっけなぁ? なんて考えながら先生の元へ行く。
「先ほどの件で関係者には集まってもらっているんだ。アディソンも関わっているんだから来てもらうぞ」
ああー、実演の……
「でもあれはただの演技で……」
「ただの演技であってもあれはただの生徒がするには難しい技だ。それも、新入生がするにはさらに、な。というわけで、問答無用で来てもらうぞ、アディソン」
うおっふ、めんどくさそう……
「分かりました」
心の中で苦い顔をしながら何もない顔でそう言う。
「ではこちらへ」
一緒にいたもう1人の先生がそう促し、私はそれに着いて行った。
ーーーーーーーーーー
しばらく歩くと、着いたそこは応接室だった。
わぁ、応接室って初めて〜。ほら私って前世も現世も庶民だから〜……うん、現実逃避とかしてる場合じゃないね、アホだ。
「あ、マリーナちゃん」
応接室に入るとそう声をかけて来たのはカトレアさん。アルナルドもいるようだ。
「カトレアさん。さっきぶりですね」
笑ってそう言うと、そうね〜と笑って返してくれた。
「さて、あとはカトリーヌだけだが……ああ、来たか」
先生がそう言うと同時にドアが開けられる。そこにはエルと先生がいた。
……これで全員集まったってことか。
端にいて気づかなかったが、一緒に舞台に出た女の子もいるようだ。
「さて、あの時の状況をしっかり説明してもらうぞ」
そう言う先生にカトレアさんは
「あの時とは?私の講義は一日中あったのであの時と名称されるといつのことを言っているのかさっぱりですね」
と笑顔で返した。
い、意地悪だ……。
「ここにいる生徒を見ればわかるだろう! 実演の時の話だ!」
「実演……? ああ、あの時の。みんな演技うまかったよね〜」
なんて白々しく言うカトレアさんに、先生はイライラを隠しきれていない。
「あれが演技であったにしろなかったにしろ、あれだけの芸当を入学まもない少女がするのは、ありえないことだ。あの時の状況をきっちり説明しろ」
厳しい声でそう言う先生に、カトレアさんはじっと先生を見つめた後、はぁとため息をついて話し出した。
「あの状況は私でも理解していないんです。マリーナちゃんが続けてほしいと言うので続けましたが、状況の理解はまだできていません。あれには私も驚いてるんです。予想外の事が起こりすぎて……」
呟くようにそう言って、カトレアさんは考え込む。
「そうか……じゃあアディソン。あの時の説明を」
急にそう振られ、んぇ!?という変な声が出るのを抑えながらこくりと頷いた。
「えっ……と、まず演技っていうところは嘘であとは本当です。あの水球からの水槍は途中で制御を乗っ取られて……あと体と声も動かないし出なくなってしまったので何も言えなくなってしまって。アルナルド様は生徒のところから闇魔法が使われたと……」
「闇魔法だと!?」
驚いた声でそう言う先生に他の先生もざわつく。
「話に聞いていたが本当だったのか……」
なんていうつぶやきも聞こえてくる。
それもそうだろう。
闇魔法というのは普通で手に入れれるものではなく、先天性のものでもない、本来は生まれるはずのない魔法だ。
そして、その闇魔法を持っている生徒はもちろん、先生もいない。
それなのに、闇魔法を使用する者がこの学院にいる。
学院にとっては大目玉だろう。
「……闇魔法についてはこちらで調べてみよう。このことは他言無用で頼みたい」
硬い表情でそう言う先生に、私たちは「はい」と頷く。
そうして私たちの事情聴取(?)は終わった。
更新についてなのですが、まだいつなるかは未定ですが、2週間から3週間、つまり、2回か3回更新をお休みさせていただく可能性があります。
理由は私は学生なので期末テストがあるからです。
中間テストや中学時代の受験勉強などは気合いでなんとかしたんですが、(なんとかできてない部分もありますが)高校の期末テストは今後の進級にも関わるため、更新が遅れてしまうと判断し、お休みさせていただこうと思います。
勉強期間の関係で1週間以上いただくことになってしまいました。すみません。
また勉強のため、というのもあるのですが、最近小説のネタが思うように出ず、書き溜めも出来ていないというのもあります。
この機会にしっかり書いていきたいと思っています。
楽しみに読んでくださっている方申し訳ありません。
これからもどうぞよろしくお願いします。
長々と申し訳ありませんでした。




