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「では、お願いします!」


 カトレアさんにそう言われ、静かに深呼吸する。


 大丈夫大丈夫私はできる私はできる……


 そう何回も繰り返し、手をかざす。


 大きな水球……カトレアさんみたいな……アルナルドみたいな……


「……水球」


 私はしっかりイメージしながら、そう呟く。


 すると、カトレアさんやアルナルドよりも大きな水球が。


 やった!出来た!


 下の生徒も呆然とする中、私は喜びで飛び跳ねそうになる。そして突然感じた、何かが入り込んだ感覚。と思っていたら、なにかに乗っ取られた。


「っ?」


 私はすぐに水球を消そうとするが、なにかに水球の制御を乗っ取られているようで、消すことができない。


 そして、水球は勝手に動き出し、たくさんの中ぐらいの水球に分けられる。


 は? どういうこと?


「あら、マリーナちゃんすごい!」


 後ろでカトレアさんがそう言ってくるが、違う! 私がやってるんじゃない!!


 誰か助けて!! 制御どころか体にも何か魔法をかけられて動けない!


 私は声を出そうとするが、声も出ないようにされているみたいだ。本当にまずい。


 そう焦りながらも、魔法の解除の仕方を模索する。


 そして、水球はさらに形を変え、数多の槍となってこちらを向いていた。


 なっ、誰が制御して……!!


 やばいやばいやばい誰を狙ってる?私? それともカトレアさん? いや、アルナルドって可能性も……。


 ってそんなこと考えてる場合じゃない! 誰か、助けを呼ばないと……あ!


「(エル!助けて! 魔法の制御が出来ない!!どうにかしてあの水球を消して!)」


 私はすぐにエルにテレパシーを送る。


 エルは意味がすぐに分かったのか、


「火矢……!」


 エルはそう言って……るかは分かんないけど口の動きはそう言っていて、その通りに水に火矢を差し、蒸発させる。


 しかし、少し残ってしまった水の槍がこちらの方向に飛んできた。


 当たる……!


 私はとっさに目を瞑り体に力を込める。が、すぐに後ろから引っ張られ、当たるはずの水の槍も当たることはなかった。


 ……え?


 私は恐る恐る目を開けると、背中には温もりが。


 ……うわぁぁあああああ!!!!


 う、うううううううしろにあ、ああああアルナルドが!!


 て、てててててて手がわ、私の体にま、まままままま回って……う、うわぁぁああ!!


 きっと、私の顔は真っ赤だろう。


「あっぶないなぁ……大丈夫? マリーナ」


「だ、だだだだだ大丈夫でございますよ!?」


「え、そ、そう? ……本当に大丈夫?」


「大丈夫でござる!!」


「……あ、うん、そっか」


 なんか変な目で見られたけど私は気にしない!!


「大丈夫!? マリーナちゃん!!」


 あわあわと混乱しながらそう尋ねるカトレアさんに、ビシッと親指を立てて、


「問題ないです!」


と言う。


「そう? なら良かったけど……そういえば誰かが火矢を放ってたけど誰が……?」


「あ、エル…様に助けを呼んだんです。体は固まるし声は出なくて焦ってたらそういえばテレパシーがある! って思ったらもう咄嗟にエルに助けを呼んでいて」


 うん、もしあの時テレパシーを思いつかなかったら私死んでたかも。


「ああ、なるほどそうなん……あれ? 今エルって呼び捨てにしなかった?」


 うぇっ!? あれ、様って言わなかったけ!? 


「し、失礼しました! つい安心でうっかりと……以後気をつけます!」


「ああ、いやいやいいんじゃない?親近感がわくし。僕のこともアルナルドでいいよ?」


「いいえ! アルナルド様を呼び捨てなんておこがましい!!」


 呼び捨ては心の中だけにとどめておきますとも!!


「えー、悲しいなぁ」


 そんなのいいのになぁなんて言いながら、アルナルドは笑っている。


 その笑顔も素敵です。




最近、分けるのがへたくそになってきました。

なんか話の時数が減ってますね……

どうにかして増やしたいんですけどそうするとすっごい長くなったりして……まぁそうでなくても切り方下手なんですけどね……。

時数が減っていくならやはり週2にした方がいいんでしょうかね……?

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