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「カ、カトレア様!?」
カトレアさんだった。
「およよ、修羅場ってるねぇ、お姉さんそういうの大好きよ〜」
……何言ってるんですかカトレアさん……。
女の子なんか何言ってんの?みたいな顔と驚いた顔が入り混じった感じの顔になってるよ。
「まぁ、とりあえずエル君?落ち着いて落ち着いて。全く〜、マリーナちゃんがなかなか来ないから迎えに来たら、なんかゴタゴタしてて驚いたわ〜。あ、あなたの名前は?」
カトレアさんは女の子の方を向き、尋ねる。
「あ、サーナ・ミスレイです……」
と先程のグイグイ感が消え、大人しそうに女の子……サーナ・ミスレイさんは言った。
「そう、じゃあサーナさん。今日はもう帰りなさい。私はこの2人に用があるから」
「は、はい」
カトレアさんの美しい笑顔に見とれながら、サーナさんは去って行った。
「……すみません、カトレアさん。迷惑をかけてしまって」
私はサーナさんが去った後、カトレアさんにそう言う。
「いいのよ〜。さっき言った通り私は修羅場が大好きだから。……こんにちは、エル・カトリーヌ君。私の名前はカトレア・マーベリア。よろしくね?……というかとりあえずその睨みをやめてもらえないかしら?」
カトレアさんは苦笑しながらそう言う。
エルは何を言うこともなく、ただカトレアさんを睨んでいた。
「エ、エル。あ、さっき言ってたドルソン先生の婚約者って、カトレアさんのことで、本当は後で話そうと思ってたんだけど今言うね。カトレアさんって転生者なんだって」
私が半ば早口でそう言うと、エルがピクリと動く。
「……転生者?」
「そう、転生者。だからそんなピリピリする必要がないの。むしろ仲良くしないと!」
ね?と私が言うと、エルの顔が元に戻り、普通の態度に戻っていた。
「まさか3人目もいたとは思わなかったよ。しかもそれが伝説的な人だったなんて」
「そうだよね〜。まぁ私はカトレアさんが有名っていうことを知らなかったから色々驚きなんだけど」
「待って待って待って!!」
エルが普段通りに戻ったことに安堵しながら話していると、横から、カトレアさんの声。
「え?なんですか?」
私は首を傾げながら、カトレアさんの言葉を待つ。
「いやいやいや、え?すっごいさらっと言ってたけどそんな軽くいうことじゃないはずだよね?え?転生者?いや、うん私は転生者なんだけどあれ?エル君ももしかして転生者だったりする?私にも説明してほしいんだけど?」
あ。忘れてた。
「そうですね、ちゃんと説明しておきましょう。エルも転生者です」
「いやいや普通すぎない!?っていうかサラッと言ってるけど結構重要なことだよ!?それって!!」
まぁそうなんですけどね……さっきまでエルを元通りにするのを目的としてたからそこまで気を張れなかったというか……
「まぁとにかく同じ転生者同士仲良くしましょう!!」
「なんか軽いなぁ……うん、まぁいいや。よろしくね」
「あ、よろしくお願いします」
と、挨拶も済んだところで……
「「語ろう!!」」
おっとっと、カトレアさんとハモっちゃった。
「いやぁ、やっぱり語りたいよね〜!というわけでまずはルカのところに行こー!」
なんて言うカトレアさんに連れられ、ドルソン先生の個室へと向かった。
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「……ここで語る必要はないんだが?」
呆れ顔でそう言うのは、部屋にいたドルソン先生。
「いやだなぁ!ここだと盗み聞きされる心配もないし、魔法使っても大丈夫だし、飲み物もあるし、1番いい場所だよ?使わなきゃ損だよー!」
「まず前提として俺の個室なんだが」
「あーあーあー、聞こえなーい。転生者のオタク言葉しか聞こえなーい」
「……」
「仲良いですね」
私が苦笑しながらそう言うと、カトレアさんは照れながら、
「えっへへ、そう?」
と言う。
一方、ドルソン先生は、
「今の状況のどこがそう見えるのか教えて欲しいものですね……」
とげっそりしながら、答えた。
「なんか会話が仲よさそうに聞こえます」
私がにっこり言うと、カトレアさんはさらに照れ、ドルソン先生は、さらにげっそりした。
「えーっと、とりあえず座ってもいいですか?」
コテンと首を傾げながら、先生とカトレアさんに尋ねる、エル。
うん、
「「可愛い!!」」
カトレアさんと私は口を揃えてそう叫ぶように言った。
「「……」」
ドルソン先生とエルは、黙ってジト目で私達を見る。
ふっ、そんな目に屈する私ではないのだ!!
「さぁて!第1回転生者会議を始めましょー!!」
カトレアさんは、ニヤリとイタズラっぽく笑ってそう言った。
昨日はついに投稿半年突入しました!!
ちゃんと更新できてうれしいです…!!
これからもがんばります!よろしくお願いします!!
(まだ検討中ですが、定期更新の曜日を増やそうかと思っています。また決まったらあとがきでお知らせします!!)




