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「…さて、授業を妨げてまで校則を破った者を探し出すのも時間の無駄でしょう。あとで、必ず名乗り出るように。

授業を始めます」


 先生はそう言って、クイっとメガネを上げた。


 …校則を破った者ってルージュのこと…だよね?


 いつ知ったんだろう…いや、犯人わかってなかったってことはどこかで耳にしただけ?


 私はチラリとルージュを見やると、俯いているだけだ。


 バレてヤバいと思ってるのかな…?


 まぁ、睨まれないで授業を受けれるなら万々歳かなぁ。


 なんて気長に思いながら、私は授業に集中した。


ーーーーーーーーーー


 授業が終わり、みんなそれぞれに友達と話している中、


「マリーナ・アディソン。来てください」


 と言う先生の声が響いた。



 ……え?


 私の聞き間違いかしら。

 まだ10代のはずなんだけどねぇ…精神年齢はもうアラサーぐらいだけれども。


「マリーナ・アディソン」


「はい」


 聞き間違いじゃありませんでした。


 私はささっと立ち上がり、ドアの前にいる先生の元へ早足で向かう。


「な、なんでしょうか」


「着いて来てください」


 …え…


「は、はい」


 私は汗をダラダラとかきながら、先生に着いていく。


 えっと、うん?なんで私着いて行ってるんだ?っていうかなんで呼び出されたの?


 もしかして先生が怒ってる時に大声出しちゃったこと怒られるの?それとも心当たりある人だと思われた?まぁあるっちゃあるけど犯人じゃないですよ?


 もし疑われた場合、悪いけど私は遠慮なくルージュを売るからね?これがエルやレインとかなら黙秘権を行使したけどルージュなら容赦なく売ってやるからね?犯人はルージュですって、元気よく言ってやるからね?


「どうぞ」


 先生はそう言って中へと促す。


 うわぁあ、入りたくないなぁぁ…。


 私はそんな思いとは裏腹に足をその部屋の中へと動かした。


 入れられたその部屋は先生専用の個室だ。

 先生は前世の学校のような職員室があるのではなく、専用の個室が設けられている。

 ちなみに職員会議などの職員室ですることは会議室などでするそうだ。


 先生に個室ってやっぱり金持ちだな……。


「…えっとなにかご用でしょうか……先生」


 あ、私この先生の名前知らない……。


「……まず私の名前を言った方がいいですか?」


 あはは、先生の名前知らないことがバレた…。


「あー…すみません」


「いいえ、最初に自己紹介をしたはずなんですがね。

私の名前はルカ・ドルソンと申します。以後お見知り置きを」


 丁寧に先生…ドルソン先生は言った。


「あ、マリーナ・アディソンです」


「知ってます」


「ですよねー」


 知らないわけないよね。


「それで、私になんのご用でしょうか」


 怒られる事案ではないようだけど……。


「…悪いことは言いません。マリーナ・アディソン。今すぐ学院をやめることをお勧めします」


 ……え?


「が、学院を…ですか?」


 あれれ、ルージュにも同じようなことを言われた気がする。


「…理由を、聞いてもよろしいですか?」


 私はゆっくり、吐き出すようにそう尋ねる。


「理由、ですか……。そういえば最近、カトリーヌ君と仲がよろしいようですね」


「…そうですね…仲良くさせていただいております」


「それによって貴女が虐げられることがあると思いますが?」


「……そうでしょうね」


 なるほど。

 ルージュとは全く正反対の理由だ。よかった……。


「…確かに私がエル…様と仲良くさせていただくことにより、よく思わない方がいることはもちろん承知しております。しかし私が重要視しているのはそこではないのです」


 私には…というか多分、これは主人公(・・・)には、目標…いや夢があった。


「というと?」


「……私は庶民です。もし願わくば魔法の才に恵まれたいとは思いますが、そこまで強情にはなれません。

魔法を扱えることにより、他の教養にも恵まれ、これは庶民ではあり得ないことでしょう。

この知識で、私は庶民だと貴族に蔑まれた人たちを助けたいと思っています。なにより、家族を楽にしてあげたいと思っています。

見もしないいじめだのを怖がるより、希望がある学才に私はすがりたいと思っています」


 これが、主人公の学院に来た願い。

 私、ではなく正真正銘のマリーナ・アディソンの願い。


 この体として生活し、マリーナ・アディソンになる私のせめてものお礼と感謝。


 私は、叶えたいと思っているのだ。この願いを。この、夢を。


「…なるほど…。そうでしたか。色んな人のことを考えているのですね……でも、それはちゃんと学院を卒業しなければ、出来ないことですよ」


「もちろんわかっています。努力を怠るつもりはありません」


「そういうことではありません。私が言いたいのは……」


 ……?

 急に口数を減らすドルソン先生。


 そんな時、


「全く〜、ルカはもっとはっきり言った方がいいんじゃない?」


 急に、後ろから声がした。

無事、昨日受験を終えましたー!!

もう半分記憶がないです…笑


合否はまだ分かりませんが、もう合格してる気が全然しない…

まぁ…はい、小説の更新はこれからも頑張ります!!


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