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今は11時。
場所は食堂。
そしてメンバーは…
「わぁ!お昼の時間帯はこんなメニューもあるんだ!知らなかったー!」
「珍しい名前の料理が多いな…。とりあえずわかるものにしておこうか…」
「あれ?僕のだけメニュー表が金色だ。…あ、エディのメニュー表の方が美味しそう。交換しない?」
「バカなことを言うな。そのメニュー表はお前専用ということだろう。そこから選べ」
……
順に、エル、レイン、アルナルド、エディである。
イエスカオス!!
攻略キャラ勢揃いだよ!!
どうしてこうなったかって?
そりゃあ…
「エ、エル様?あの…今日の昼食、ご一緒しませんか?」
私はレインと話していたエルに教室に戻ってすぐに話しかけた。
「ん?今日?…まぁいいけど。(どゆこと?目立ちたくないんじゃなかったの?バリバリ目立ってますけど)」
エルの言う通り…!
目立ちたちまくりだけど今はそれどころじゃないの…!!
女子にめっちゃジロジロ見られてるけど関係ないの…!
…私を見る女子の目が怖い……。
「ありがとうございます。では昼食で(やむ得ない事情ができたの。目立つことはスルーする程の…!)」
と、会話を終わらせようとすると…
「俺も行っていいか?」
隣からそんな声が。
まぁそうなりますよねー…
「あ、でもレイン様はお誘いがあるのでは?」
ニコッと笑いながらそう言う。
「いや?大丈夫だ。俺もエルを誘おうと思っていたしな」
マジかよ。
「(わー、エル人気者〜!)もちろん、大丈夫なのでしたら是非」
っていうことになってこうなった…!
…ま、まぁ攻略キャラのオールスターズを見れてちょっと興奮してるけどね?ちょっとだけね?こんなの滅多に見れないし。
というかエルとレインにはこのことを言ってなかったからすっごいチラチラこっち見てきてるけど。
…うん、気にしないでおこう。
「アルナルド様とエディッタ様は決まりましたか?」
ニコッと愛らしい笑顔で2人にそう聞くエル。
可愛い!!
「俺は決まったよ。というか同年齢なんだし、様も敬語もいらないよ?」
そう言ったのはアルナルド。いやいや、あなた王子でしょう。敬語なしとか無理でしょう。
「俺も決まった。俺もいらないぞ?現に俺たちはタメ口だしなまぁ、アルナルドは一国の王子だし敬語を外すのは無理かもしれないが俺はいけるだろう?レインもどうだ?」
公爵家をタメ口もヤバイけどね?どっちもどっちだからね?
レインは急に振られて戸惑ってるし。
「えっ、いやいや僕は伯爵位ですし…タメ口なんておこがましいです」
「子爵という爵位の低い自分が高爵位のお二人にタメ口を聞くなど出来ません」
おお、2人共すごい謙虚な…
ああ、思えば主人公もタメでいいよって言われてあんな感じだったなぁ…。
「えー?全然いいんだけどなぁ。じゃあ言いたくなったら言ってね〜」
とアルナルドは笑顔で軽く言った。
果たして言いたくなる日は来るのやら……
「そろそろ注文しませんか?」
私は空腹が限界に達してきたのでそう言い出す。
「あ、そうだね。注文しないと」
とアルナルドが今思い出したかのように笑って言った。
「すみませーん」
そしてエルが店員さんを呼ぶ。
やっと私は食事にありつける…!
空腹でしにそうだったんだから…!
みんな口々に料理を注文する中、注文が終わったのか、
「(ねぇ)」
とエルがテレパシーで話しかけてきた。
やはりきたか…
とりあえず聞こえなかったフリをする。
「(ねぇ)」
聞こえなかったフリ。
「(ねぇ)」
聞こえなかったフリ。
「(…おい)」
「(はい、なに?エル)」
やっべ、全部スルーしようと思ったのにめっちゃ声低くなってとっさに答えちゃったよ。
「(どういうこと?)」
「(なにが?)」
「(とぼけないで!!エディッタとアルナルドの食事に、なんで僕らも一緒なわけ!?お前謀ったな!?)」
あっはは〜…
なんて言い訳しようか…
ってん??
言い訳を考えていると、視線を感じ、チラリと見ればアルナルドがこちらを見ていた。
……え?なに?
「……あの、アルナルド様…何か付いてますでしょうか?」
とりあえず怖いので聞いてみる。
「え?いや、魔力反応が微かにあるからちょっと見てただけだよ。多分これはてテレパシー…だね」
……
すごい爽やかな笑顔でそう言うアルナルド。…目が笑っていません…。
「そ、そういうのもAクラスで習うんでしょうか?」
は、話をそらさねば…!
「いや?これは入る前から教わってるよ。魔力反応でなにをしていて、何をしようとするのかをわかる特訓。で?何話してたの?相手は…エルくん、かな?」
ギャー!!
なんだよその特訓!王子すげーな!!
一気に相手までバレたよちくしょう!!
再来週かその次の週の更新をおやすみさせていただくかもしれません!




