とある男の子の日常
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とても面白いあの漫画みたいな話ではありません。
男の子が日本から異世界に召喚される前のお話しです。
「ここは。。。どこだ」
気がつくと僕は薄暗い場所へと閉じ込められていた。
まてまてまて。なんで僕はこんなところにいるんだ。
そう僕は確か。。。
「あんたなんか産まれてこなければよかった!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
いつものごとく僕は母親から罵倒を受けながら殴られていた。痛みでかすれた声を出しながらいくら必死に謝った所で母親は止まらない。わかっていることだが僕が謝らないと生意気だと言う事で母親は更に殴りつけてくるから謝らなくてはいけない。
止めてくれる人はいない。父は母親が浮気をしていたことを知った時に僕を置いて出ていった。それ以来、母親は男を作っては遊び回り時折帰ってきたと思いきや今のように僕がボロ雑巾のようになるまで暴行を加えてはまた別の男の元へと行く。
学校でも同じだ。毎日他にはすることがないのか。と呆れるぐらいに不良の集団達が僕に絡んでくる。今も休み時間にトイレに連れ込まれている
「おいおい、なんでお前みたいな捨てられたやつが学校にきてるんだ?」
「昨日、明日来たら全裸じゃないとこうなるって言ったよな。オラァ!」
「ぐっ。。。」
不良Aは僕のお腹に殴りかかってくる。痛くて倒れそうになるが倒れたら蹴りがくるのでなんとか持ちこたえる。
「ギャハハハ。おまえこんなやつも倒せねぇのかよ」
「う、うるさい。てめぇのせいで俺が恥をかいただろうが。この野郎!」
「や、やめ。アガァ」
「何倒れてんだ?お前。俺たちの許可なく動いたから罰ゲームだな。ふん」
「ぐ。。。」
「明日までに100万持って来い。持ってこなければ俺たちのがお前の根性を鍛え直してやるよ」
不良Aは別の仲間にからかわれた為に怒りながら再度、僕に殴りつけてくる。これではせっかく耐えたのに意味がない。なんて思いながら今度は堪え切れずに倒れる。すると別の不良がすかさずに蹴りを入れてくる。そしてありえない要求をしてきやがった。ただの学生の僕がそんな金を持ってると思っているのか?それにお前らがさっき言った通り親からも見捨てられた僕は常に食べるものでさえ困っているのに本当にあると思っているのか?などと思うが口に出して反抗したら更に暴力が振るわれているので首をしぶしぶ振って頷く。そうしているうちにチャイムがなって不良達はトイレから出ていく。
「こんな世界なんて無くなればいいんだ。みんなみんな死んでしまえばいいんだ、殺してやる殺してやる殺してやる」
なんて普通に生きていたらありえないことを呟きながら帰ろうとする僕に例の不良達は僕を見つけた途端に笑いながら迫ってくる。
「あ。いたぞ、あそこだ」
「くそっっっっっっっ」
「まてやこらぁぁぁあ。まだ話はおわってねぇぞ」
急いで逃げ出したが不良達は気に食わなかったのか追いかけてきた。そんな元気があるなら体育でも真面目にしてろ。と思いながらも必死で逃げていたが路地裏へ入った所を待ち伏せされたらしく挟み撃ちとなり捕まった。そして。。。
「ギャハハハ。てめぇの行動パターンなんてわかってんだよ」
「おら。勝手に逃げてんじゃねぇぞ」
「てめぇが逃げてたせいで疲れたからうさんばらししねぇっと。な!」
「つっっ。ご、ごめんなさっっっっ。が。。。ゲホゲホ。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「今更、謝った所で許すわけねぇだろが」
逃げ場を失った僕は必死に謝るが、当然のごとく不良達が許すわけもなく殴りかかってきた。そして一人のイカレタ不良が木刀を頭めがけて振りおろしてきたではないか。回避しようとしたがよけられるわけもなく頭に直撃した一撃でアスファルトへと倒れこむ。いつもならここで蹴りが入ってくるわけだが木刀による一撃の鈍い音。それに顔に流れる熱い液体。多分、血だろう。。。っとこんな時でも心の中ではまるで自分の事ではないかのように冷静に考えていると不良達はどこかへ逃げていった。
おいおい。あいつらせめて救急車でも呼べよ。ありえねぇだろ。
でもまぁ。僕が死んだところで誰も悲まないだろう。突然帰ってきたと思ったら暴行を加えては出ていく母親。僕がいるせいで母親に金を与えている父親(これに対しては僕は感謝しなければいけないのだろうか?。父親の金がなければとっくにしんでいたのだから。例えこのような暮らしだったとしても)いつもいつも絡んでくる不良達。見て見ぬ振りをする学校の連中。悲しんでくれる人なんていやしない。このまま死ねば楽になれるだろう。。。と死を受け入れるように考えていくうちに僕の意識は無くなった