駆ける少年
青い空、白い雲 あぁ、今日から始まるんだ、俺の高校ライフ。 思えばこの15年間 親父と二人っきりで今まで生きてきた。 母親は俺が生まれてすぐにどこか遠い国へと行ってしまったらしいのでよく知らない。 しかし! 俺の青春イエスタディは今日から始まる。 それは爽やかに、朗らかに、―のはずだったんだけども……。
ここ『○×△市』―田舎とも都会とも言えないこの微妙な町の真ん中にある『○×△工業大学付属高等学校』。 県内ではまぁまぁの進学校であり、この春から入学する少年少女達は皆、夢と希望に胸ふくらませて今頃は入学式をしているはずなのに……。
グワァァァッ!!
クェェェ…!!アホーアホー
と迫り来るカラス達。
俺が一体何をしたというのだ。カラス達に問いたい。
アホーアホー。へー、カラスって本当にあんなふうに鳴くんだー。しかし客観的に見て、大群のカラスに春早々追いかけられる図は気の毒半分ちょっと笑える。まさにアホだ。
「ぎゃー!たたた、誰かー!助けてー!!」と公園の曲がり角にあった茂みに飛び込む俺。気付かずにスルーするカラス達。
グエエエ…と遠ざかる声にあれは本当にカラスなのか、と疑問に思う俺の目にふと映ったのは目の前にある一冊の本。
「なんだこれ。本か?」 それは辞書よりも分厚くて真っ白で、なんだか本と呼ぶには少し違和感をおぼえるものだった。
本を捲ると何も書いていない。よく分からないのでそのまま置いておいても良かったが、一応後で交番に持っていこう。
とりあえず今は入学式だ、と俺は学校に向かって走り出した。 5分後にはまたあの黒い集団に追いかけられているとも知らずに。。。
俺、工藤新之助は今日から高校生になる。
天パーだが、誰にも文句は言わせない。だって遺伝子だもの。 あとはまぁ、かくかくしかじかと言う訳で、とりあえず自己紹介はこのぐらいにしとこうと思う。暇な時にでも追々話そう。
そして、学校に着いた時にはすでに入学式は終わっていた。
「はぁ~…」と溜め息をつく。なんかもういいや、明日から頑張ろ……、とアパートに向かって歩き出す。
昔からこうだ。運の良い時悪い時のムラッ気が激しいのだ。
良い時は行く先々の店で特売をやっていて、食材等を激安で買えたり、クジ引きで1等から6等までピンポイントで全部当てたりする。 しかし、運の悪い時には、転んでドブに顔面から突っ込んだり、さっきみたいに何かに追いかけられたり、ひどい時は居眠りトラックに危うく轢かれかけたこともある。
そんなやばい思い出を振り払うように「明○があるさ」を鼻歌で歌っているといきなり目の前を何かが飛んでいった。ヒュンッと鼻をかすめる。 物体の飛んでいった方を見てみると1mぐらい先になんだか怖い格好のお兄さんが倒れていた。
え?今のってもしかしてあの人?いやいや、そんな訳無いだろう。だって人間だよ?
「もうおしまいかい?」
振り返るとそこには帽子を被った少年がいた。なかなか端正な顔だちをしている。
「もうきぜつしてしまったのか…。お話にならないな。」
そう言うと少年は立ち去ってしまった。
「……」 絶句する俺。なんだか見てはいけないものを見てしまったような…。
結局、その日はなんだか疲れたのでそのままアパートに帰った。
「ただいま~。」
「やぁ、おかえりー。」
他人から見ればおそらく爽やかであろうこの男性は俺の父親。名を工藤 桃助 という。
「新之助、貴様今日学校さぼったんだって?担任の先生から連絡があったぞぃ。」
…喋ると残念なのが特徴だ。
「いや、なんか黒い悪魔達に…、」
「まぁなんでもいいが、非行にだけは走るなよ。人間真面目が一番だょ。」
説得力がまるで無いが、とりあえずお腹が減ったので食事の準備をする。 食べながら、最近町に現れる中国拳法の達人の話とか、拾ってはいけない呪いの本とか、まぁ他愛の無い話をしながら、大体いつも通りの1日が終わり床につく。
『…』
「…ん?」
誰かの声が聞こえた気がする。が、気のせいだろう、と思い眠りにつく。。
一応ゆるゆる書いていく予定です。お気に入りにしてもらえれば嬉しいです。




